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 その日は外出はせずにそのまま就寝へと向かう。

 道着のままお楽しみを迎えるのも考えたが、彼女達は直ぐに着替え直してしまい、望みはなくなった。

 道着でベッドに入るのも道着に失礼なのもある。

 しかし冷は欲望に駆られて残念がるが、いつも通りにベッドで全員を相手に体力を消耗させる。

 きわどい道着を見させられたのもあり、いつもよりも興奮していた。


(う〜ん、道着を着つつベッドで楽しむのは、ちょっとしてみたい気もするが、理由を聞かれたら困るよな)





 翌日になり冷は道着を着ての初の訓練を開始すると決める。

 念願だった道場のお披露目。

 

「みんな、今日は待望の道場の完成だ。そして初の訓練初日となる日だ。俺は今はとてもわくわくしているぞ」


(自分で道場を建てられる日が来るとは思いもしなかった。ここを基点として全体の能力のレベルアップをしていきたい)


「これが本来の冷のやりたかったことなのね。私にはそもそも訓練だとか道場だって知らないから、冷の嬉しさがイマイチ伝わらないの」


「ミーコ、俺のやりたかったのを理解するのは難しいかもな。とにかくみんな道着を着てお互いに能力のアップをしていこう。簡単に言えば、全員が強くなればいいのさ。君たちは独自にスキルの上達や剣術のアップなどして欲しい」


「わかりました。冷はどうしてるの?」


 全員が頷く。


「俺は君たちの弱点や特徴を活かした訓練を考えてるよ。先ずはみんなには武器の素振りをして欲しい。さぁ始めていいぞ」


(道場での最初だから、基礎的なものでいいだろう)


「はい!」


 先ずはお互いにぶつからない様に離れた位置に移動し、間隔を確保させる。

 広いので当たる心配はない。

 冷に言われた通りにひとりひとりが自分の武器を手に持ち構えると、素振りを開始。

 冷は向かい合ったまま素振りを見守る。


(おお、団体と道場っぽくなってきたな)


 道場らしさが出てきたのを喜んでいる冷だが、道着を着た姿にも感銘を受けていた。


(素晴らしい眺めだ。アイドルのコスプレ並みのインパクト。これを撮影して動画として販売したらかなり売れるだろうな)


 よからぬ考えをしていた。

 彼女達の必死な動き。

 その度に胸が揺れる。

 冷はしっかりと目に焼き付けることに集中する。


(どこを見ても絶景です)


 注目は新しいメンバーのガーゴイル達。

 魔人であるのでその能力はひときわ優れていた。

 剣術の振る素早さはぐんを抜き、リリスも動きを止めてしまい、


「魔人だけにガーゴイルの振る速度は桁違いだ。冷並みに見えない速さだ!」


「凄いです……あんなレベルまでいけるかしら」


 ミーコは改めて魔人を見てショックを隠せない。


「大丈夫だよミーコ、君は今のレベルにあった訓練をすればいい。ガーゴイルた比べて劣っている点を研究して盗むんだ」


(上手い人のみ見て盗むのも大事な能力のひとつ)


「盗むか……恐ろしいほど高いレベルですけど、やってみます!」


 ミーコはガーゴイルの剣術を見て、学習しよう決めた。

 とてつもなく高い次元のレベルとはあるが、やる気に満ちる手本だとなる。

 

 冷が注目する点は魔族として入ったギャン達。

 ゴーレム程のレベルはなくても、個人の力は認めざるを得ない。

 ギャンのスピアが鋭く突かれる。

 空気が裂ける音がする程に周りの者は感じる。

 

(ギャンは魔族だからか力は強烈。あの重さのスピアを簡単に突けるとは。今後は鍛えたら、どこまで凄くなるだろうか、楽しみな逸材だ)


 ギャンのスピアをリリスは眺める。

 恐ろしいと感じる。

 自分と同じくらいの背丈なのに、巨人かと思わせる力に。

 

「あんな重さのスピアを軽々と突いている。いったいどうやってるのだ」


 リリスは感心したが、自分には無理だなとなると冷が、


「リリス、不思議に思ったのかギャンを。きっとどうしてどこからあんな力が出てくるのかと」


「真似しようとしても無理だな」


「いいや、リリスでも出来るようになれる。無理だなと思った時点で無理になる。決して諦めることなく訓練することだ。俺が見てもリリスなら十分にこなせる素質はある」


(本当はわからないが、リリスにはまた別の次元の超レベルな素質を感じるんだけど)

 

「ふ〜〜ん、そう言って私を騙そうとしてるな」


「違う違う、騙そうとしてない。ギャンを見てリリスは魔剣グラムを使いこなせ。まだ魔剣グラムの能力を引き出せてないと思う」


「スピアを貸してあげましょうか?」


 ギャンがリリスに近寄り言った。


「どれどれ、げっ!!!! 重い〜〜〜」


 ギャンがリリスにスピアを渡すと、支えきれなくなり、落としそうになった。


「危ない、危ない、足に落とすと危険ですから」


「返すよスピア……重すぎるからよ」


「リリスの剣は、珍しい剣ですが、あまり見たことのない、何ていう剣ですか」


 ギャンはリリスの持つ剣に興味を持つ。


「ああ、これか、魔剣グラムって言うんだ。かなりのレアな剣らしいな」


「へぇ〜〜魔剣グラムね…………ええっ、あの有名な魔剣グラムですか!! それってめちゃめちゃレアな剣ですよ」


 ギャンは慌ててしまう。

 それもそのはずで魔剣グラムはレアな剣ではなく、スーパーレアな剣だからであった。

 

「ふ〜んスーパーレアな剣か、これはあげないわよ」


「欲しいですけど、私にはスピアが合ってるので。魔剣グラムは適正があるはずです。普通は装備出来ないけど」


「なぜか私は装備して使えるようだ、あははは」


「なるほど、これがリリスなのですか……ゴーレム様が認めるのが、少しわかりました。お互いに訓練しましょうか」


「そうするよ」


 リリスは魔剣グラムを振り込み出す。

 冷に言われても淡々としているあたりはリリスらしかった。

 

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