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 飛行での出発となった冷とガーゴイルは超スピードで森に向かう。

 以前は馬車での移動であった為、長く時間がかかったが、この状態でなら時間はかからない。

 方角はガーゴイルに任せて飛ばしまくる。

 鳥というよりも飛行機に近い速さ。

 風を切る速さで森付近に到着しガーゴイルが、


「もう到着したよ、出迎えがありそうだ。冷は控えてくれないか、刺激させてしまうかもだから」


「俺が来ると刺激か。以前に戦った経験があるのを覚えていると。それなら俺はここらで降り立つとしよう。先に森に行っててくれよ」


(俺と魔物はピルトの町で激戦したからな。俺を敵対視しているのだろう)


 冷は森の手前で降り立つと、ガーゴイルはそのまま森に向かう。

 ガーゴイルの魔力は独特な魔力を持っている。

 その魔力を感知した魔物がガーゴイルを探して空中に。

 ガーゴイルを発見するといっせいに集まってきた。


「お〜〜〜い、みんな元気かい」


 ガーゴイルが声をかけると近寄り同調して声を出す。

 集まった魔物は羽が生えており、空中で停止。

 ガーゴイルが森に降りていくと、魔物も地に。

 数は数十匹は集まっていた。

 いずれもガーゴイルと長くいた魔物である。

 ガーゴイルを中央に周りを囲む魔物達の中からひとりが嬉しそうに出てきて、


「ガーゴイル様!!!! お久しぶりです。冷に負けた後にもう戻られることはないと思っていました、ご無事だったのですね?」


「おお、ザバスか。久しぶりだ。私なら心配ない」


 現れたのはガーゴイルの側近であるザバス、魔族である。

 ザバスはガーゴイルに会えて喜びを隠しきれない。

 二度と会えないと感じていた。

 急に現れたので驚いている。

 

「驚きました、でもまたこの森に帰ってきてくれるということですよね。あのいまわしき冷を倒してやりましょう!」


 ザバス達は森にいたせいで情報が少なくガーゴイルが冷のパーティーメンバーに加入を知らない。


「あれ、まだ知らなかったか。冷と戦いにはならないのだよ私は」


「なぜですか、憎き冷でしょう!」


「いいえ、今は冷の冒険者パーティーに加入したのよ。そして私は冷の彼女になったのよ!」


「…………、え、えええええ!!!!」


 ザバスは絶叫する。

 それもそのはず、憎き天敵とも呼べる冷。

 その冷の仲間になり、さらに彼女になったとあっては開いた口がしまらない。


「驚かせてしまったかな。本当に彼女なのよ。そして彼氏の冷が来てます、冷〜〜〜〜〜来て〜〜〜!」


 ガーゴイルはザバスがまだあっけに取られているのに冷を呼ぶ。

 その声を聞いた冷は、


「ん…………、今の声はガーゴイル、俺を呼んだよな。呼ばれるなら行ってみよう」


 ガーゴイルの声が聞こえた冷は森に向かう。

 魔物は大丈夫なのだと思って。

 少ししてガーゴイルの声のする方に行き発見。

 魔物が群れているのだから直ぐにわかり、ガーゴイルと再開した。


「冷です、私の彼氏です〜〜〜」


 いきなりガーゴイルは彼氏と紹介する。


「な、な、な、なんですか彼氏とか意味わからないですよガーゴイル様。まさか本当にこの男の彼氏に!!」


「だから言ってるでしょ彼氏だって! 今日来たのはあなた達が私のことを信頼しているなら、ぜひお願いしたいの」


「お願いとは……、まるで話の内容が理解できません」


「大丈夫、難しいことはない。話としては冷の戦力になる、これだけ」


「戦力……。もっと話がわからなくなってます」


 ザバスは複雑な顔を作る。


「そうね〜、簡単に言うと魔人との戦いになりそうなの、だからあなた達の力が必要になる。私と共に戦いの意志のある者は付いてきて欲しい、どう?」


「魔人と戦う……、それは同じ種族と戦いますよね、魔族の仲間と。下級、中級魔人と戦いになると言うと、それは同族での戦いに。そんな話は未だ聞いたことありません!」


「うん、だからあなた達が必要なの。現在の戦力では足りなくなるのはわかるでしょ、ザバスも魔族なのだから」


「じ、じ、上級魔人とも戦いあうと…………、それはお止めになってくださいよ。あのお方達は、ガーゴイル様も知ってるはず、おそろしい魔力を、異常な程の魔力を…………」


 ザバスは話の途中で声が震える。

 上級魔人の存在は謎であるが、誰も逆らう魔族などいない。

 その相手に戦いになるとなれば、身を凍られせる思いになった。


「やはり怖いよね、だから無理とは言わない。来てくれる者だけでいいです、どうかな」


「…………、ガーゴイル様、私は今までずっとガーゴイル様と一緒でした。その気持ちは変わりませんです、どうぞ一緒に連れていってください、そして他の魔物にも伝えます。きっと恐怖で逃げていくでしょう。しかし残る魔物もいるはず。お待ちになっていてください……」


 ザバスはガーゴイルに付いていくか悩んだが、忠誠心のあるザバスは決意する。

 そして森にいる魔物全員に伝えることにした。

 冷はありがたくなりザバスにお礼をし、


「ありがとうございますザバス、俺は嬉しいよ」


(ザバスは会話能力があるようだが、他の魔物はなさそうだな。それにしても、凄く可愛いな。それにガーゴイルに匹敵する程の体をしていて、見てるだけで楽しめる)


 お礼に頭を下げているが実はザバスの体をじっくり鑑賞していたのだった。

 そんなのは知らないザバスは、


「本来ならこの場で抹殺する。しかしガーゴイル様の彼氏とあっては手出しは無理。力を貸しましょう」


「頼みますよザバス!」


「はいガーゴイル様!」


 ガーゴイルのためならとザバスは魔物を集めて意思を問うのであった。

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