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世界を終わらせる方法

 客間に通されてしばらくはシーナが落ち着きなく辺りを徘徊していたが次第にそれもなくなりシーナも客間のソファーに腰をおろして二人を待っていた。彼女の心境を訊ねてみるのも手かもしれなかったが重苦しい空気の中でそれを問うのは憚られた。クジュはクジュで自分の声で相手に不快感を与えてしまうことが嫌なのか口を開こうとしない。こういった時ばかりはクジュの体質をありがたいと感じてしまう。クジュは無神経なところがあるためよく他人の触れてほしくないであろうところに土足で踏み入ろうとしてしまう。それを回避出来るのがウォルとクジュが忌み嫌っているクジュの声質のおかげというのはなんという皮肉か。クジュにそれを言えば睨みつけられる気しかしないのでこれまでそれを口にしたことはないしこれから口にするつもりもない。

 すっかり体調が回復したらしく、時折少しばかり咳き込むだけのクジュが万が一にも余計なことを言わないように密かに見張りながら二人を待っていればドアがゆっくりと開いた。金属が擦れ合う音をたてながら押し広げられたドアを掴んでいたのはナイトラだった。先程別れた時の歪んだ表情は見る影もなく凍てつくような無表情を貼りつけている。その背後にはチェックの姿もあった。


「よう。待たせて悪かったな」


 明るく努めているのだろうがチェックの目の周りは泣き腫らした跡がくっきりと残っていた。まだ落ち着ききれていないのか声も若干涙声が混じっているような気もする。そう感じたのはウォルだけではないらしくクジュとシーナの眉間にも皺が寄った。

 それでも王らしく毅然とした振る舞いでチェックがソファーへ腰をかけたのを一瞥してからナイトラがドアを閉じる。それからナイトラはソファーに腰かけることはなくチェックの横へ立った。騎士としての定位置なのだろうか。その配置はとても日常に馴染んでいるように思えた。チェックがナイトラに腰かけるように提案するがナイトラは頑として首を縦に振ることはなかった。ナイトラの意思が揺らがないので諦めたチェックは小さく溜息を吐くとこちらへ向き直る。先程までの柔和な雰囲気は削ぎ落され、真剣な表情だけが剥き出しになっていた。そのギャップに動揺しているとシーナが立ち上がる。


「すみません、お茶でも淹れてきますね」

「シーナ、いい。座っててくれ」


 シーナが中腰になった辺りでチェックが軽く手を挙げてそれを制す。シーナはそれでも立ち上がろうとしたがもう一度チェックが強く制せば諦めたのか腰をおろし直した。それを一瞥してからチェックは口を開く。話そうという意思が強いのか体勢は前のめりで話し始める。その距離の近さが嫌なのかクジュはわざとらしくソファーへ深く腰かけたがチェックは気付いていないのかあえて気付かない振りをしているのかそのまま続けた。


「もうわかったとは思うが俺がお前等をここに招いたのは国民の記憶が弄ってもらうためじゃない」


 招いたというよりは拉致といった方が相応しいのだろうがそんなツッコミを入れられる雰囲気でもないので黙っておく。幸いにもクジュもツッコミを入れる気はないようだった。そのことに密かに安堵しながらチェックの話の続きに耳を傾ける。


「俺はな、ナイトラが好きなんだよ。で、幸か不幸かナイトラも俺のこと好きなんだそうだ。信じられるか?」

「王、論点をずらすな」


 騎士としてのチェックを敬う態度と素の態度が交ってアンバランスになってしまった言葉でナイトラがチェックを諌める。するとチェックは肩を竦めてから話を進めた。


「この国はとにかく批判することが好きなんだ。平和な分攻撃性の矛先が政府に向いてる感じだな。どんな小さなことでも失言があれば徹底的に批判される。そんなことの繰り返しで何度も王が変わった。俺は何人目だったかな」

「三百四十五人目ですが今はそれは関係ないので」

「わかってるって。脱線するつもりはねえから安心しろ」


 ナイトラが諌めよりも早くチェックが先手を打つ。そのやり取りは会ってさほど時間が経過していないウォルにさえとても慣れているように見えた。しかしチェックの話が本当だとすればひとつ、矛盾が生じてしまう。


「あの、チェックさんはシーナさんと交際しているのではなかったんですか?」


 身分違いだと言っていた。大臣達はチェックとシーナの関係を断ち切るために訴えていたようだったし、刺客まで送り込まれてきた。それが嘘だと言うのなら何かメリットがあってのことだろうがそれにしてはリスクが大きすぎる気がする。第一、王の為とはいえ恋人のふりをするなどというハイリスクノーリターンな真似をシーナがする意味がない。裏で金を積まれた可能性もなくはないがここ数日シーナに一緒にいて彼女からそういったずる賢さが備わっているようには見えなかった。

