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序.趣旨、結果の概要、調査手法など

・調査の意図と結果の概要


 このエッセイは、どのような文字数の作品が多くの人に好まれているか、実際のデータから読み解こうとしたものです。

 具体的には短編作品を調査対象とし、主として文字数とポイントとの比較をしています。また限定的ですが、ジャンル別の調査も行いました。その結果、以下の三点が浮かび上がりました。


1.ジャンルごとの文字数の傾向

 どの程度の文字数の作品が高ポイントを獲得するかは、ジャンルごとに異なる。


2.母集団の大きさとの関係

 比較的文字数の少ない作品に高ポイントのものが多いと感じるのは、母集団が大きいから。

 何千文字台のように文字数ごとの母集団で見た場合、文字数が少ない集団は圧倒的に作品数が多い。


3.ポイント数による文字数の変化

 高ポイントの作品になると、文字数が増える傾向がある。



・対象の選択理由


 調査の対象として短編を選んだのは、「一つのお話に対する文字数」を調べやすいと判断したからです。


 連載小説の場合、一つの作品に複数のエピソード(お話)があるかもしれません。一つのエピソード(お話)が何話にも分割されている作品も多いと思います。

 そのため全体や一話ごとの長さで論じても「お話」のボリュームの適切さを解明しづらいと考えました。


 それに連載小説では、一話だけ、連載中、完結済みなどで大きく結果が異なると思われます。そのため話数とは関係なく作品が完結している、つまり確実に「一つのお話」である短編を選択しました。


 また連載小説では、投稿間隔なども大きく影響すると考えられます。そこで期間や間隔などの要素を無視できる短編を調査対象としました。



・評価基準について


 「小説家になろう」での評価の指標は主としてポイントです。そのため図表の多くはポイントを絡めたものとなっています。


 ただし、ポイントのみで「作品の良し悪し」を語ることは不可能です。また異なるジャンルの場合、作品数や潜在的な読者数自体が違うため、ある数値だからどうだ、とも言えません。

 しかし数字で判断できる基準が他に存在しないため、解析にポイントを用いました。


 ポイントに近いものとして評価者や感想、レビューの数、週間ユニークアクセスなどがあります。

 しかし評価者の数だけだと評価の値が無視され、感想は褒め言葉だけとも限らず、レビューは数量が少ないから偏りがち、週間ユニークアクセスは新しいものが有利、とそれぞれ評価の指標には向いていません。


 上記の理由で、以下ではポイントを「より多くに受け入れられたかを示す基準」つまり人気度のようなものとして採用しました。そのため、このエッセイでの「評価」という言葉は「人気の有無」に近いものです。



・調査方法と時期


 データの収集には「なろうデベロッパー」に記されている「なろう小説API」を用いました。また収集時期は、2017年1月の下旬です。



 次項からは、調査の結果得たデータを示しつつ解説します。


2017年1月30日追記:

 今回の調査を思い立ったのは、葦沢かもめ様の下記作品を読み、傾向にジャンルごとの差異がないかが気になったからです。


作品名: 一話あたりの文字数を最適化して高い評価を得よう!

URL: http://ncode.syosetu.com/n5969dt/


 ご紹介について許可いただいたので、そのこと記させていただきます。

 葦沢かもめ様のエッセイには、連載小説についての調査結果もあります。別の切り口や連載の傾向に興味のある方は、ぜひ御覧になってください。


2017年1月30日追記2:

 ご指摘をいただき、以下を改訂しました。ご指摘、大変感謝しております。


・「母数」を「母集団」に修正。

・表の見出しの追記修正、表1から総数を削除し、本文中に移すなど一部のレイアウト変更。

・「母集団全体」か「その上位500位」が判るように記述を修正。


2017年2月5日追記:

 本エッセイでは、ある母集団(ジャンル、文字数などでの集団)に対しポイントで上位何割、何位などと示しています。これらについて「何パーセント以内なら何ポイントくらいが普通」という情報がなければ、判断しにくいと思います。

 それらについては、既に全作品(2016年3月19日時点での約38万件)を元に論じた佐々木尽左様の下記作品が存在します。


作品名: 『小説家になろう』をデータ分析してみた

URL: http://ncode.syosetu.com/n5316df/


 ご紹介について許可いただいたので、そのこと記させていただきます。

 上記調査によれば「0ポイント=全体の45%弱」「25ポイント以上=同20%弱」「100ポイント以上=同9%弱」「500ポイント以上=同4%弱」となっています。本エッセイをお読みになる際は、それらを前提としていただくと、より実情を把握できると思います。


2018年3月4日追記:

 長編10万文字以上の作品についても調べました。下記にリンクを作成したので、よろしかったら御覧になってください。


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・情報引用元、他作者様の関連作品(掲載は該当作品の掲載日順)

佐々木尽左様『小説家になろう』をデータ分析してみた
※対象データ=2016年3月19日時点、ジャンル再編成前

葦沢かもめ様一話あたりの文字数を最適化して高い評価を得よう!

※作品の紹介は作者様から許可いただいております。

・関連する自作品

長編作品の文字数・ポイントについて
10万文字以上の完結作品、恋愛・ファンタジー・文芸・SFを全て調べた!
一話何文字が良いか? ポイントとの関連は?

※調査時期=2018年2月中旬
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