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宿屋にいる冷はエルフ族の救出について話し合った。
無理に救出しなくてもいいとなるが、冷は頑固に救出したいとなる。
それもエルフ族が可愛いからという、どうしようもない理由で。
結局はエルフ族の救出に全員が賛成すると作戦会議とした。
シールドが敵の戦力について、
「国王に相談したとして、ヤリッチ、ギガースと争いに発展したらとしましょう。まずギガースの戦力は巨人族で大軍であること。それもとても強力です。我々だけでは戦力不足。国王の持つ騎士団も動員しますよね、それでも不足でしょう」
「騎士団は戦力不足なの?」
「騎士団は常に魔人を監視してます。各地域に派遣されて分散してますね。ゴーレム様の住む地域近くにも騎士団はいたはずです」
「あまり期待はできないと」
「国王も本気で魔人と戦う意志はないと思う。ゴーレム様に戦いを仕掛けたことさえないですし、受け身ですね騎士団は。どちらかと言うと、万が一攻めて来たら防御する為の軍隊に近いかな」
実際にシールドの言うのは当たっていた。
国王が自ら魔族に攻めいることはなく、ひたすら防御に徹していた。
魔族に刺激を与えずに平和な時間を過ごせればいいと。
シールドの評価にミーコが、
「足りないとなると厳しい戦いになるわね……。私にある考えがありますが……」
ミーコは自分の考えを言うか迷う。
「なにかな……言ってみなよ」
(ミーコの意見も聞いておきたい)
「ギガースにも軍隊があるなら、ガーゴイルとゴーレムにも魔族や魔物の軍隊はいるのかしら……。もしいるなら戦力になると思うけど」
「なるほど同じ魔人なのだから、軍隊を持っているだろうと……、どうなのだガーゴイル?」
(確かガーゴイルは森にいたけど、その時は魔物が多くいたよな)
「私の持つ軍隊なら、現在もいるとは思う。魔物は私に対して忠誠心がある。ただし冷の仲間になる前の話。現在は人族側にいるわよね立場的には、そうなると魔物が不信に思うかも。忠誠心の少ない魔物は従わないでしょう、同じ魔物と戦うことはないですから」
「魔物対魔物で戦うのは不自然てことか……。ゴーレムも同じかい?」
「ガーゴイルの意見と同じかな。私だってギガースと戦うとは夢にも思ってない。きっと彼女だって思ってないでしょう。私とガーゴイルを裏切り者とさえ考えてるはず。魔族の裏切り者として。容しゃなく殺しにきますよ。そうなると私の持つ魔族や魔物を集めてみましょうか。どれだけ集まり忠誠するかは集めてみないと、けんとうもつかないけど」
「呼べるなら呼んで欲しい……大丈夫かしら、魔物を呼ぶってどこに集める?」
「アリエルそれならこの町の付近でどう、森や平原なら広くていい」
「いやいや、魔物が集まったら町の人がびっくりします、それこそギガースよりも問題化してしまう」
アリエルは魔物が集まった状態を想像し、必ず問題化すると決めた。
人族が見たら恐怖で大問題になるのは避けたい。
「どうしよう」
ゴーレムも悩むとリリスが、
「冒険者ギルドにいって、ギルドが管理する魔物としたらどうだ。魔人のガーゴイルとゴーレムの率いる魔物となれば単なる魔物であるが、ギルドが管理者なら町の人も安心するだろ」
「…………」
全員が黙った。
ギルドを持ち出すとは思いもしなかったから。
これには冷も笑うしかなく、
「リリスらしい発想だな」
(ギルドに管理させるか……、それなら魔物を連れてこれそうだな)
「お前が褒めてくれるとは、珍しいものだ」
「褒めてませんよリリス、あなたがあまりにもアホな意見を言ったからよ」
「なによっ、アリエルにはアイデアがあるなら言ってごらんよ!!!」
「まぁまぁ、言い争いしない、しない、俺はとてもいい考えだと思うよ。ギルドのユズハさんに相談してみたい。どうだい?」
「私の魔族と魔物で良ければ集めてみる」
ガーゴイルは反論せずに集めると。
「ギルドが承諾するなら呼んでみよう、どれだけ集まるかはその時にわかる」
ゴーレムも承諾する。
「ギガース相手に戦力の補強てわけね。そこまでしたら冷のパーティーというよりも、冷の軍隊と言えます。それも国家級の軍隊」
「あははは……軍隊か。数も増えるとそう呼ばれる日も来るかもな」
(俺の軍隊か。そこまでは考えてなかった。女の子ならいくら増えてもいいけど、魔物には興味ないけど。戦力補強は必要だから魔物も受け入れよう)
冷はギャンに言われ否定せずに軽く自慢する。
話はギルドに行くことでまとまる。
冒険者ギルドに立ち寄りユズハに相談し、
「相談があるのですが……」
「あら冷さん達、相談とは……。何でも話してください、ギルドはどんな冒険者の相談にものります! そして全ての相談を解決しちゃいます!」
ユズハは胸を張って言った。
「どんな相談でもいいと?」
(本当に大丈夫なのか)
「相談してください。ギルドは冒険者の強い味方。親切に対応しますよ」
「ユズハさんがそう言ってくれるなら、遠りょなく言います。俺のガーゴイルとゴーレムの件なんだ。実はある事情で戦力を補強しようとしてて、ガーゴイルとゴーレムにはもともと魔物を従えていた、その魔物達を俺の戦力にしたい。どれだけ集まるかは未定なんだけど、集まったらピルトの町の周辺に配置しておく。魔物は危険があるし、みんなが怖がるでしょう」
(魔物を安全に配置しておくのなら、許しを得られると考えたのだが)