 あまり頭が良い方ではないので考えてわからなければ本人に聞くしかない。そう考えての質問だったのだがチェックは困り果てたように眉をハの字に下げた。それをナイトラが一瞥して彼は彼でわずかに目を伏せる。その真意が読めずに首を傾げると隣のクジュが重い溜息を吐いた。世の中に存在する黒々とした感情を凝縮したような強い苛立ちを感じる溜息に驚いてクジュの方を見る。するとクジュは心底呆れたとでも言いたげな表情でウォルを見て吐き捨てた。


「カモフラージュ」


 まるで何を今更そんなことを言い出すんだとでも言い出しそうなクジュはそれだけ言うと鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまった。本当は喋らないつもりだったのにウォルがあまりに鈍感だったので思わず口を挟んでしまったのだろう。そのことに申し訳なさを覚えつつもそれが真実であるか確認するために三人を見る。

 チェックはどんな顔をしていいのか決めかねているらしくウォルと目が合った瞬間に爽やかな笑みを作った。だがそれも失敗してしまったらしく歪んで今にも泣き出しそうな表情になってしまっている。ナイトラもやはりどんな表情になるべきか決めかねているようだ。ただチェックと違って下手に取り繕うことはせずにわずかに不機嫌さを覗かせる無表情を貼りつけた。それからシーナ。身体を少し捻って彼女の方を見れば彼女は顔を伏せていた。太腿を強く掴む両腕は真っ直ぐに伸びている。余程の力が入っているのか太腿と一緒に掴まれているスカートは大量の皺を作り、彼女の両腕は小刻みに震えていた。手は血がうまく通っていないのか不健康そうに白く変色しているようだ。これだけ各々にあからさまな態度をとられれば鈍感なウォルにでも察することは出来た。


「……同性はな、犯罪なんだよ」


 なんと言うべきかウォルが考えあぐねているとチェックがぽつりと零す。その一言だけで全てを察することが出来るほど頭は良くないのでチェックの次の言葉を待つことにした。


「男同士とか女同士とかの恋愛はこの国では重罪で見つかり次第処刑。あ、勿論王とかでも例外なくな。あれ何番目だっけか?男好きで処刑された王」

「二百二十三人目」


 もう王として接することが面倒なのかそれだけを端的に答えるとナイトラは黙り込んでしまう。なんだよつれねえなあ、なんて言いながらチェックは正面を向いた。いきなり目が合って驚く。


「だから俺はシーナと交際してることにした。シーナも俺と弟の命がかかってるからって協力してくれた。酷いだろ? それくらいの自覚はあるさ」


 チャックが自嘲気味に笑う。うまく笑みを作ろうとして今回も歪んでしまったらしく激しい違和感を伴う。明るい表情ばかり作るのに取り繕うのは苦手らしい。表情を取り繕うという点においては無表情を貫き通すナイトラの方が優秀そうだ。

 ええ、酷いですねとでもクジュならば返しただろうがウォルにはそんなことが言えるはずもなく、かと言って貴方は悪くないと言えるほど偽善的でもなかった。そのためやはりチェックの次の言葉を待っていると不意に隣のシーナが意を決したように立ち上がった。顔は相変わらず下を向いていた。


「わた、私は王とナイトラの役に立てるのならと思って自ら提案したのですから王が酷いということは決して」

「うん、ありがとうな。でも今はお客さんと話してるんだ。座ってもらえるか?」

「でも」

「何度も言わせるな。座れ」

「……」


 食い下がろうとしたシーナをチェックが指差す。重低音での命令口調に気圧されたシーナは大人しくソファーへ腰をおろし直した。それを見届けてからチェックは先程の苛立った命令口調から一転して言い聞かせるように声を和らげる。


「シーナ、いいか。いくら自分で望んだからって言っても俺達はお前を利用したんだ。それは酷いことだ。わかってくれるな?」


 疑問形で締めくくったくせにその言葉には有無を言わせない雰囲気が含まれていてシーナは素直に答えることはせずに目を更に深く伏せただけだった。ナイトラがそれに対して何か言おうとしたがそれをチェックが制した。それからまたウォルを見る。


「記憶を消せるのはクジュの方だったよな?」

「そうですね」


 ウォルの声も特殊なのは特殊なのだが単体ではなんの役にも立たない。そんなことを今言う必要もない気がするので黙ってチェックの質問にだけ答える。するとチェックは視線をウォルからクジュへと移した。クジュはといえば視線を向けられても興味がないとばかりにそっぽを向いたままだ。


「頼みがある」


 クジュは答えない。

「俺は弱い王だ。今までナイトラに依存して、シーナを犠牲にしてなんとかここまでやってきた。でも俺は王だ。いつまでも甘えてるわけにはいかねえ。俺の弱さは俺が一番知ってる。だから頼みたいことがある」


