表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/351

184

184



 宿屋にいる冷はエルフ族の救出について話し合った。

 無理に救出しなくてもいいとなるが、冷は頑固に救出したいとなる。

 それもエルフ族が可愛いからという、どうしようもない理由で。

 結局はエルフ族の救出に全員が賛成すると作戦会議とした。

 シールドが敵の戦力について、


「国王に相談したとして、ヤリッチ、ギガースと争いに発展したらとしましょう。まずギガースの戦力は巨人族で大軍であること。それもとても強力です。我々だけでは戦力不足。国王の持つ騎士団も動員しますよね、それでも不足でしょう」


「騎士団は戦力不足なの?」


「騎士団は常に魔人を監視してます。各地域に派遣されて分散してますね。ゴーレム様の住む地域近くにも騎士団はいたはずです」


「あまり期待はできないと」


「国王も本気で魔人と戦う意志はないと思う。ゴーレム様に戦いを仕掛けたことさえないですし、受け身ですね騎士団は。どちらかと言うと、万が一攻めて来たら防御する為の軍隊に近いかな」


 実際にシールドの言うのは当たっていた。

 国王が自ら魔族に攻めいることはなく、ひたすら防御に徹していた。

 魔族に刺激を与えずに平和な時間を過ごせればいいと。

 シールドの評価にミーコが、


「足りないとなると厳しい戦いになるわね……。私にある考えがありますが……」


 ミーコは自分の考えを言うか迷う。


「なにかな……言ってみなよ」


(ミーコの意見も聞いておきたい)


「ギガースにも軍隊があるなら、ガーゴイルとゴーレムにも魔族や魔物の軍隊はいるのかしら……。もしいるなら戦力になると思うけど」


「なるほど同じ魔人なのだから、軍隊を持っているだろうと……、どうなのだガーゴイル?」


(確かガーゴイルは森にいたけど、その時は魔物が多くいたよな)


「私の持つ軍隊なら、現在もいるとは思う。魔物は私に対して忠誠心がある。ただし冷の仲間になる前の話。現在は人族側にいるわよね立場的には、そうなると魔物が不信に思うかも。忠誠心の少ない魔物は従わないでしょう、同じ魔物と戦うことはないですから」


「魔物対魔物で戦うのは不自然てことか……。ゴーレムも同じかい?」


「ガーゴイルの意見と同じかな。私だってギガースと戦うとは夢にも思ってない。きっと彼女だって思ってないでしょう。私とガーゴイルを裏切り者とさえ考えてるはず。魔族の裏切り者として。容しゃなく殺しにきますよ。そうなると私の持つ魔族や魔物を集めてみましょうか。どれだけ集まり忠誠するかは集めてみないと、けんとうもつかないけど」


「呼べるなら呼んで欲しい……大丈夫かしら、魔物を呼ぶってどこに集める?」


「アリエルそれならこの町の付近でどう、森や平原なら広くていい」


「いやいや、魔物が集まったら町の人がびっくりします、それこそギガースよりも問題化してしまう」


 アリエルは魔物が集まった状態を想像し、必ず問題化すると決めた。

 人族が見たら恐怖で大問題になるのは避けたい。


「どうしよう」


 ゴーレムも悩むとリリスが、


「冒険者ギルドにいって、ギルドが管理する魔物としたらどうだ。魔人のガーゴイルとゴーレムの率いる魔物となれば単なる魔物であるが、ギルドが管理者なら町の人も安心するだろ」


「…………」


 全員が黙った。

 ギルドを持ち出すとは思いもしなかったから。

 これには冷も笑うしかなく、


「リリスらしい発想だな」 

 

(ギルドに管理させるか……、それなら魔物を連れてこれそうだな)


「お前が褒めてくれるとは、珍しいものだ」


「褒めてませんよリリス、あなたがあまりにもアホな意見を言ったからよ」


「なによっ、アリエルにはアイデアがあるなら言ってごらんよ!!!」


「まぁまぁ、言い争いしない、しない、俺はとてもいい考えだと思うよ。ギルドのユズハさんに相談してみたい。どうだい?」


「私の魔族と魔物で良ければ集めてみる」


 ガーゴイルは反論せずに集めると。


「ギルドが承諾するなら呼んでみよう、どれだけ集まるかはその時にわかる」


 ゴーレムも承諾する。


「ギガース相手に戦力の補強てわけね。そこまでしたら冷のパーティーというよりも、冷の軍隊と言えます。それも国家級の軍隊」


「あははは……軍隊か。数も増えるとそう呼ばれる日も来るかもな」


(俺の軍隊か。そこまでは考えてなかった。女の子ならいくら増えてもいいけど、魔物には興味ないけど。戦力補強は必要だから魔物も受け入れよう)


 冷はギャンに言われ否定せずに軽く自慢する。

 話はギルドに行くことでまとまる。

 冒険者ギルドに立ち寄りユズハに相談し、


「相談があるのですが……」


「あら冷さん達、相談とは……。何でも話してください、ギルドはどんな冒険者の相談にものります! そして全ての相談を解決しちゃいます!」


 ユズハは胸を張って言った。


「どんな相談でもいいと?」


(本当に大丈夫なのか)


「相談してください。ギルドは冒険者の強い味方。親切に対応しますよ」


「ユズハさんがそう言ってくれるなら、遠りょなく言います。俺のガーゴイルとゴーレムの件なんだ。実はある事情で戦力を補強しようとしてて、ガーゴイルとゴーレムにはもともと魔物を従えていた、その魔物達を俺の戦力にしたい。どれだけ集まるかは未定なんだけど、集まったらピルトの町の周辺に配置しておく。魔物は危険があるし、みんなが怖がるでしょう」


(魔物を安全に配置しておくのなら、許しを得られると考えたのだが)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