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下着=エロではない

1日と20少々遅れました。申し訳ありません


次回からは木曜更新にしたいと思います。

「下着?」


まず、可美は下着を知らなかった。


「……下着ってのはな」


説明するとなるとなんだか恥ずかしく感じる。

べつに下着自体いやらしいものではないのだが、思春期の男の子にしてみたらついいやらしい方面に思考が直結してしまう。

だから視線をそらしつつ、横目で可美の胸元と、太ももに目線をいったりきたりさせてから指差す。


「そのワンピースの…中に着てるやつ」


可美は理解が遅れたのか数秒黙った後、パッと目を開いていきなり胸元を両手で隠した。


「変態!」


(まぁそーなるよな。て、まてよ可美ってブラしてるの?てか、いるの?いらないだろ…。多分俺と同じぐらいじゃね?大きさ)


「最低!」


「ぇえ?なんにも言ってないんだけど!」


「なんか言ってた!私を馬鹿にしてた!」


「だってその大きさならブラなんていらないだろ!?シャツとかで充分だろ!?」


「ブラって…あの白凪が着けてた……。わ、私だって白凪に着けた方が良いって言われたもん!」


「ま、マジでか?じゃあ俺もつけた方がいいのかな?」


「あれは女の子だけのものでしょ!?」


「なに言ってんだよ!今はメンズブラとかがあるくらいだ!男の子の物でもあるんだよ!」


「白凪が言ってたもん!女の子は胸をホールドしてもらうブラ。男の子は男の子をホールドしてもらうオナホ。オナホってなにかわからないけど」


「白凪なに教えてんだ!!!!!!」


思わず叫びを上げてしまった。

その声に反応して沢山の人から一斉に変な目を向けられる。

二人は逃げるようにその場から立ち去ってランジェリーショップへ向かった。







猛はランジェリーショップの前で二の足を踏んでいた。

理由はランジェリーショップに男が入って良いのかと思ったからだ。

このような場所に男が入ることは世間的にどう映るのか周りの目が気になった。

いくら可美が同行しているかと言ったって俺は男なわけだし、仮に入ったとして何処に目をむけば良いものなのか。


「たける、早く」


隣にいる可美が催促する。

猛はため息をひとつこぼしてから決心を固めて入ることにした。

店内に入った瞬間、女性客が異形を見るような不愉快そうな視線を向けてくる。もう心が折れた。

ランジェリーショップの中はとても綺麗で何処か神聖だ。

店内には白やピンク、黒や赤、青や黄、緑まで色とりどりの下着が並べられている。よく見るポピュラーなものからセクシーなものまで種類も多い。

何処を見たって下着だ。それ全てに共通するものが女性用ということ。

そして無論、俺を除いて店内にいる全ての人間が女性。


「やべ…これJカップだって」


猛が何気なく手に取った下着を可美に見せる。


「私、これにする」


「やめとけ無謀だ」


「たける嫌い」


「すまない。でも事実だから」


「そもそもカップってなに」


「胸の大きさじゃね?」


「私はなにカップなの?」


「ん。ダブルA」


無言で猛の横腹に一撃。


「ぐほぉッ!冗談だって!てかお前ダブルAの意味知ってるの?」


「わからないけど馬鹿にしたのはわかった」


「まぁなにカップだろうな…Aとかじゃね?」


「Aは大きいの?」


「全く」


真顔で言ったら可美が少し悲しそうに自分の胸を撫で下ろした。


「小さい子は嫌い?」


可美が潤んだ瞳を上目遣いになりながら、視線を向けてくる。


(か、かわいいい。なんだよ貧乳に目覚めそうだったわ)


「い、いや嫌いじゃない」


「本当に?」


「おん。て……なんだあの下着」


不意に可美の隣にあった下着が目に飛び込んできた。

なんとも精緻せいち妖艶ようえんな白妙上下セットのレースの下着。

明媚なそのデザインはまるで花嫁衣装を思わせる。


「きれい…」


可美もその下着に気づいたらしく手に取って呟く。


「サイズは!?」


猛が興奮気味に問う。


「…A」


可美がサイズが書かれた所を探す。そして目をパッと輝かせた。


「よし!試着だ!」


猛がガッツポーズをして試着室を指差した。

可美はその下着を持って試着室に入り、カーテンを閉めた。

試着室の前で待っているとなかなか気まずい。

辺りからの目がさっきより気になって仕方がない。

早く出てきてくれと心の中で思いながら数分待っていると


「どう…?」


と試着室のカーテンが開かれる。

少し恥ずかしそうにきれいな白い足を摺り合わせながら可美が姿を現した。


「な………。」


一瞬では言葉にできなかった。

見た目から神聖な可美がこんな下着を着るのだそれは神の衣装そのものに見える。白い肌がさらに輝きを増して神々しくて美しい。優しく覆われた白い肌を晒しながら恥ずかしそうにしている様子も愛おしい。

でも足りないのはやはり胸だ。

まぁこの下着はぴったりだったようなので可美は本当にAカップなんだとわかる。


「か、かわいいよ。本当。」


可美が頬を赤らめた。

そして晒した肌を両手で摩りながら


「あ…ありがと」


「それにしよーぜ。あと何着か買おうか」


「うん!」


可美は笑顔で頷く。

そのまま何着か選んで会計を済ませる。

初めて女性用の下着を買ったが、なかなかのお値段だった。


二人は買い物を済ませて家に戻る。

また可美と一緒に次の日の朝を迎えるのだ。

次回からは木曜更新に…。

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