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 到着したところを目撃された冷は慌てずに門番に近寄ると、


「おいっ、こっちに来るな! 何者だ……」


 門番は突然に飛行してきて現れた冷に危険性を感じ、止まるように支持を出すと冷は、


「怪しい者ではないですから」


(怖がらなくていいのですよ)


「いきなり飛んできて、どこが怪しくないんだよ!」


「俺の名は冷です。シャーロイ家の1番偉い人に会わせて欲しい。とても緊急な用件がある。直ぐに伝えてもらえませんか?」


「冷がなんだと、伯爵様に会うだと、バカかお前は……………………待てよ冷て、あの冷のことか……」


 門番は剣を構えようとしたが、名前を聞き憶測である名前を思い出して聞き返すと、


「えっと……あの冷でしょう。知ってるなら話は早い、伯爵にお願いたい」


(伯爵なんて、マジかよ)


「……………………そこでお待ちを」


 門番は事態が自分だけでは解決できないとわかると、城に伝えにいき冷とアリエルは待つことにしていて、城にいる伯爵は門番からの知らせを聞き、宿敵魔人ゴーレムを倒した冷だとわかると、冷とアリエルを城に招いて話を伺うとした。

 城は壮大で王都にも負けない程の大きさを持ち、持っている財産が大きいのを伝わるのにわかりやすい城で、冷は圧倒される。

 伯爵はゴーレムとともに冷を襲った姉妹の長女ルテリ、次女ルクエ、三女ルビカの父であり、娘が国家に反逆したのを止められなかったのを悔いていた。

 部屋には伯爵とその護衛兵が周りをギッシリと埋めている。

 冷が妙な行動を取れば即座に防御にまわり、冷から遠ざける策であった。

 伯爵は冷とアリエルをテーブルにつかせると来た理由を尋ねてきて、


「あなたが中級魔人ゴーレムを倒した冷と判断して良いのですか」


「間違いなく俺のことです」


 現れた伯爵の姿にイメージ通りでびっくりする。


(まさに伯爵って感じだな)


「隣にいる女性は誰かを」


「私はアリエル、なんというか人族が私を知らないとは言わせませんことよ、そう神である女神アリエルですからね!」


 アリエルは伯爵に正体を言ったら、伯爵はというと、


「アリエル……女神……………………えっと……あの神である女神アリエル様だと言うのですか、伝説の神ですが」


「知ってて当然ですよね、知らなかったら恥ずかしいでしょう。けど訳があって地上にいます」


「女神アリエル様に、魔人ゴーレムを倒した冒険者がここに……。まさか我が一族を滅ぼしにでも…………」


 伯爵は神である女神アリエルの登場と冷の関係に驚いて、何がどうなってるのか理解できなくなると、一族の滅亡を予感してしまう。


「いいえ、滅ぼすなんて、しません、しませんよ。俺は話があって来たのです」


(女神アリエルは知ってるのだな)


「あなたがゴーレムを倒した結果、娘の三姉妹は王都に連れて行かれました。もちろん娘姉妹が悪いのは承知してますし、私にも責任があります。しかしあなたがゴーレムに負けてくれれば、全てはゴーレムがしたことになり、娘はそのまま帰ってくるはずでした。よって私はあなたを恨んでいます。ゴーレムはもっと恨んでいますがね」


 伯爵は冷を恨んでいると言い切り、娘達はあくまでも騎士団を潰す程度でしか協力しないとなっており、騎士団を倒したら帰ってくるのが約束であって、それを覆した冷は憎い人物であった。


「俺はたまたま騎士団と一緒にいて、ゴーレムが襲ってきたから戦ったんだ。そこに三姉妹がいた。あの三姉妹を王都に送ったのは悪いと思っている。きっと俺を憎んでいると思ってます。でも待ってください、俺はここで伯爵側と戦う気はないですし、争いにきたのとはありません。話があるのですが、聞いてもらいたい」


「争いにきたのでないなら、聞きましょう」


 伯爵は冷に本当に争う意志があるかないかわからないので、話の内容を聞いてみたくなった。


「現在はあなたの娘さんの三姉妹が王都に居ます、そこで俺が王都に行って三姉妹を呼び戻してあげますよ、嘘ではないです」


「娘を取り戻してくると……。それは無理でしょう、いくらあなたが活躍したとして国王に認められようと、重い罪になってるのは国王から知らされました。もはやこうなったら我々の力ではどうにも出来ない、あなたが努力しても無駄ですよ。国王は絶対に許しません。残念ながら今の話が主旨ならこれ以上話しても無駄な時間になります。お帰りください」


「どうして初めからダメだと、国王に話し合ってみて、結果は変わるかもしれませんよ」


「国王は反逆した者にはとても厳しい方です。絶対に許さないですし、私も諦めています。ゴーレムが恐ろしくて、娘達を止められなかった私の責任。悔やんでます。ゴーレムが一緒に騎士団を潰そうと、特にナニ、そして冒険者ナーべマルもいるとし、倒せば国王政権は一気に弱体化すると。あんな話を信じなければよかった……」


「そうだったのですか、魔人ゴーレムはとても悪い性格してるな。俺が後でおしおきしてやります」


(伯爵を悲しませた罰でね)


「はっ…………それはどういった意味でして……」


 伯爵はゴーレムが仲間になっているとは知らなかったので、意味が伝わってこないがアリエルが、


「すみません、こちらの都合です、気にしないでください」


「はぁ……」


 アリエルが話が変な方向に行くのを修正しても伯爵は首を傾げる。


「もし俺が三姉妹を連れ戻して来れたら、許してもらえますか?」


「…………本当に連れ戻して来るのなら、あなたを恨むのはなくなります。ただなぜそこまでして娘を戻してくると、なんの特もないはず、むしろ国王の反感を買うだけですよ……それとも何か条件付きですかな」


 伯爵は冷が娘を連れ戻してくるのは不自然な行動であり、かなりのリスクを負うのはわかっていて、そうなると伯爵側に何かしらの要求があるのではと憶測出来た。


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