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またしても魔物を増やして補強にしたいとなりリリスは、
「魔物を増やすのもいいが、さっきのユズハの対応を見ただろ、不味いくらいにびっくりしていただろ。また連れてきて増やしてしまうとユズハが気絶するぞ」
「う〜ん、そこは難しいところだな、俺もわからないや。けど連れてきてユズハさんにみせてみて、ダメならその時に考えよう」
(連れてきてユズハさんに怒られる可能性があるが……)
「ずいぶんといい加減だなお前は!」
リリスが怒った口調で言っても冷は、
「もしユズハさんが怒ったら、リリスが大人しくさせてくれよな!」
(リリスな任せます!)
「ふさけるなよ、なんで私がそんな役目をするのだ、お前がしろよ!」
「それじゃみんな町で待っててくれたまえ、ゴーレムと行ってきます〜〜」
「じゃあ行ってくる!」
冷はスキル、ガーゴイルの翼を使い、ゴーレムを抱きかかえる。
ゴーレムはお姫様抱っこされた形になり、少しだけ照れてしまう。
ガーゴイルも同じように上昇して、魔物を呼びいっきに上空へと。
50匹も飛ぶと圧巻な風景となる。
ギャンとボーガ、シールドはゴーレムに手を振っているが、リリスだけはムカっとしていた。
自分だけ面倒な要件を言われたように感じたから。
反対しようにももう手の届かないところにいっていて、冷に言っていたが、結果は無駄に終わる。
アリエルがリリスをなぐさめるように、
「冷が帰るのを待ちましょう」
「……早く帰ってこい」
リリスはムスッとして言ったら、アリエルとミーコは顔を合わせて笑っていた。
ボーガはリリスと冷が仲悪いのかと思い心配になり、
「アリエル、もしかして、冷とリリスは……仲悪い状態にあるとか……」
「うふふふふ、違います違います、リリスはいつものことよ」
「いつものこと?」
「冷とは出会った時からこの調子なの。いつもケンカしてる感じ」
「はぁ〜、難しいのねリリスと上手くしていくのは」
「心配しなくていいよ、ボーガは普通にしていればいい。リリスが変わってるのよ」
アリエルはリリスには聞こえないくらいの声で言ったが、
「おいアリエル、今なにか言ったか……変わってるとか聞こえたぞ!」
「言ってないから、気にしないで」
「本当にか……どうも気になるな」
ボーガは、うふっとアリエルに微笑みかけた。
*
ゴーレムの魔物を得るために、上空で爆進中の冷。
ゴーレムは飛べないので抱っこ風に抱きかかえてご機嫌であり、なぜならば……。
(ゴーレムのお尻を触ってると柔らかいなぁ〜)
とこの調子であった。
真剣さはみじんもない。
触られてるゴーレムは、
「ちょっと冷っば、お尻触ってるんだけど……」
「触ってるのだけど、こうして抱っこしてないと君が地上に落下してしまうだろ。無理に暴れてみろよ、痛い目にあうよ」
(本当は触る必要性などないんだけどね)
「それならば、落下するよりは我慢しよう。痛いのは嫌だし」
ゴーレムは冷にそそのかされて我慢すると、会話を聞いていたガーゴイルは、
「う〜ん、冷さぁ、ゴーレムのお尻を触ってるの?」
「えっと……触ってるなぁ……これは彼女を落下させないために必要なんだ。怒らないでくれよ」
(もしかしてガーゴイルのことだから、俺がゴーレムに好意的になったのを怒ったのかもな)
「…………いいえ怒ってない。逆よ」
「逆とは……」
冷の不安な気持ちからしたら、逆よ……の意味がわからないのだった。
「私のも…………触ってよ!」
「はぁあああ? それは無理だろ、2人は無理だ!」
(何を言い出すのかとおもいきや、おねだりしてくるとは)
「どうして無理なのよ、冷ならできますわ」
「無理無理、2人も抱っこなんて物理的に無理ですから」
(まさか本気か!)
冷の不安は当たる。
「えいっ!」
ガーゴイルは冷に接近するとゴーレムのいる位置に無理やりにに割り込む。
ゴーレムは落ちるかとおもい、
「危ないだろっ、ガーゴイル!」
「お邪魔します!」
「マジで危なかったぞ〜〜〜〜」
ガーゴイルが無理やりに乱入し片手でゴーレム、片手でガーゴイルを抱きかかえる態勢に瞬時に切り替えることに成功し、ゴーレムを落下させずに済んだ。
冷の反射神経でなければ不可能であっただろう。
(マジでヤバかったよ! ていうか、ガーゴイルは自分で飛べるのになぜ俺が抱きかかえるんだよ!)
ガーゴイルは冷に抱きかかえられて嬉しくなるのは、ゴーレムにヤキモチをやいていたからで、これなら納得といった感じに。
片手なのでもうお尻を触るのはとうていできなくなり、失望感に押される。
(これではお尻はもう触れないが……)
しかしこれで落ち込む冷ではなかった。
ガーゴイルにお尻を触るのを邪魔された形になるが、発想の転換といえる思いつきで、ゴーレムとガーゴイルのちょうど胸の位置に手を回してみる。
(むむ〜〜これはとても柔らかいぞ)
手を胸の位置に回すことで先ほどよりも良い気持ちになった冷は、大満足していた。
上空で猛スピードしている最中にエロい発想をする点は冷らしかった。
ゴーレムは胸を触られてることで、
「う〜ん、結局はあまり変わらないわ〜〜」
と嘆いていた。