170
170
その日は冷も忙しく体力を消耗。
ギャンとアリエルの触り合うのは刺激的だったために、興奮したのもあった。
(女神と魔族とのお互いに触れ合うのは、大変に刺激的であった。周りには変な目で見られたが、その分ベッドで黙らせたから、いいだろう)
翌日ベッドでは9人もの女の子と一緒に寝そべる。
冷は9人に囲まれながら、ゴーレムのスキルについて考えていた。
ゴーレムのまだ知らないスキルも知りたい。
どんなスキルなのかが、気になって起きてしまった。
(今日はゴーレムにスキルについて伺いたい)
その後、時間がたち全員が目覚めて冷はゴーレムに、
「あのゴーレム、キミの持っているスキルが知りたい、ギャン達の木こりは知ったから、今度はゴーレムの番だよ」
「ああ、クレイブロックの件か。それならいつでも披露してあげよう。今日でもいいくらいさ」
「お願いする」
(特にやらなければならないことはない。クレイブロックを知ることにしよう)
「わかった。このスキルは土属性のスキル。使う用途としては、例えば土を固めてブロックの形にしたり、壁を作ったりと応用できる。私は自分の住んでいたのはギャン達に木材を集めてもらい、それをクレイブロックで建築していたのだ」
「へぇ〜ゴーレム達が暮らしていたのは自分達で作ったのか」
(大工さんとか真似は俺にはとても出来ない。家を作るって大変な作業だからな)
「冷、それならゴーレムに道場の建築を手伝ってもらうのはいかがかしら。まだ建築中でしょ、相当に時間かかりそう」
アリエルがゴーレムのスキルを利用したらと提案した。
「なるほどゴーレムに手伝ってもらえば早く完成できるよな。どうかなゴーレム、手伝ってくれるか?」
(俺としても1日も早く完成させたいから、手伝ってくれるなら大歓迎だ)
冷は道場の完成を優先させたい。
そこでアリエルの意見にのることにした。
ゴーレムは応援されるのを嫌うわけでなく問題なしとして、
「手伝うくらいなら構わないよ。ただし完成図というか、完成するイメージがわからないからな〜」
「完成図なら俺がわかる。俺が描いた図をもとに作っているから」
(確かに完成図がないと作るのは無理だよな。図なら俺が描いたのだから覚、きっちり覚えている。もう一度描いて渡そう)
冷は紙にスラスラと以前描いた図を復元してみせる。
描いた図は正確な図面ではないが、ある程度のイメージはつかめるラフ図。
三面図的に正面図、側面図、平面図と描いた。
それを見たゴーレムは、
「この形は見たこともない形だな。これは冷のいた世界では一般的なのかい?」
「ああそうだよ。使われてるのは木材がメインで柱として使う。ギャン達の作った木材を使えばいいかもな。それに壁は土を使う。なのでゴーレムには柱を土台に作って欲しい」
(この図でわかるかな?)
「やってみよう。初めての形ではあるが、やりがいはある」
「今日は道場の予定地に出発としよう」
(ギャン、ボーガの木こり、シールドの盾の木工作業。どれも1流の技と言えた。ゴーレムのスキルも同じレベルなら期待はしていいだろう)
冷は気分をこうようさせて道場の建設地に向かうことに。
建設地では、朝から大工の職人がすでに来ていて、作業をしていた。
しかし作業している大工は普通の人族である。
特別なスキルではないので、時間はかかるのは無理もない。
その点は冷は考慮していた。
作業している大工に挨拶すると、
「おはようございます。冷ですが、順調でしようか」
「おはようございます冷さん、まだ基礎の部分しか出来ていませんね。このペースだと当分完成まで期間はかかります」
大工の職人は冷の質問に答える。
「まだ時間かかりそうですよね。そこで俺の仲間にも手伝ってもらおうと思って連れてきたのです。一緒に働いてもよろしいでしようか、邪魔ではないと思います、今までにも経験がある者なので」
(一応は経験者としておこう)
「冷さんがよろしければ、ウチラは構いませんね。ただしこの仕事はキツいですぜ、見たところ女の子しかいませんが、まさか女の子に手伝わせるとかですか、それなら危ないし、怪我するかもな、止めたほうがいいぜ」
職人は冷の周りにいるのを見て無理だと言った。
当然であり、大工の仕事はとても危険な作業を伴う。
高い箇所での作業もあるし、大けがも絶えない。
それを知ってるからこそ、無理をするなと言ったのだった。
「危険な仕事なのは、わかる気がする。腕のある職人でしか無理かもな」
職人にしか出来ない技もあるとリリスは納得する。
アリエルとミーコも頷くしかない。
しかし職人の言うことに真っ向から反論するのはゴーレムで、
「まだ私の技を見てもいないのに、止めるのは納得できない。ぜひ作らせてくれ」
「お嬢さん、無理無理、とてもあなたのような可愛い娘には無理だぜ。でもそこまで言うなら、やってみな……」
「では、遠慮なくやらせてもらう。それと他の作業している大工さんは下がってください。邪魔になるので、私が独りで作る」
「……むむ、わかったよお嬢さん、オイ、みんな退いてくれ、このお嬢さんが作るからよ!」
作業している大工達は笑いながら、いったんは下がる。
ゴーレムを普通のお嬢さんだとしか知らないのだから無理もない。
ゴーレムは材木を集めて柱を作る所から始める。
「先ずは、道場の柱から作りたいと思う。ギャン、ボーガ、シールド、材木を集めて来て、そして建築の柱を作るわ」
「はい、ゴーレム様、今すぐに!!!」
ギャン、シールド、ボーガはゴーレムに言われて迅速に行動に移る。
全く無駄のない動きである。
大工達はこの娘達は何をするのかと、笑いながら見ている。




