ライン
夢から覚める。
まどろみの向こうに置いてきた誰かの声。
それは懐かしさと切なさ、そして悲しみを伴う。
最初から定められた道筋を辿るように。
この足は全てを知っているかのように迷いなく足跡を刻む。
幻を掴むような日々は目の前を遠く過ぎ去る。
岐路すらないこの道筋が『キミ』へと出会う為のライン。
喪失に泣いた日も、喜びに満ちた日も。
それは全てキミへと繋がるライン。
キミへと繋がる。
そしてキミを失う。
再び夢へと堕ちて行く。
キミを忘れぬよう。
この場所で再びキミに出会う為に。
途切れた轍に再び足跡を刻む。