第88話 WHO本部 ジュネーブに行く 2019.11
国連から帰って、すぐに、リリィのスマホにアンサ事務総長から連絡があった。
リリィ
「WHOのアポが取れたらしいわ。WHOの本部は、スイスのジュネーブにあるのよ」
リリィ一行は、ニューヨークの拠点から、スイスのジュネーブにあるコンビニボーソンの駐車場に転移した。AIロボットの傍にいた店長が驚いた顔で出迎えてくれた。
店長
「人用の転移陣は初めてです。しかも、冒険者ギルド株式会社の経営陣の方々が来られるとは何事でしょう。」
リリィ
「ごめんね。店長、急いで、WHOの本部に行きたかったのよ」
店長
「ああ、なるほど、そういうことですか。分かりました。WHOの本部までタクシーを手配します」
リリィ率いるパーティは、4台のタクシーでWHOの本部に向かった。
WHO本部への訪問
巨大な建物を目の当たりにし、マモルは感嘆の声を漏らす。
「これが世界保健機関WHOの本部か...すごいな。」
リリィは受付に向かい、迅速に担当者との面会を取り付けた。
「私は、リリィです。国連のアンサ事務総長から、アポを取ってもらいました。」
担当者は驚きを隠せない様子だ。電話で確認して、
「事務局長がお会いになります。ご案内します。」
応接室に通されて
「リリィです。事務局長、はじめまして」
ドロイ事務局長
「事務局長のドロイです。お噂は知っています。いろいろ活躍されているようですね。国連のアンサ事務総長から連絡が来ておりました。ニューヨークにいらっしゃると聞いていたのですが。」
リリィ
「そうです。ニューヨークから転移魔法で来ました。」
ドロイは驚いた顔で
「魔法ですか。、、、」
リリィ
「実は、情報源はあかせませんが、かなりの確率で、この冬に新型ウイルスによるパンデミックが発生する可能性があります。今の段階で、パンデミックを予防するための、措置を講じておきたいと思います。」
ドロイ
「パンデミックですか。発生する前に分かるというのも、変ですが、魔法を使うということを信じるならば、予言も無視できませんね。しかし、発生前にする準備しては、マニュアルに従うまでですね。」
リリィ
「なるほど、マニュアルがあるのですね。それは素晴らしい。今、見せていただいてもいいですか。」
ドロイ
「こちらになります。どうぞ、差し上げます。」
素早く、ジャックとコモンが内容を速読する。
ジャック
「もし、新型ウイルスの感染が確認されたら、どう行動するかの訓練のようなことをWHOから世界に呼びかけることは可能ですか?」
ドロイ
「訓練?」
ジャック
「そうです。火事を防ぐための、防火訓練のようなものです。パンデミックを防ぎましょうというキャンペーンを世界に呼びかけるようなことです。」
ドロイ
「なるほど、前例はありませんが呼びかけることは可能ですね。ただし、訓練には多額の資金が必要です。前例のないことに予算を使うのは難しいですね。」
リリィ
「予算的なことはこの件について全額支援しますよ。新型ウイルス発生の初期対応に有効な訓練をぜひお願いしたい。」
ドロイ
「アンサ事務総長も全面的に協力するようにとの連絡がありましたので、そういうことであれば、検討します。」
リリィ
「はい、お願いします。訓練をすることで、パンデミック予防に何が不足していることが分かると思います。例えば、初期対応の不足や、パンデミック予防に積極性がない国はどこかが分かると思います。」
ドロイ
「なるほど、それでは、訓練の計画書ができしだい、ご連絡します。」
リリィ
「冬までに実行できるように、ぜひお願いします」
リリィ
「それから、このAIロボットを駐車場の隅にでも置かせてもらってもいいかしら、そうすれば、今度は、もっと、早くこちらに来られるので。」
ドロイ
「雨ざらしでも大丈夫ですか?」
ジャック
「小さな箱に、このAIロボットを入れておきます。」
ドライ
「了解です。どうぞ、警備と守衛に連携しておきます。」
駐車場に転移魔法陣を置いて、ニューヨークの拠点にリリィ達一行は、転移した。
残ったお掃除用AIロボットは、転移魔法陣をマジックバッグにしまってから、小さな箱の中に自分の家だというように入っていった。(うれしそうに?)
・・・・・
マモル「ええと、国連に行って、巨大隕石群だの新型ウイルスの話をして、スイスに行って、帰ってきた。半日も立っていない。なんというスピードだろう。めまいがする」
リリィが振り返りながら話してきた。
「マモル、何か考え事?」
「え? ちょっと頭が混乱してて。」
「確かに普通じゃ考えられないよね。でも、私たちは君を頼りにしてるの。地球人の視点で問題を見てくれることが、助けになるのよ。」
「うん、僕が気が付いたことがあれば言うよ。頑張ってみるよ。」 俺は少し照れながら答えた。
拠点に戻ると、みんなでいつものように夕食を取ることにした。リビングルームには、料理がテーブルいっぱいに並んでいた。菱紅商社からいつものように転送されていた。
ギルスが魔法で温風を送り温めてくれた。
リリィさんはお気に入りのビールを飲んでいる。ガルドさんは日本酒が最近気に入っているようだ。ジャックさんは赤ワインだ。マモルはフォークを手に取りながら感心した。
マーガレットはニコニコしながら肉を頬張っている。「これ、美味しい!
食事がおわり、ガルドさんがいう。
「今日はいろんなところに行って、疲れたな、ジャグジーでリラックスしよう。」
「それいいね!」マモルはすぐに賛成した。
ジャグジーでのひととき
温かい泡が心地よく体を包む中、マモルは深く息をついた。
「はあ、最高だな。なんか、こういう瞬間があると冒険者の生活も悪くないって思えるよ。」
リリィは肩まで湯に浸かり笑った。「休むときはしっかり休むのも大事よね。」
マーガレットは耳をぴょこんと動かしながら湯気を楽しんでいる。「泡ってなんだか楽しいニャ。」
ジャックとコモンは、目をつぶって、無言で温まっている。
マモルはギターを手に取って、ちょっと勇ましい曲を奏でた。




