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 フラワースパークを覚えました。

 エアーシュートを覚えました。


 冷はここでナーべマルとナニとの戦いで新しいスキルを取得した。

 

(どうやら2つも覚えましたとさ。フラワースパークは電気の。エアーシュートはナニがミーコに撃ったのだな)


 そこでナーべマルが捕まえたアリエルに気になる情報があり話しかけて、


「それにしても私も初めてみるのだが、あなたが情報では女神のアリエルだと……嘘だと思うけど」


「そうですが。女神だと知ってて私を拘束したつていうの!」


 ナーべマルに拘束されて不機嫌な言い方をしたアリエルは体を動かそうとしたが無理だった。


「こ、こ、これは珍しい。ていうか生きてきてこの目で見れるとは思わなかった!! もちろん失礼かもしれないが、冷の仲間なら拘束させてもらう」


 ナニはとても信じられない顔でアリエルを見て、女神と言ったら普通は神であり、地上に降りてくることはないし、本人なのかどうかは判別できなく、半分信じて、半分は疑う。


「失礼かもじゃない、失礼なのよ」


「淫魔がいて、更に女神までいるパーティーなんて世界を捜しても聞いたことない。かの大昔の伝説には登場して魔王を封印するけれど。またここに集まるなんて、いったいなんの繋がりが……。異様な予感がしてしまうのは私だけかな」


「私も忘れないでよね。2人と同じくらい有名なのだから!」


 そこへミーコが負けじと言ってきてナニに負けず嫌いをアピールし、別に言わなくても良かったのだがミーコは言いたくて仕方なくなり言ったのであった。


「君はミーコ、確か情報では勇者の血を引くとか、だが王都ではガセ情報だろうと決まった。噓は良くないですよ」


「ち、ち、ち、ちょっとガセ情報は酷い。れっきとした勇者の子供よ」


 ミーコはガセと言われて腹がたった。


「リリスはゴーレムが接触するくらいだから、でもミーコの話は信ぴょう性が低い。確証はない。なのでどちらでもいいから連行する」


「なっ! 酷いな」


 ミーコはちょっとへこんでいて、自分だけ認めてもらえない辛さを感じたけど、証明のしようがなくて黙ってしまう。

 

「冷は確保できた、王都に行くとしようかナニ」


「目的は達成したからな。ここに居ても危ないかもな。出発しようか」


 ナーべマルとナニは冷とアリエル、ミーコ、リリスを確保して、王都に帰るのを決めて、冷も仕方なく従うしかない。


(ミーコ達が捕まってたら、俺も手出しができねえ)


 モアナの町から出発する。

 その時に、町の人達はナーべマルだけでなく騎士団ナニまで現れ何があったのか不思議がっていた。

 せっかく活躍した冷を捕まえてるように見えたからで、国が冷と対立してるのかとさえ、話が進んだ。



 


 その頃、王都にはピルトの町にある冒険者ギルドからの情報が入ってきて、混乱に陥ってしまうことに、情報はゴーレムの件であった。

 ハンマド国王はその情報を聞き、直ぐに緊急会議を招集し、招集されたのは、娘のビジャ姫、軍師コロナ、魔術師ラインであり、テーブルについていて、最初に軍師コロナが、


「ピルトの町の情報では魔人ゴーレムが出現したとあります。これは一大事です」


「うむ、コロナはどう考えておるか聞きたい」


「はい、今までどこに居るのかさえ不明でしたゴーレム。それが突然に現れた。しかも情報では、またもやあの男が関わったと」


「あの男か、冷だな……」


 ハンマド国王は渋い顔で言う。


「はい、冷です。なぜゴーレムが接触してきたかは不明とのこと」


「冷は生きてるのですか?」


 ビジャ姫は心配そうに言ったら、コロナは、


「情報では冷とその仲間は無事だそうです」


「それは良かったわ」


 安心してこわばった顔は緩む。


「何が良かったのですかビジャ姫どの?」


「あっ、いえ、冷が生きてるてことは、人々も無事でしょうから」


「まぁ町の人達には犠牲者はいないもようです」


 そこで魔術師ラインが、


「それは変だな……。ゴーレム程の中級魔人が現れて犠牲者がいないて変。何をしに来たのかさっぱりわからない」


 常識的に考えて中級クラスの魔人が現れたら、人外な被害にあうものとされていて、何も被害がないとなると、現れた理由がなくなる。


「確かに変だな」


 ハンマド国王も同じく変に感じ、考え込んでしまう。


「国王がそう言われるのもわかります。ゴーレムは同じ魔人であるガーゴイルやサイクロプスの件で冷を恨んでいて殺しに行ったと私は考えてます」


「軍師コロナの言うのが合ってたとして、冷はゴーレムと戦って勝ったとなる」


「勝ったかはわかりません。ゴーレムの意図が読めません」


「お父様、ゴーレムがどこにいるのかわからない以上、ピルトの町に騎士団の応援を送りましよう。町の人々も不安なはず」


 ビジャ姫が国王に提案すると国王も、


「直ぐに応援を送り込んでおくとする。コロナとラインは引き続きゴーレムの情報を集めておいてくれ」


「はい」


 王都からは騎士団をピルトの町に集める指示がなされ、ピルト周辺にいる騎士団が駆け寄ることになり、それでもいざゴーレムともめたら、とても足りないのはわかっていて、最低限の対策をしたのだった。

