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 無事に魔物を失敗して落下させずに運ぶのに成功し、町に到着して、前回同様に魔物をギルドに向かわせるのが先決に。

 アリエル達も呼び出し合流して、

 

「ではゴーレム、ギルドに向かうからな。やり方はガーゴイルの時と同じく隊列させて行くように命令してくれ」


 前回は町の人はパニックになっていたが、ギルドに認定されるようにギルドまで行かなくてはならない。


「わかりました」


「大丈夫なの、またパニックになったら騎士団とか来ちゃうよ。面倒起こすと王都に知らされる」


「しかしギルドまで距離はあるから、どうしても人々の目にとまるわよね」


「それならユズハさんをここに呼べばいい。その方が安全だと思うけど」


「なるほど、ユズハさんをここにか、そうしよう」


(その手があったな、パニックは避けられるようにしたい)


 より安全策でユズハを呼ぶ方法を良しとし、ユズハを呼びに行く。

 やって来たユズハはまたかとなるのは当然で、1日に二度も魔物。呼ぶかよとなり、


「れ、れ、れ、れ、冷さん……………………こんなに魔物をどうやって?」


 またも50匹分の魔物を見ての率直な感想を言う。

 あきれしまいギルドが責任を取れる数なのかと疑い始めるのに十分な数であった。


「最初の鳥型の魔物がいたろ、それに手伝ってもらったんだ。鳥型を使い魔物を運んだのさ。凄いアイデアでしょ」


「自慢しないでください! こっちは登録しなくてはいけないのですから、こっちの身にもなって考えて欲しくてよ。この数をギルドが仮の形で管理したとします、実際に戦闘で町を守っていただける約束ですが」


「大丈夫だよ、これだけ居れば、たとえかなりの敵襲があっても町を死守できるさ。魔人が来ようとも守れる戦力を作るのが俺の考えです」


 魔物が合計100匹居るから、そうそう簡単に崩れることはないとの予測で、町の人にはユズハから連絡するとした。

 ユズハにしてみれば魔物が町の近くに定住するのを説明するのは、とても困難で納得してもらえるまで長いこと説明しなければならないのであったが、冷は気にすることなく自分の戦力のアップに喜んでいた。

 安心したくてもいまいち安心出来ないでいるユズハはギルド登録をお願いすると、


「ゴーレムさん、この魔物の名前を登録したいのですが、名前はありますか」


「50匹いるが、サンドマン、イエローウルフ、ロックボールの三種類だ。人族の言葉は話せない、魔族としか会話できない。基本的には私の指示、命令にしか行動しないと思っていい。なので魔物に指示する時は私に言って」


「了解しました。私が指示しなければならない状況は、すでにヤバいとは思う、そうならないようにお願いします。登録はしておきます、魔物の登録などした経験はないですが、町の治安維持に役立つのなら多めにみましょう」


 ユズハは我慢に我慢して魔物の登録を了承していて、町にもよるがギルドが了承できる範囲を超えた登録ではあるが、ピルトの町は特別な環境で、ここまで魔人の襲来を何度も受けてしまうという異常事態に、ユズハ達ギルドは例外的に対応したまでである。

 他の魔人の襲来をされていない町のギルドでは絶対に許可しない登録であろう。

 登録を終えて一段落したユズハは、まだ本来の登録の目的を聞いていなくてゴーレムに訊いてみると、


「あの〜〜、魔物を配備して安全にするのはいいですが、敵の姿と言うか、誰か魔物と戦闘する予定なのですか?」

 

「あれ〜〜、まだ聞いてませんでしたか、これから戦いになるかもしれない相手は中級魔人ギガースと魔商人ヤリッチですが。まだ戦闘すると決まったわけではないですけど」


 ゴーレムは何気なくギガースの名前を出してみたところユズハは、


「……………………ギガース……………………とか言いましたが、あの巨人族のギガースですか!!!!!!!!」


 言われた瞬間は反応はなかったが、しだいに声が上がり、最後には絶叫となる。


「巨人族だとご存知でしたか、それなら話は早いし、説明はいらないわね」


「い、い、い、い、いるもなにも、なぜ戦うのですか、まさかこのピルトの町が戦火になるとでも……そしたら終わりでしょう、悪名高いギガースですから、私も終わりでしょう……ああ、短い人生でした……」


 名前を聞き確実にギガースだとわかると絶望的に話し始める。

 あまりの絶望したユズハを見てミーコがなぐさめて、


「終わりだなんて大げさでしょうユズハさん。こちらには冷もいるしガーゴイルとゴーレムにギャン達もいるし、問題ないと思うよ」


 ミーコはユズハを安心させたくて言ったが、当のユズハはむしろ険しい顔に変わり、


「ミーコさん、全くの間違いですよ、ギガースの恐ろしさはギルドなら知らされてます。中級魔人に認定したのだってその危険性からで、なぜ戦うのか知らされてませんし、王都ギルドから報告はありませんが、戦うとなれば甚大な被害は免れない。それほどまでに危険性のある魔人。ガーゴイルさんだって知ってるでしょう……………………」


「ギガースは危険です、それは否定しません。けど彼氏がやるなら私も加わります。いつでも、一緒です〜〜〜」 


 ガーゴイルはギガースの危険さは知ってるが、冷となら戦いに参戦すると宣言した。


「……………………ガーゴイルに訊いたのが失敗ですかね」


「そのようねユズハさん」


 周りの者も同じ意見に。

 

「ガーゴイルさんて、いつからかんな風なキャラになったの?」


 ユズハはあの有名な魔人ガーゴイルの変わりように質問してしまうとリリスが、


「仲間になった時から、こうだよ。初めからなのか知らないが、冷、冷、ってうるさいもんだ」


「はぁ……」


 ため息をついてユズハは町に帰って行った後は、ガーゴイルが冷に抱きついていて、


「ねぇまた抱っこしてよ〜」


「抱っこはしないよ、あれは飛行中だからしたのだし、地上では必要はないんだよ」


「してしてして〜〜〜」


「わかった、後でしてあげるよ!」


 アリエルなどは見て見ない振りをして去っていき、ガーゴイルのおねだりに負けた冷は、その日の夜は特別に大サービスすることになった。


(ますますガーゴイルの勢いが止まらないような……)


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