表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
196/351

194

194



 メドメールの話の中で出てきた時空間魔法が何なのかわからないリリスが話をさえぎって、


「時空間魔法てのは、なんだい……。そこからエルフの国に入れるわけかい?」


「リリスさんの考えで合っています。時空間魔法を使える人族との間で結びつきエルフの国と国交があったのです。それも秘密裏にで、表ではエルフと人族は国交がないとしながらも、ごく一部で国交をしていました」


 メドメールが話した内容は人族でもエルフの国に入れる可能性を示していて、結界魔法で絶対に入れないわけではないのを証明すると冷は、


「じゃあ俺はその地点からエルフの国に入れると考えていいの?」


(なんかワープするみたいな感じかな)


「冷さんの言った通りで、その地点でなら入れる」


 ガーゴイルが違和感を感じて、


「待って、結界魔法があるなら、あなた、メドメールはどうやってこの町に来たの。時空間魔法を通り抜けたわけ?」


「いいえ通り抜けたのではなく、エルフは結界魔法を何も制限なく通れるのです。わざわざ時空間を通る必要はない。人族だけ通るのに作った空間です。もちろんエルフも通ろうと思えば通れますが」


 ガーゴイルはさらに続けると、


「時空間魔法の地点がどこにあるかが知りたい。教えてもらえますか、わかれば我々も入国可能になるわけだし」


「南部を管理しているシャーロイ家はご存知のかたもいるでしょう。シャーロイ家の城にあります」


 メドメールが発した言葉には冷は聞き覚えがあって、ごく最近に聞いた名前であり、思い出そうとしていて記憶が曖昧になり、


「シャーロイ家…………どこかで聞いた名前だよな……どこだっけ?」


 冷が考え込むとゴーレムが、


「もう忘れたの……シャーロイ家と私が組んで冷達を襲ったでしょうが。今は王都にいて牢獄の中にいる。あのシャーロイ家の城にそんな仕掛けがあったとは知らなかった」


「あの三姉妹か!」


 冷はそこで思い出して、すっかり忘れていたのを反省する。


(うっかり忘れていたようだ。仲間が増えて魔物も増えていたからな)


「忘れっぽいのですね」


 シールドに指摘されると冷は、


「あの三姉妹のいた城に時空間魔法の入り口があるのだな。城に行けば簡単にエルフの国に行けるとわかれば、直ぐに向かおうか」


「待ってください、確かに冷さんの言ったのは、城に行けばいいと、間違いではありませんが、そう簡単に入れるものではないと思います」


 メドメールは浮かれる冷に釘をさす。


「どうしてなのかな?」


(俺が事情を話せば大丈夫ではないの?)


「大貴族であるシャーロイ家だけは人族でも特別にエルフと友好でして、長年の時間をかけて築いてきた信頼関係もあります。しかし冷さんや他の方はシャーロイ家と繋がりがないでしょう。よそ者には入り口を使わせないのが決まり事。つまりシャーロイ家の者か、またはシャーロイ家のおすみつきを得てる信頼の出来る人物しか使えないと思います……。お世辞にも冷さんが貴族には見えないですから……あっすみません、変なこと言ってしまって……」


 メドメールの知ってる情報はエルフ族なら知ってる情報であって、とても冷がシャーロイ家と繋がりがあるとは思えなかった。

 メドメールが申し訳なさそうにしているとリリスが、

 

「メドメール、謝る必要はない。なぜならこの男は貴族から最もかけ離れた存在だ。貴族から信頼されるなんて不可能だろうよ」


「不可能は言い過ぎだろうよリリス!」


(悔しいが貴族の知り合いなど、ひとりもいないなは確かだな)


「じゃあ貴族と仲良くなれるのかよ、お前知みたいな変態冒険者が相手にされるわけない」


「ぷぷっ」


 笑ったのはギャンであって、冷が貴族と仲良くなれるわけないとなる。


「ギャンまで俺を笑うのかよ」


「笑われるようなことをしてきたでしょうがあなたは!」


 アリエルにまでバカにされるとメドメールは、意味がわからないとなり、


「変態とはなんの事ですか……、冷さんと聞けば魔人をも恐れぬ勇敢な聡明な冒険者だと、エルフにも知れ渡っていますが」


 エルフの国にも早くも冷の評判は届いていて、それも偉大なる冒険者で勇敢な青年だと伝えられていたのでメドメールも疑わなかった。


「勇敢な冒険者……それはない、ない、褒め過ぎでしょうエルフさん、冷は強いのは強い、けどね、とても人に褒められる人格者じゃないの」


「言えてる、エルフの国に入ったらエルフの国に害があるかも」


「全エルフ族の女性から嫌われるのが落ちです」


「エルフの国にとってはある意味、魔人ギガースよりも危険」


 と仲間から激励されるどころか、中傷されると冷は、

 

「貴族になりたいと思ってないし! 俺は武術家なんだよ、そこを勘違いしないでおくれ!」


「勘違いとか、同じパーティーななに言ってることが違い過ぎますね。大事なのは冷さんはエルフの国には入れないという点です。せっかく助けてくれるとなったのに申し訳ないです」


 メドメールが残念がるとシールドが、


「冷がシャーロイ家に直談判したらどう……、交渉しだいではチャンスがあるとも言えますよ」


「詳しく教えてくれシールド」


(交渉しだいか、俺の苦手分野かまたも……)


 シールドは冷に完全に希望がないわけではないと伝えて、内容を説明する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