 クジュがチェックを一瞥した。その間にナイトラとも目が合ってしまったようで一瞬ではあるか壮絶な睨み合いが展開される。火花が散ったように感じてしまうほど二人の互いに向けられる視線は攻撃的だった。何がそこまで二人を不仲にさせるのかはわからないが会った瞬間から反りが合わないという人間も中にはいるだろう。


「断ち切ろうと思う。だから記憶を消してほしい。最初に言えなくて悪かった。決心がつかなかったんだよ、女々しいだろ。でもいよいよ命まで狙われ始めたんだ。俺も自分を変えないと駄目だ」


 クジュはやはり答えない。

 ウォルとしては協力したいところだがこればかりはクジュが首を縦に振ってくれないことにはどうしようもない。まさかナイトラが気に入らないからチェックの依頼を蹴るなんて真似はしないだろうが依頼を蹴る可能性自体は多分にある。もしもそうなった場合は説得して協力してもらおう。そんなことをウォルが考えているとクジュが消え入りそうに小さい声で呟いた。


「手紙」

「は?」


 意味がわからないとばかりにチェックは眉間に皺を作った。意味がわからないのはナイトラとシーナも同じようでシーナは首を傾げ、ナイトラは説明しろとばかりにクジュを睨みつけている。しかしクジュはこれ以上喋る気はないらしくナイトラを挑発するように鼻を鳴らした。クジュが説明する気は一切なさそうなので仕方なくウォルが説明を開始する。説明をクジュに代わってするのはもう慣れたものだ。


「記憶を消すには手紙が必要なんです。えーと、そもそも誰のどんな記憶を消しますか?」

「俺とナイトラのお互いのことが好きだっていう気持ちだな」


 それを聞いてなんとなく予想はしていたが悲しくなってしまう。環境のせいで自分のやりたいことが出来ないというのはとても辛いのだと思う。想像するしか出来ないが想像しただけでも相当の苦痛を伴う生き方だということはわかる。彼等はきっとその生活に疲れてしまったのだろう。それならば本人が望むようにしなければいけない。幸いにもクジュは乗り気になってくれているようだし。


「まず誤解があるようなので言っておきますね。クジュは記憶を消せるわけじゃないんです。クジュが消せるのは感情です」


 何度もした説明は噛むことも言い淀むこともなくすらすらと口から滑り出る。


「まず消したい感情を思い浮かべながらその感情に沿う言葉で手紙を書いてください。好きという感情の場合は好きな相手に宛てて書くのが一番いいと思います」


 こんな豪華な場所なのでペンと便箋がないということはないとは思ったが念の為の懐から二人分取り出してチェックへ差し出す。別にこのペンと便箋を絶対使わなければいけないわけではないことを告げればチェックはペンと便箋を返してきた。素直にそれは受け取って懐にしまい直す。


「クジュは手紙に書いてある感情を消すことが出来ます。正確には消すわけじゃなくて塗り潰すんですけど結果は同じですから。さっきも言いましたけど手紙に書いてある感情を消してしまうので余計なことは書かないようにしてください。例えばナイトラさんのチェックさんに対する敬愛とか。そういったものまで消したくないなら手紙の内容では一切触れないでください」


 淡々と説明していると蚊帳の外になってしまったシーナまでもが真剣に耳を傾けていた。そのことを少しばかり気恥ずかしく思う。


「手紙を書くだけでいいんだな?」

「ええ、後はクジュの仕事ですからお二人は手紙を書いてくださるだけでいいと思います、多分」


 尻すぼみになってしまったのはウォルの判断だけで断言することは出来ないからだ。もしかするとまだ協力してもらうことになるのかもしれないしむしろその可能性の方が高いと思っている。しかしクジュは何も言わない。そもそも目を合わせてくれない。試しに名前を呼んでみてもこちらを一瞥するだけだった。そんな曖昧な説明でも一応納得はしてくれたらしくチェックは立ちあがった。


「じゃあ手紙書いてくるわ。ナイトラ、行くぞ!」

「大声で言わなくても聞こえる」


 もうほぼ素で応答するナイトラは溜息を吐くと無駄に張りきって部屋を出て行くチェックからあまり離れてしまわないように早足で後を追う。その行動は王の護衛としてなのか、ナイトラ個人としての行動なのかはわからないが。

 二人が出て行ったのを見送ってからクジュが大きく欠伸を漏らす。出来ればもう少し緊張感というものを持ってほしい。


「お前は消さなくてもいいのか?」


 欠伸の名残がある中でクジュがそんな質問をぶつける。当然ウォルではなく、シーナへだ。いきなり呼ばれたシーナは両肩を震わせ、恐怖の張りついた瞳でクジュを見た。それもそうだろう。なんの前振りもなくクジュの声を聞いていつでも、例え表面上とは言え平然としていられるのはウォルくらいのものだ。


