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応接間では国王が冷を待っていた。
それと合わせてナニ、ナーべマル、ラジッチも呼ばれる。
ラジッチは笑っていた。
「どうしたのラジッチ?」
ナーべマルが気になる。
「笑ってしまうぜ、あの野朗、普通におかしいから」
「冷は相手が強ければ強いほど、力を発揮する傾向がある。ゴーレムは以上な強さなのに、あれを上回ること、もはや伝説級に近づくと言っても過言ではないでしょう」
「伝説級か……。騎士団に入ると思うか、俺は無えと思うぜ」
「こればかりは、僕も何とも言えないし、入れとも。入って欲しいけど」
ナーべマルは冷に期待したいが、冷の正確もつかめないでいた。
「まぁ会えばあいつの気持ちがわかるだろう」
ラジッチは入って欲しいと欲しくないの両方あった。
アリエルとミーコも同室していた。。
国王は魔人が二人も来るとなり、緊張していて、暴れはしないか気が気でない。
魔人を牢獄に、強引にでも行かせるよう決めていた。
アリエルは早く会いたい気持ちでいっぱいであった。
「早く冷に会いたい」
「生きてい良かったです。帰ってくるとわかってホッとしたよ」
ミーコは胸を撫で下ろす。
心配していたのが一気に取れたから。
「よくゴーレムを倒したと思う。どうやって倒したのかしら。女神がいうのも変だけど、神族にも通じる特質がある冷には」
「あなたがそこを見抜いてこの世界に呼んだのでしょ」
「実は、ここまでやるとは思ってなくて……。直ぐに死ぬと」
アリエルには思わぬ誤算と言えよう。
「それは冷には言わないでおきます。知ったらやる気なくすし」
「黙っていて」
それとシールドとボーガも待たされていた。
ゴーレムの側近でもあるので、兵士に囲まれて監視状態。
もしゴーレムと出会い異変があれば、即刻に退場するとなってある。
「ゴーレム様が負けるとは……」
シールドは落胆してしまう。
「あってはならない。ゴーレム様は負けるわけない。何かの間違いだ」
「ボーガ、結果は変わらないよ。それよりもゴーレム様も牢獄に入るようだわ。ギャンは牢獄にいるはずだし、一緒にいれるわよ」
「牢獄で一緒にとは……」
ゴーレムを尊敬していただけにショックも大きかったボーガ。
アリエルとミーコが待っている応接間、その扉の反対側で話し合う冷達。
内容はゴーレムとガーゴイルを驚かせる内容である。
冷はある考えを持っていて、彼女達に言うことに。
「俺は、ここに来たのはギャンとシャーロイ姉妹の件なんだよ。俺なりの考えを聞いて欲しい」
「また牢獄に戻るのですよね。約束は冷をゴーレムの居場所を教えることになってましたから。それが達成されたのなら、牢獄に復帰でしょう」
ガーゴイルは牢獄行きをこばなかった。
「ガーゴイルが牢獄なら私も牢獄かな。魔人は国王にとって危険な存在でしょうし、冷に負けた今は、従います。きっと騎士団を潰した罪を被せてくるでしょう」
ゴーレムもまた牢獄行きを決意していた。
「いいや、俺なりの考えてるのは全く違う。君たちを牢獄になど行かせない。ギャンもだ。それを国王に提案する」
魔人の意見とは反対にある冷の考えであった。
(牢獄になど行かせないよ。なぜかと言ったら、ある考えがあって、俺の理想形な暮らしがあるからだ。言ったら気に入ってもらえるかな)
「どう言うことかな。よく話が見えないのだけど。牢獄行きは約束であったでしょ」
「確かに約束であった。それは俺もわかってる。気が変わったんだ。ハッキリ言います、ガーゴイルとゴーレムは今日から俺と一緒に暮らしてもらいたい」
(ガーゴイルとゴーレムとも俺と暮らす計画だ。なぜなら俺が暮らしてみたいからだ。なんと言うかガーゴイルもゴーレムもとても魅力的な少女だから)
なんと冷は魔人に同棲生活しようと持ちかけたのだった。
当たり前だが言われた彼女達はポカンとなる。
「な、何を言ってますの。とても無理な発想でしょう」
ゴーレムは驚いてしまった。
「無理も無理です。国王は絶対に認めないし、強引にしたら冷は国とぶつかることになる。だけど冷と暮らせるってのは、嫌な気はしないけどね……」
ガーゴイルは無理なのはわかっていて、同時に冷から言われて嬉しくもあった。
