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 ザバスを筆頭に魔物を引き連れては町に戻る。

 ガーゴイルの魔物は飛行が可能なので冷の後を追って飛行した。

 冷の高速飛行に続け戦隊飛行していようであった。

 ザバスは不思議に思ったのは、


「冷……あなたは人族なのになぜ飛行しているの。飛行スキルでも持っていたのですか」


「これはガーゴイルの翼ていうスキルだよ。ガーゴイルから習得しスキルなんだけど、俺は相手からスキルを習得できるんだ。とてま役に立つスキルだな」


「そ、そんな便利過ぎる。しかも飛行スキルを完全に使いこなしている。これでは鳥魔族の我々の立場がない」


 ザバスは冷の能力を知り驚いた。

 どうして魔人が負けるのかの正体を知った気がした。

 戦えば戦うほどに強くなれるわけで、弱くなることはないから。

 ザバスが冷の正体を知ったあたりでピルトの町が見えてきていて、


「どうやら到着の時だ。ガーゴイルは魔物を町の前に降ろして集合させておいてくれ」


「わかったわ」


 いったんピルトの町の前で集合した。

 いきなり町に降臨したら、さすがに騒ぎになるだろうと。

 そこで冷は魔物を整列させて隊列のまま徒歩で行くのを考えて、


「魔物達に伝えて欲しいのだけど、一列に隊列を組んで歩けるかな。その方が危険性はなくみえるだろう。いきなり飛んできたら、間違いなしに避難騒ぎだ」


「一列にすればいいのね。それくらいなら問題はない」


「俺はアリエル達を呼んでくるから、ここで待っていてくれ。直ぐに戻る」


(道場に行ってるように言ってあったから、訓練してるはずだ……サボってなければ)


 冷はガーゴイル達を入り口で待たせて、アリエル達を呼びに行った。

 少し時間はたつと冷はアリエル達を連れて入り口に。

 そこで彼女達が見たのはちょっと驚きの光景であった。

 冷に案内されてアリエルが真っ先に、


「な、な、なんて数の魔物……。これが全部ガーゴイルの魔物ですか!!!」


「ああ、魔物だよ。ガーゴイルに忠誠したのがここにいる。数は約50匹」


「50匹も……」


「これを町に入れたらお前は犯罪者だぞ!」


 リリスから叱られる。


「犯罪者は決定です!」


 ミーコも頷いた。

 50匹魔物を町に入れれば捕まるのは普通の発想であろう。

 しかし冷は違っていて、


「町に役に立つ魔物なら犯罪者ではない、と言いきる!」


(事実、魔人からの侵攻を守ればオッケーなのだから、今後にもあり得るし、犯罪者じゃないよな)


「犯罪者かどうかを決めるのは冷ではなく、町の人たちです。入ってみればわかりますよ」


「ギャンの言うとおりです」


「わかった、ギルドに向かおうか。ではガーゴイル、魔物に伝えてくれ、隊列を組んで歩けと」


「そうします」


 ギャンに指摘されて魔物をギルドに向かわせる。

 ガーゴイルは冷に合わせる形であるが、リリスとミーコはとても不安視していた。

 まず魔物を見て動揺しない人族はいないし、慌てふためくのは目にみえている。

 しかたなく冷の考えに合わせてしまう。

 冷を先頭に彼女達も歩き、再後方からザバスと魔物が大軍で、それも一列にズラッと並んでの行進に近い。

 町の人は冷の後方の異様な風景に言葉が出なく、


「…………、あれは何かな…………」


「…………、冷さんだよな…………それに魔物?」


「魔物があんなに……おかしくねぇ!!!!!!!!」


「やべぇ〜〜〜わ〜〜!」


 町の人は少しして魔物だとわかると絶叫する。


「あっ……ちょ待って〜〜〜」


(やべぇな、マジで逃げてますね)


 大慌てでその場から立ち去り、止めようとしたが無駄となり、後には冷達だけが残された。

 冷以外の者はこの結果にはさして驚きはしなくて、むしろ妥当な結果くらいに思えると、冷たい視線を冷に送り、


「どうする気?」


「あはははは……」


(笑うしかねいよね)


 笑ってその場をごまかすと、アリエルはとっととギルドに向かって歩いていってしまい、冷に失望した感が全開となる。

 

「みんな、行きましょう!」


「ち、ちょっと待ってくださいよ、みんな〜〜」


 そこからギルドまでの時間にしてわずかでも町を大混乱にしてしまい、ギルドに到着した途端にギルドお抱えの冒険者から厳しい意見に、


「なんですかこの魔物は! 冷さんとはいえ、見逃せない数です!」


「すみません、これは俺が連れてきた魔物ですけど、とても安全な魔物です」 


「安全な魔物などいるか!」


「う〜ん、安全なんです信じてください」


(安全な魔物じゃ通じないか)


 いくら冷が安全だと説いたところで納得する冒険者はいなく、冒険者ですら怖がる事態になってしまい、誤算はエスカレートした。

 そこへギルド店内からユズハが現れて冷と魔物を見るや、


「冷……冷さん、誰がこんなに魔物を呼んでくると言ってましたか!!!!!」


「いや〜〜〜、本来ならもっと数倍いたんだよね。それが激減しちゃい50匹になってて、とりあえずギルドに見せようと思って」


 ギルドが見ても明らかに異常な数の魔物であって、ユズハの反応は正常な反応であった。

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