すべての始まり-01
俺の名は日向陽介、とある事件をきっかけに異世界に転移し、お前には力がないと捨てられながらも、圧倒的な努力により最強に成長し、世界を救って地球へと帰還した高校2年生だ!......みたいな妄想を毎日しているぽっちゃりオタクだ。
趣味はアニメ鑑賞やライトノベル、最近は日頃の妄想を小説にしてみたりもしている。
まあ、文才がないので文章にできず、出来上がったのは痛い自伝だったけどな。
現在高校2年生で、近所の公立に通っている。
俺は冴えないぽっちゃりなので、当然クラスカースト下位に位置している。
だが、俺は自分より底辺とつるむ気はないので、クラスのオタクグループには所属せず、孤高の一匹狼を貫いている。(本当は避けられているだけ)
自分の中では勿論俺がカーストトップだけどな。
「ふぅひひ、ここで俺の必殺スキルが炸裂して.....」
この日も退屈な授業を乗り越えるため、いつも通り妄想をしながらブツブツと喋っていた。
俺の最近のマイブームは、異世界転移して真の力が覚醒、異世界で無双しまくる、みたいな設定だ。
リアルでは頭も悪けりゃ運動神経もないし、顔も悪けりゃなんの特別な力もないからな、妄想の中でくらいそんなご都合的な存在で居たいのさ。
てか、よく考えたらさ、小説とかの主人公は元々イケメンだったり、簡単に強くなれて、なおかつ可愛いヒロインが惚れてくれたり、色々とずるいよなぁ...やっぱ主人公補正ってのは偉大だよな。
俺はどんなに筋トレしても何故か痩せれないし、(3日坊主なんだから痩せるわけない)どんなに勉強しても何故か頭は良くならないし、(机に座って勉強した気になってるだけで何もしてないんだから当たり前)何故か毎日陽キャに絡まれるせいで学校生活はまったく楽しくないし、(陽キャはボッチでいるオタクに善意で話しかけているだけ、そこに悪気はない)なんなら好きな子は陽キャに取られるしさぁ...(元々陽キャと付き合ってたから取られた訳では無い)
「あーあ、俺も異世界とかに行ければ主人公になれるのになぁ」
俺がボソリとそんなことを口にしたとき、突然頭に声が響いた。
『努力もろくにしない人間がなれるわけないだろう』
「ついに幻聴まで聞こえてきた...」
しかもネガティブなこと言うなよ...どうせなら励ましてくれ。
お前ならできる!とかさぁ...
『お前が異世界に言ったところで何もできないだろう』
「......行ったことないのに分かんないだろ」
『なら行ってみるか?』
「そりゃ行きてぇよ」
『そこまで言うなら行かせてやるよ、お前みたいなクズが何を成すのか見ものだな?』
「はぁ、妄想も大概にしろよな、俺」
遂に妄想と会話する日が来るとは思ってもいなかった。
だが神の声に導かれて、みたいな感じでいいな、この設定は覚えておこう。
そんな事を考えていると、また幻聴が聞こえてきた。
『精々楽しませてくれよ?』
それが聞こえた直後、俺は急に耐え難い眠気に襲われた。
暗闇に意識が落ちていく中、俺は最後にこんな声を聞いた気がする。
『お前が望んだことだ、後悔するなよ....』