 国王はもちろん不安になったが、ビジャ姫もまた不安になっていて、冷がとんでもない件にからまれたと知って、大丈夫なのか、本当に生きているかを知りたくなった。

 自室に戻り椅子に座ると、冷のことで頭がいっぱいになっていて、早く騎士団の応援が駆けつけて欲しいと願った。

 ビジャ姫はこのところずっと冷のこと考えていて、また王都に来ないかなと思っていて、それは父の国王には内緒ではあるが、会うのが楽しみであった。




 

 王都では国王達に噂されているゴーレムは、冷と戦った後にピルトから離れて別の地点にいて、3人の配下の魔族も近くにいて、ゴーレムが機嫌が悪いのをわかっていた。


「ゴーレム様、リリスを魔族に戻し淫魔を復活させる作戦は失敗でしたか?」


 言うべきか黙っておくべきか悩んでゴーレムに言ってみた。


「リリスには接触した。そこまでは作戦通りであって、しかもリリスしかいなくて、絶好のチャンスであった。しかしそこに冷が駆け寄ってきやがって邪魔に入りやがったのだ」


「邪魔くさい奴です本当に。魔族の邪魔でしかないと思います。冷と戦ったわけですか」 


「戦った。勝敗はつかなかったが、長引くのは不利なので、出直すことにした。冷は戦ってみてわかったが、アイツは特殊な能力を持っていて、目の前でサイクロプスのスキル烈火拳を使いやがった」


「そ、そんなことが、つまりは対戦相手のスキルを使える能力だと。それは言い換えると戦えば戦う程に強くなっていく」


「そのようだ。これで冷の能力がかいまみえた。次にあったら必ず抹殺してやる」


「ぜひそうしてくださいゴーレム様。ところでいま入った情報ですと騎士団が冷を探してるそうです。なんでも騎士団に入れるらしいです」


「騎士団に? あの冷が入るとは思えないがな。いまでも他の冒険者とも連携はない。単独行動を取っていた」


 ゴーレムの持っていない情報であって、入団させる意図がわからないでいた。


「実際に騎士団が動きをみせており、1つの騎士団を確認しました」


「お前たち3人でその騎士団を潰してこい。王都と冷が結び着くのは不都合だからな」


「はい、ゴーレム様」


 ゴーレムは配下の魔族に騎士団を潰してこいと命令を下し、3人はシールド、ギャン、ボーガであり、最もゴーレムから信頼された魔族である。

 能力も優れており、低い魔物のレベルではない。

 姿は3人とも女の子であって、いずれも魅惑的な美貌を持ち合わせている。

 命令された3人は嬉しそうにして騎士団の討伐に向かった。

 

「久しぶりに楽しめそうだな」


「ああ、長いこと休みだったから体がなまってる。戦いたくてウズウズしてた」


「ゴーレム様が潰してこいって言うのだから、暴れて良いのだろう」


「そこには冷はいるのか?」


「いいや、居ないとのこと。まぁ居ても構わないだろ、潰してしまえばな」


 戦いたくてしかたないシールド、ギャン、ボーガは冷をも恐れてはいなくて、体がウズウズとしてきて、出発することにした。

 ゴーレム自体が今までおとなしくしてきた為に、戦うのさえ控えられてきて内心は戦いたいと思ってきたから、絶好の機会といえた。




 

 とある騎士団のひとつが休憩を取っていて、部隊長はシュナイダー隊長で、1団はピルトに向けて足を進めていた。

 ピルトに行くのは軍師コロナから出た命令の為で、ゴーレムが出現したから警備にあたるのが目的であり、30は超える人数を有していた。


「隊長、ゴーレムが出現したのはなぜなのでしょうか。今まで静かであったはずなのに」


「ピルトの町には冷がいるらしい。彼はそこを拠点としていて、ゴーレムとすでに接触したようだ。さいわいにも町の人にはまだ犠牲者がいない。そこで俺達が警備につくわけだ。もしゴーレムが出たら相当に危険な仕事になるな」


「シュナイダー隊長なら互角に戦えます」


 勝てる気満々の部下で隊長を持ち上げる。


「そうならいいが……」


 一方のシュナイダーは今回の仕事は困難なものになると感じており、厳しい注文を命じられたと感じてる。

 相手はあのゴーレムであるから、生きて帰れる保証はないし、しかし部下の手前、怖がることも許されないから逃げるわけにも行かないし、不安なまま向かって行った。

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