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 急に使用するわけではないのに購入した後、回復薬をエルフ族の子から購入してからアリエルは気になっていて、


「何か気になるの。冷がエルフ族の国に行きたいといった途端に様子がおかしく感じた。まるでそこは聞かれたくなかったみたい………………」


「アリエルと同じく思った。エルフ族と聞いて、ちょっと嫌な予感もする…………」


 アリエルに続いてゴーレムまでも感じとる。

 それもゴーレムはやや深刻な顔に。


「どうかしたのかゴーレム、厳しい顔になってる」


「気にしないで…………こっちの話だから」


「そうかい、このまま宿屋に戻ろうか。買い物は全て終わったのだし」


(ややゴーレムの反応が引っかかるが、俺にはわからないことだろう。別段、エルフ族と関わる必要はない)


 宿屋に戻るとエルフ族の話は忘れられていて、その日購入した道着をみせあいっこする。

 冷はその光景に、


「おいおい、その服は道着なんだけど、楽しむ用の服じゃないからな……」


「冷はわからないかも。服は見て、着て楽しいものなの」


「男性なのだから、わからないのは無理もないです」


「男性とか関係ないのだよ」


「あります!」


「あります……か、わかりましたよ、俺は黙ってます」


(まるでファッション感覚だな。女の子らしいと言えばらしいが、あまり可愛いとか言われても俺はテンション落ちちゃうだろう。道場にキャピキャピして来られても困ってしまう)


 やや深刻な顔をしている冷。

 まいったな、と考え込んでしまうが、それも直ぐに変化するのだった。

 おふざけしてる風であるが、ミーコが着ていた服を脱いでいくと、


「ちょっと私は着てみようかしら」


「似合うわミーコ!」


 とミーコの道着姿に歓声が上がる。

 ミーコが着替えて影響されたのかアリエルも、次にシールド、ガーゴイルと立て続けに道着に着替えていった。

 そして全員が着替え終わる時には部屋はいつもと違う風景になり、


「なんだこれは……凄いな、俺はどうやら勘違いしていたのか」


(最初は批判的な立場だったけど、いざ着替えを見てて、裸を見て楽しいし、着替え終わると、これはまるでグラビアアイドルの集まりかと言わんばかりの迫力。凄いとしかいいようがない。絶景とはこのことだ。オタクがいれば間違いなく写真に撮られまくりになるよな)


「そうでしょう冷、どう? 私達は……とても可愛いでしょう」


「まぁな……」


(笑ってごまかすか。購入して大正解でした。価格だって格安だし、もっと早く購入してても良かった)


 道着に対して残念がっていた冷は、今では歓迎ムードに変わる。

 残念なのは冷の性格であった。

 いや、冷というよりも男性ならほぼ結果は同じである。

 美少女の裸を見て、可愛い服を着られたら、見るなというのが無理だろう。

 しかもそれぞれが同じではなく、微妙に違う形をしており、胸がやたらと強調されてるのもあれば、すそが短いのもある。

 普通はズボン形式なのだが、なぜかスカート状のまであり、日本ではとうていあり得ない姿に。

 しかも丈が異常に短い。

 冷の視線は嫌でも向かってしまう。

 そうなるとボーガが冷の視線を気にしだして、

 

「なんか冷がジロジロとみてくるような気がする……」


「私も感じる」


「見過ぎです冷!」


「見ていちゃダメなのか」


「お前の場合はダメだな。見るな」


 リリスから拒絶される。

 軽く見ていたら良かったのに、あまりにもジロジロと見過ぎてしまい、変態だと思われたのだった。


「見るなて言われても、これを見ないなんて俺にはできないな」


(見ないなんて、もったいない。この分だと道場での訓練は大変に楽しみになってきた)


「とっても似合ってます〜〜〜〜〜!」


 ネイルはうらやましそうにして言った。

 ネイルは訓練しないから道着はないので、物欲しそうにする。


「悪いわねネイル、あなたの分の道着はないの。これは訓練で使う服なのよ」


「そうでしたか……私も欲しかったな…………」


「残念だったな、ネイルは今の服でも十分に可愛いよ」


(ネイルは何を着ても可愛いだろう。だけど道着は必要分しか購入してないからネイルの道着はないんだよな)


「訓練用なのですね、私は訓練しないから必要ないのか。でも欲しいです〜〜」


「ネイルがかわいそう……」


「ネイルの分くらい、購入してあげてもいいのに……」


 ネイルが欲しがる素振りすると、悪いのは冷が購入していないからだとなっていた。


「そ、そんな目で見ないでくれよ、悪かった、悪かった、俺がネイルの分を買い忘れた。ちゃんとネイル用にも購入する、約束するよ!」


(なぜか俺が悪者になる)


「嬉しいです〜〜よ」


「うゎあ〜」


 ネイルは嬉しがると冷に抱きつく。

 ネイルの分の購入を約束してからしばらくすると、


「冷がイヤらしく見るから……もう道着から着替えます」


「そうね、ジロジロ見られるのは不快だし」


「どうすればいいのだよ俺は……」


(まったく散々な買い物だな、みんなには変態な目でみられるし、ネイルには買え買えとせがまれ、大変な日だったな)


 冷は思っていたとはだいぶ違う展開に疲れてしまう。

 そこへガーゴイルが冷の落ち込みを察して近寄りや胸の谷間を見せつけ、


「冷、他のは見なくていいから、私のだけ見て見て〜〜〜〜」


「ああ〜〜大丈夫だからガーゴイル〜〜」

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