「無理なのはわかっているが、俺は提案する。なぜならば、ガーゴイルとゴーレムは必要があるからだ。俺は道場を作ってる最中なんだけど、そこで君たちも訓練生となって欲しい。それとシールド、ボーガ、ギャンもだ。多ければ多いほどいいし、教えがいがある。どうかな?」
冷はガーゴイルとゴーレムにも訓練をしてもらいたいと考えていた。
しかし実際は、違っていた。
(訓練生としても楽しいであるが、あの体だからな〜、夜も楽しめるよな)
と、この調子であった。
体が目的なのだが、直接は言えないので、訓練生という名目を掲げたのであった。
「冷と訓練ですか。それはより強くしていくという考えですか」
ゴーレムは騙されてるのも知らずに納得したがる。
「そうだよ。今後もっと強い相手にも対応出来るように俺が強くしていく」
「魔人でも良いのか、あなたの既に仲間であるリリスのを訊きたいです」
ゴーレムがリリスを向いて訊いてみると、リリスは薄ら笑いした。
「騙されちゃだめだぞ、この男はな、訓練と言いながら実は…………」
「リリス、それ以上言うな!」
「コイツは夜になるとな…………」
リリスは冷の正体をさらそうとした。
経験から言ったら、ゴーレムもガーゴイルも幻滅して、冷から離れるだろう。
それだけに冷は慌てた。
「止めろリリス、俺は本気で言ってるのだから、邪魔しないでもらいたいものだ」
(リリスは大切なのだけど、こういう時は邪魔なんだよな)
「どうされたの冷、夜になると何かしら、気になるわね」
ガーゴイルは冷の正体と聞いて
興味津々であった。
「疲れて寝てしまうのだよ。それにリリスだけでなく、アリエルとミーコも大歓迎さ。遠慮なく来てくれたまえ」
(ハーレムは多いほどいいしね)
「冷が来てくれたまえ…………て言うなら、行ってもいいかな、国王の許可が降りたらの話だけど」
ガーゴイルはちょっと嬉しがりながら冷の提案を受け入れた。
国王の許可の件が降りたらの話だが。
「ギャンを牢獄から開放してくれると約束してくれるなら、私も行ってもいい。シールドとボーガは多分私に付いてくるから」
「そうか! それなら話は決まったな。ゴーレム達とガーゴイルは俺と暮らす。それとまだ増えるかも」
冷にはまだ考えていることがあった。
更なるハーレム化計画を構想していたからである。
(まだ俺にはしたいことがあるんだよ。それはここでは言わないでおこう。リリスが邪魔するかもだしな。国王に会ってから発言しよう)
「ええ! まだ増えるとは…………」
「これは危ねえな、この男はエロしか…………」
「止めろリリス、それ以上言うな、これから国王の部屋に入るぞ!」
(ヤバいから部屋に入っちゃおう)
「はい」
冷は応接間の扉を開けて入る。
ガーゴイルとゴーレムは不安なのは変わらない。
リリスは冷を疑問に思っていたのだけど、追求しきれなかった。
応接間に入ると厳重に兵士が国王を守っていて、魔人を監視する義務を負っている。
ガーゴイルとゴーレムが、暴れる可能性がある為。
王都の城は歴史的にも無かった事態に。
魔人が二人も国王に会う。
牢獄にもサイクロプスがいるし、王都が魔族の巣とも言える。
おびただしい魔力に包まれた。
重苦しい沈んだ空気に、兵士は身震いする。
「失礼します国王、約束通りに戻って来ました」
「冷よ、よくぞ戻って来た。魔族の集まる地に行けるゆうには感銘した。しかもゴーレムも連れてくれるとは恐れいる。そこで訊くが、ゴーレムは冷に逆らうことはないよな、念のため訊いておくが……」
「ゴーレムは俺の考えに従いますから、心配は要りません」
(あそこにいるのは、アリエルとミーコ。彼女達は無事のようで安心した)
「率直に言おう、ガーゴイルは以前と同じ牢獄に、ゴーレムと仲間のシールド、ボーガは牢獄に入る、既にギャンは入っているからな」
国王は決めていたゴーレム達の処分を言い渡した。
周りにいる者は納得する。
むしろ刑が軽いとさえ感じた。
死刑でも軽いと。
ガーゴイルはそこで反論はなかった。
逆らうのは冷を裏切る行為になると思って。
ゴーレムはやはりといった風な顔をした。
彼女もガーゴイルと同様に逆らわずに黙っていた。
誰もが国王の命令通りになると思った時に冷が反論とも言える発言が出る。