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第4話「トラブル」

今日も2話投稿します。

小説情報書き換えようかなあ

 バルドはその手をものともせず立ち上がった。

 黒熊のガストンと至近距離で睨み合う。


「……黒熊だって?」


「おう、そうだ。チビ、それがどうかしたか?」


 バルドをチビ呼ばわりしてガストンが低く笑う。




「……小さえな」


「なんだと?」


 思いがけない言葉に怪訝そうな表情を浮かべる。

 ガストンを見つめるバルドの目。

 瞳の中に小さく金色の光が宿ったように見えた。


「……小せえ。いままでやった熊の中で断トツにな」


「お前、面白い目をしてるな」


 ガストンは怒るどころか感心したように言う。

 だがバルドはさらに言葉を続けた。


「……おまけに」


「なんだ?」


「……臭え」


 バルドは顔をしかめ心底嫌そうな表情をした。




「テメエ、大人しく聞いてりゃいい気になりやがって!」


 横で聞いていたドッシュが怒りの声を上げた。

 後ろの男たちも怒鳴り声を上げて詰め寄ってくる。




「まあ待て」


 ガストンはそれを片手で制した。


「おもしれえ奴だな。名はなんという」


「……バルドだ」


「バルドか。そっちの色男は?」


「ルブリスです、お見知りおきを」


 ルブリスはことさら気障にお辞儀して見せる。


「そうか。お前らの面は覚えておいてやる」


 そう言ってガストンはイルリアの顔を見た。


「イルリア、俺と組め。それ以外に手はねえ。おい、てめえら行くぞ」


 そう言うとガストンは仲間を連れて出て行った。





「怖かったですね」


 男たちが出て行くと、サラがふうっと息をついた。

 ずっと恐怖で緊張していたらしい。


「いつもの事じゃない。気にすることないわ」


 イルリアは気丈に答える。


「いつも絡まれているんですか?」


「ええ。あいつらはわたしと同じものを狙っているの」


 ルブリスの問いにイルリアが答える。


「それが今回の依頼の目的、という事ですか?」


「まあそういう事ね」


「それが何か聞いても?」


 ルブリスの問いに今度はイルリアが横に首を振った。


「いいえ。それはあなた達がテストに合格して、正式に依頼をするときにね」




「本当にやるんですか?」


 ルブリスが呆れたように聞く。


「当たり前じゃない。じゃなきゃこんな所に来ないわ」


 ここは冒険者ギルドの中にある訓練場。

 そこをわざわざ借り切って五人は立っていた。


「まあそうですよね。で、どうやるんです」


「ナーニャと手合せしてもらうわ。武器と盾は練習用の物を使って」


「それで、勝敗は」


「一本入るか、どちらかが参ったと言えば終わりよ」


「参ったと言わなかったら?」


「大丈夫。ナーニャは怪我させないように手を抜くし、あなた達の実力を見たいだけだから」


「勝敗がつかなくてもいいんですね」


「ええ。実力が分かったところでわたしが止めるわ」


「はあ、分かりましたよ。相手はバルドでいいですか?」


「いいけど、どうして?」


「私はレディに向ける剣は持っていませんので。バルドに任せますよ」


「言うじゃない。ナーニャ、いい?」


「わたしは構わない」


 ナーニャはイルリアにきっぱりとうなずいた。


次の投稿は20時過ぎの予定です

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