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 その日は冷も忙しく体力を消耗。

 ギャンとアリエルの触り合うのは刺激的だったために、興奮したのもあった。

 

(女神と魔族とのお互いに触れ合うのは、大変に刺激的であった。周りには変な目で見られたが、その分ベッドで黙らせたから、いいだろう)


 翌日ベッドでは9人もの女の子と一緒に寝そべる。

 冷は9人に囲まれながら、ゴーレムのスキルについて考えていた。

 ゴーレムのまだ知らないスキルも知りたい。

 どんなスキルなのかが、気になって起きてしまった。


(今日はゴーレムにスキルについて伺いたい)


 その後、時間がたち全員が目覚めて冷はゴーレムに、


「あのゴーレム、キミの持っているスキルが知りたい、ギャン達の木こりは知ったから、今度はゴーレムの番だよ」


「ああ、クレイブロックの件か。それならいつでも披露してあげよう。今日でもいいくらいさ」


「お願いする」


(特にやらなければならないことはない。クレイブロックを知ることにしよう)


「わかった。このスキルは土属性のスキル。使う用途としては、例えば土を固めてブロックの形にしたり、壁を作ったりと応用できる。私は自分の住んでいたのはギャン達に木材を集めてもらい、それをクレイブロックで建築していたのだ」


「へぇ〜ゴーレム達が暮らしていたのは自分達で作ったのか」


(大工さんとか真似は俺にはとても出来ない。家を作るって大変な作業だからな)


「冷、それならゴーレムに道場の建築を手伝ってもらうのはいかがかしら。まだ建築中でしょ、相当に時間かかりそう」


 アリエルがゴーレムのスキルを利用したらと提案した。


「なるほどゴーレムに手伝ってもらえば早く完成できるよな。どうかなゴーレム、手伝ってくれるか?」


(俺としても1日も早く完成させたいから、手伝ってくれるなら大歓迎だ)


 冷は道場の完成を優先させたい。

 そこでアリエルの意見にのることにした。

 ゴーレムは応援されるのを嫌うわけでなく問題なしとして、


「手伝うくらいなら構わないよ。ただし完成図というか、完成するイメージがわからないからな〜」


「完成図なら俺がわかる。俺が描いた図をもとに作っているから」


(確かに完成図がないと作るのは無理だよな。図なら俺が描いたのだから覚、きっちり覚えている。もう一度描いて渡そう)


 冷は紙にスラスラと以前描いた図を復元してみせる。

 描いた図は正確な図面ではないが、ある程度のイメージはつかめるラフ図。

 三面図的に正面図、側面図、平面図と描いた。

 それを見たゴーレムは、


「この形は見たこともない形だな。これは冷のいた世界では一般的なのかい?」


「ああそうだよ。使われてるのは木材がメインで柱として使う。ギャン達の作った木材を使えばいいかもな。それに壁は土を使う。なのでゴーレムには柱を土台に作って欲しい」


(この図でわかるかな?)


「やってみよう。初めての形ではあるが、やりがいはある」


「今日は道場の予定地に出発としよう」


(ギャン、ボーガの木こり、シールドの盾の木工作業。どれも1流の技と言えた。ゴーレムのスキルも同じレベルなら期待はしていいだろう)


 冷は気分をこうようさせて道場の建設地に向かうことに。

 建設地では、朝から大工の職人がすでに来ていて、作業をしていた。

 しかし作業している大工は普通の人族である。

 特別なスキルではないので、時間はかかるのは無理もない。

 その点は冷は考慮していた。

 作業している大工に挨拶すると、


「おはようございます。冷ですが、順調でしようか」


「おはようございます冷さん、まだ基礎の部分しか出来ていませんね。このペースだと当分完成まで期間はかかります」 


 大工の職人は冷の質問に答える。

 

「まだ時間かかりそうですよね。そこで俺の仲間にも手伝ってもらおうと思って連れてきたのです。一緒に働いてもよろしいでしようか、邪魔ではないと思います、今までにも経験がある者なので」


(一応は経験者としておこう)


「冷さんがよろしければ、ウチラは構いませんね。ただしこの仕事はキツいですぜ、見たところ女の子しかいませんが、まさか女の子に手伝わせるとかですか、それなら危ないし、怪我するかもな、止めたほうがいいぜ」


 職人は冷の周りにいるのを見て無理だと言った。

 当然であり、大工の仕事はとても危険な作業を伴う。

 高い箇所での作業もあるし、大けがも絶えない。

 それを知ってるからこそ、無理をするなと言ったのだった。


「危険な仕事なのは、わかる気がする。腕のある職人でしか無理かもな」


 職人にしか出来ない技もあるとリリスは納得する。

 アリエルとミーコも頷くしかない。

 しかし職人の言うことに真っ向から反論するのはゴーレムで、


「まだ私の技を見てもいないのに、止めるのは納得できない。ぜひ作らせてくれ」


「お嬢さん、無理無理、とてもあなたのような可愛い娘には無理だぜ。でもそこまで言うなら、やってみな……」


「では、遠慮なくやらせてもらう。それと他の作業している大工さんは下がってください。邪魔になるので、私が独りで作る」


「……むむ、わかったよお嬢さん、オイ、みんな退いてくれ、このお嬢さんが作るからよ!」


 作業している大工達は笑いながら、いったんは下がる。

 ゴーレムを普通のお嬢さんだとしか知らないのだから無理もない。

 ゴーレムは材木を集めて柱を作る所から始める。


「先ずは、道場の柱から作りたいと思う。ギャン、ボーガ、シールド、材木を集めて来て、そして建築の柱を作るわ」


「はい、ゴーレム様、今すぐに!!!」


 ギャン、シールド、ボーガはゴーレムに言われて迅速に行動に移る。

 全く無駄のない動きである。

 大工達はこの娘達は何をするのかと、笑いながら見ている。

 

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