「何を、ですか?」


 恐怖を宿しながらもシーナはそう問いを返す。それが本気なのかはぐらかそうとしているのかは定かではないが続きはウォルが引き受けることにした。クジュの聞きたいことはなんとなくわかる。


「シーナさんはチェックさんが好きですよね? その思いは消さなくてもいいんですか?」


 シーナが逃げる隙を与えないように言葉を選んでそう問えば彼女は口許を引き攣らせた。笑おうとして失敗したらしい。ここは作り笑いが下手な人が多いようだ。


「消すなって言われてるんです」


 クジュの顔色を窺いながらシーナがそう言ったと同時にクジュの眉間に深い皺が何本も刻まれた。それから勢いよく立ちあがってどこかへ行こうとするのでその腕を掴んで引きとめる。非難するように睨まれたが気付かない振りをして腕を放すことはない。クジュは何度か腕を振ってウォルの手を振り払おうと試みたが徐々にその力が強くなっていくのがわかって諦めたようだ。溜息と共に乱暴にソファーに座り直す。それを見届けてからクジュの腕を掴んでいた手を放す。それからシーナへと向き直った。


「それはチェックさんにですか?」

「ええ」

「それはどうして?」


 チェックの意図が読めずに酷かもしれないがシーナに続きを促す。クジュは理解したからこそ憤っているのだろうが説明してくれる気はなさそうだ。それならばシーナに聞くしかない。


「私達がここにいられるのは私と王が交際しているからなんです」


 確かに不自然さを覚えたことがないわけではなかった。これだけ広い土地なのにここに住んでいるのはチェック、ナイトラ、シーナの三人だけだと言う。王様なんていうものに今まで会ったことがないのでその程度が普通かはわからないのだが三人だけで暮らすというのは明らかに違和感があった。


「ナイトラだけならまだ王の騎士ですから近くにいることは出来ると思うんです。でもそれでも騎士は一人だけではないですから今ほどずっと一緒にいられるわけではないんです。ナイトラが専属の騎士になっているのも私と王との交際があるという前提での贔屓ですから」


 声が震えてしまわないように。そんなことを考えているのかシーナの声はあからさまに強張っていて不自然さを醸し出していた。本人は気付かれたくないことだと思うので指摘することはせず、更に問う。


「チェックさんはシーナさんの気持ちは知ってたんですか?」

「はっきりと聞いたことはありませんでしたけど知っていると思います」

「そうですか……」


 それだけ聞けばチェックはとても酷い人間だと思う。先程本人も自嘲していたが彼はシーナの好意と立場を知った上でそれを利用した。更には弟であるナイトラもそれに目を瞑った。姉を少しでも裕福な環境に置きたかったのか、チェックと共に過ごす時間を手放したくなかったのか、それとももっと別の理由があるのか。何にせよ弁解の余地はないだろう。


「ひどい人達ですよね」


 ウォルが絶句したのを見てシーナは大して感情の込められていない声で言う。同意を求めているわけでないらしくウォルの反応を見るよりも早く続けた。


「それでも私は二人が好きなんです。それぞれ意味は違うんですけどね。馬鹿でしょう? 自分でもわかってるんですよ」


 シーナは、どれほど辛かったのだろう。好きな人と弟が交際を始めて、それを隠すために表面的にではあるけれど好きな人と交際することになって。嬉しくないはずがない。悲しくないはずがない。いっそ嫌いになれればそれだけ楽なのだろう。でも彼女はそれが出来なかった。もしかしたらしようとも思わなかったのかもしれない。そんな彼女を叱咤してやりたい反面労いの言葉をかけたくもなる。どっちにするべきか。ウォルの判断が下されるよりも早くクジュが長々とした溜息を吐いた。


「これは慈善事業じゃない。金とお前のお人好しさに免じて依頼は受けてやるがな」


 いつの間に料金交渉などしていたのだろうか。旅の費用はこうして依頼を受けることで作り出しているので依頼を無下にすることが出来なかったのだろう。だがクジュのことだ。不愉快だという理由だけで依頼を蹴った可能性だってある。それをしなかったのはシーナの想いを知っていたからだろう。


「クジュはどこまでわかってたんですか?」


 クジュは答えない。あまり無駄なことは話したくないのだろう。それを話そうと話すまいと今後の展開には一切関係しない。


「ありがとうございます」


 クジュの言葉をどう受け取ったのかシーナは深々と一礼する。それからは誰もが黙り込んだ。特に話すこともないので沈黙が訪れるのは当然だろう。手紙が書き終わるまでさほど時間はかからないと思うのでこの沈黙に身を任せることにした。

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