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 新スキルのお披露目は、成功したが冷の予想を遥かに上回る結果となった。

 大きな音に周囲にいたアリエルは声がなくした。


「す、凄い、光でしたね……」


「俺も驚いたけど……」


(みんなびっくりしたみたいだね)


「ライトブラストといえばゴーレム様のスキルでは? それを合成したと」


 シールドがゴーレムのスキルであると直感でわかる。


「ゴーレムから習得したスキルだよ、ゴーレムとの戦いの際に俺のスキルストレージというスキルで頂いたわけだ」


「もう一つは……」


「フラワースパークは騎士団のナニから頂いたものさ。同じ雷属性なので合成出来るかなと思ってやってみたんだ。あんがい上手くいったよ」


「なるほど、恐ろしいスキルだなスキルストレージとは。スキルを合成してより強くしてしまうのだから。アレを喰らったらかなり危険だ」


 ゴーレムは冷の恐ろしさを実感する。

 もしこれが来たらと想像しただけで身震いしてしまう。

 

「魔人と騎士団のスキルを合成するとは、発想が面白いです、さすかは冷です〜!」


 ガーゴイルは冷を絶賛する。

 胸を不必要に冷に当てるので、ミーコやアリエルは、あまりにも露骨なので照れてしまう。

 たかがスキルで胸を当てる必要があるのかと。

 しかしこれで終わりではなかった。

 冷にはまだ考えがある。




スキル想像を開始。

ライトスパークを選択されました。



ライトスパークは大車輪と想像可能です。



想像合成しますか?


はい/いいえ



(もちろん合成するだ)



 想像後は雷電斬りが生まれます。

 よろしいですか?

 はい/いいえ



(雷電斬り……。雷属性の剣術のようだな。とても楽しみだから、はい、としよう)


 雷電斬りが生まれました。



(よし! 成功したようだ!)



 連続でスキル想像に成功する。

 完成後は剣術との合成したスキルであった。

 冷は嬉しさを押さえて顔に出さないようにした。

 

「みんな、まだ俺のスキルの披露は終わっちゃいない。もう一つあるのだよ」


(せっかくだから、試してみる。そうだな、ゴーレムでお願いしたい)


「まだあるの?」


「今作ったんだ、ライトスパークからの派生でね」


「えっと……じゃあライトスパークは無くなってしまった?」


「無くなってしまったよ。一度も実践せずにね」


(上空に撃って終わったな)


 なぜあれ程のスキルを無くすのかとミーコは悲しくなる。


「なぜですか……もったいないです!」


「作って完成したスキルはもっと強烈なスキルだろうから、もったいないはずはない。それではゴーレム、新スキルのお相手をしてくれ」


 ゴーレムは冷に頼まれて、


「新スキルの実力とやらを私で測るか。なるほど、面白い考えだな、やってやろう!」


 ゴーレムは逃げる素振りもみせずに剣を構えた。

 剣はこんなこともあろうと密かに持ってきていた。

 冷とゴーレムは空き地の中央に集まる。

 アリエル達は危険さを考慮して、離れることに。


「さぁ、行くよ!」


(アリエルクラスだと危ないから無理だけど、ゴーレムなら受け止めてくれるだろうと思ってお願いした。大丈夫だろうよ)


「どうぞ……」


 ゴーレムは緊張して息をのむ。

 先ほど見たライトスパークよりも強烈なスキルと聞かされたから。

 果たして自分に受け止められるのか、やってみないとわからない。

 その時に冷のナギナタが黄色く輝き、目も開けられないくらいになる。

 雷が落ちたかの光。


「雷電斬り!!!」


「なんだこれは…………!」


 冷はナギナタをゴーレムの剣に合わせる形で振った。

 するとナギナタと剣は合わさり、激しく光が飛びちる。

 リリスはあまりにも光ご強くて手で顔を覆い隠すほど。

 さらにナギナタからは真円の形に雷光が周囲に伝わる。

 さすがにゴーレムは耐えきれず、吹き飛んでしまった。

 

「大丈夫ですか〜〜〜ゴーレム様!」


「ゴーレム様〜〜!」


「ゴーレム様〜〜!」


 ギャン、シールド、ボーガはゴーレムの安否を確認しに近寄る。

 雷属性である為に、感電しているがゴーレムは無事であった。


「大丈夫だよ、安心していいみんな。それよりも雷電斬りとやら、とても強く凄まじい稲妻のような剣術である。正直いって、初めて受けた剣術だ。剣術の破壊力だけでなく、雷属性の持つしびれには、どんな相手も苦戦するのは間違いないよ冷!」


「ありがとうゴーレム。君ならきっと受け止めてくれると思ったのさ」


(ヤバいなこれ、ゴーレムが死ななくて良かった。仲間を殺すなんて最悪ですから)


 冷は自分で合成した新スキルの破壊力に驚くしかなかった。

 

「ちょっとお前な、もう少しでゴーレムを大怪我させるところだったのよ、謝りなさいよ!」


 そこにリリスが怒りだして冷に謝罪を要求する。


「そうだ……ね、ゴメン、ゴメン」


 丁重にゴーレムに頭を下げる。


「私だったら死んでたわね…………」


 ミーコは一撃見ただけで、その能力の高さをくみとる。


「ゴーレム様が無事でなによりです。雷電斬りとは、剣術と合成したわけですか?」


「ボーガ、よく分かったな。その通り、騎士団のラジッチていただろ、覚えてないかな〜〜。あのラジッチて奴から頂いたスキルが大車輪なんだよな。ほら、リリスを助け出しに行った際に魔物の大群がいたろ、それを全部ナギナタで回転して弾き飛ばしていたの。あれが大車輪なんだよな。そしたらライトスパークと合成可能だとわかって想像合成した結果が今の技なんだ。俺でもここまで破壊力があるとは思ってなくてゴーレムには悪いことしたよ」


(怒ってたりしてたら大変だけど……)


「怒るもなにも、まだ手がビリビリ痺れていて、戦えないよ」


「今後はもっと強い敵にも対応出来そう!」


「どんどんと俺は強くなるぜ!」


(限界がどこなのかわからないのがちょっと怖いけど)


「お前、初期の頃と比べて強くなり過ぎだろ」


 あまりの成長の速度にリリスは苦笑いする。

 

「あはは〜〜」


 ミーコとアリエルも同じく。

 しかし三人とも冷と同じく成長していることに自分では気付いていないのだった。

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