プロローグ・異瀬杏の独白
途中々々、断章というものを設けまして、一切読まなくとも支障を出さない小話があります。そしてその中の『二人の蜜月』というものにガールズラブ成分が含まれておりますので、そういったものに嫌悪感や不快感を覚える人は気をつけてください。
小学生から中学生になること。
純真無垢な少年少女達が、大人になることに抵抗を感じる瞬間だ。
これは男女だからといって差はない。みんな平等に大人を受け入れていく。
しかし、既に人生の酸いも甘いも噛み締めた人物が、純真無垢な少年少女に穢れを伝えたらどうなるだろうか?
例えばそう、この俺異瀬杏のような男が恥も外聞も忍ばずエロい事をクラスに、中学校のみんなに撒き散らすと、どうなるのか。
今から楽しみである。
ここらで自己紹介でもしましょうか。
名前はさっき言ったとおり、異瀬杏、これでも今年中学入学。自他共に認める変態で、小学生のころは肩身の狭い生活を送っていた。一年のころの女子トイレ侵入事件は今でも小学校で語り継がれているらしい。
髪を切るのが面倒くさいから放置しているが、知り合いからは長くてつやつやの髪だと好評を得ている。また、ド変態男子中学生にあるまじき少女のような美声、フェミニンな顔、そして125センチの身長から『六年二組の妖精』『サキュバスの幼体』などの異名を持つ。れっきとした男であるが、男に告白される事もしばしば。我ながら不憫な見た目だ。
その上学力は高くない。というか低い。保険の授業なら絶対の自信があるが、それを差し引いても平均以下の学力であるのは間違いないだろう。
ま、要するに馬鹿でエロい女みたいな男、と思ってくれればいいだろう。余談だが、皮肉なことに俺はロリコンの気がある。
場所は金崎中学校。部活動に力を入れている市立の中学で、最近は女子ソフトボールが特に強いとかなんとか。
入学式が終わるとそのまま続いて各部活紹介が始まる、その終わりに作戦を決行する。
オペレーション・エロティック・カオティック。
部活動紹介の最後である英語部の説明が終わり次第体育館のステージ壇上の英語部員からマイクを奪い取り、あることないことを叫びまわり、少年少女をカオスの渦に叩き込む。
我ながら最低だ。非人道的だ。子供の夢を潰すことになる。
だが、やってはいけないからやりたくなる、誰もが一度は得る感情だ。この一線を越えるか越えないかで犯罪者とそうでないかを分けるのだ。
だから俺は明日、犯罪者となろう。




