第82話 オーストラリアのブッシュファイア防止 その3 2019.10
翌早朝、RFS長が起きてくると、既にニューサウスウェールズ州の森林火災は全て鎮火していた。テレビニュースでは「降り続いた雨が幸いして鎮火した」と地元アナウンサーが嬉しそうに報道していた。
RFS長「えっ、みんな鎮火している。信じられない。凄い!えっ?」
リリィ「この州の森林火災は一部くすぶっている所もありますが、ほぼ鎮火したので、私たちはヴィクトリア州の方に行きます。なお、念のため、AIゴーレムを置いておくので、再度、火災が発生しましたら、AIゴーレムに指示して下さい。雨雲を移動させて消火します」
RFS長「えっ、えっ?」
リリィ「それでは、失礼します。できれば、ヴィクトリア州のRFSに連絡しておいてください。」
RFS長「りょ、了解した。ありがとう」と、半分放心状態でリリィさんを見ていた。
そして、雨雲ダンジョンの5%はニューサウスウェールズ州に残し、95%の雨雲ダンジョンをヴィクトリア州に向かわせ、リリィさん一行は、ヴィクトリア州の州都メルボルンに転移した。
もちろん、オーストラリアの首相を通じて、ヴィクトリア州の州首相に連絡してもらったのはいうまでもない。
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そこで、カーネギー州首相に会うと、
「首相からニューサウスウェールズ州の森林火災は、君たちが魔法で鎮火した聞いている。本当に?」
リリィ「いえ、私たちは助力しただけです。こちらのRFSの組織に編入したいのですが、お願いします。」
政府スタッフがRFSの拠点に案内してくれた。
RFS長「ニューサウスウェールズ州のRFS長から連絡があった。歓迎する。彼が言うには、君たちにモニターで火災個所をみせるだけで、雨雲を操作して消火していくとか。信じられないことを言っていた。」
リリィ「そうですね。概ね。そのとおりです。早速、森林火災の場所を教えてください。」
RFS長「ここから、このように広がっている。風向きはこの方向だ。」
リリィ「コモン、雨雲を向かわせて」
コモン「了解。」
リリィ「水源がなくて困っている消防隊はいますか?」
RFS長「この部隊と、ここと、ここだ。」
リリィ「ガルド、コンテナゴーレムを持って行って水を溢れさせて。」
ガルド「了解!」ガルドが転移していった。
リリィ「住宅街に近い個所はありますか。」
RFS長「少し、離れているが、こことここだ。」
リリィ「コモン、ここにも雨雲を向かわせて」
その後も状況が変わる毎に雨雲が移動して消火していく。
ジャック「AIゴーレムをここに置いて、雨雲ダンジョンを火元に向かうように指示させよう。」
リリィ「そうね。そうしましょう。」
消防隊に水源のコンテナ水源を設置して、ガルドさんが帰ってきた。
リリィ「現地で、動物たちを救うわよ。」
リリィ達一行は、火災現場に転移した。
リリィ「コモン、森林ダンジョンの用意をして。ガルド転移魔法陣を付けた黄金虫ゴーレムを飛ばして、動物を確保しましょう。」
半日が経過して、日が暮れるころ、ヴィクトリア州の森林火災は9割が鎮火していた。リリィ達一行は、RFS本部に帰還していた。
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リリィ「首相、ニューサウスウェールズ州、ヴィクトリア州の森林火災は、もうすぐ鎮火できる見通しです。他の州の森林火災の場所を地図で教えて下さい。雨雲ダンジョンを向かわせます。」
リリィさんは、スマホで送られてきた地図を見ながら、
「コモン、ガルド、こちらの場所に雨雲ダンジョンの3割を向かわせて、水源は近くに確保してね。」
コモン、ガルド「「了解」」二人は転移していった。
翌日には、オーストラリアの全ての森林火災の場所は鎮火した。
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【オーストラリア首都、キャンベラ 首相公邸】
リリィたちは転移魔法を使い、オーストラリアのキャンベラの首相公邸の駐車場に転移した。ハドソン首相と会談する。
首相「リリィさん、大変お世話になりました。ありがとうございました。」
リリィ「首相、再度、火災が発生しないように、降水雨量の少ない、乾燥している地域に雨を降らせておきます。その場所を示してください。」
首相「流石だ。もう次の手を打つんですね。」
やがて、補佐官が降水雨量の少ない、乾燥している地域を地図に示した。
リリィ「かなり、広い地域が残っていますね。」
コモン「この地域全てに雨雲ダンジョンの雨を降らせるには、おそらく1カ月はかかるだろう。」
リリィ「いいのよ。火災は消えたわ。ゆっくり、雨を降らせましょう。」
コモン「了解」見えないタッチパネルで操作し始めた。
リリィ「今後のことも考えて、雨雲ダンジョンを常駐させて、必要な雨量を降らせましょう。」
首相「それは、ありがたい。オーストラリアには雨不足の地域は多いですから。」
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オーストラリア全土の炎がついに鎮火したその日、キャンベラの広大な公園は希望と歓喜に満ちた祝賀会の会場となった。快晴の青空の下、市民たちが一堂に会し、温かな笑顔と感謝の声が響いていた。
その中、壇上に登ったハドソン首相は、大スクリーンに映し出された映像を背に、力強い声で挨拶を始めた。
「本日、我々は歴史的な勝利を迎えました。オーストラリア全土を襲った大火災が、皆さんの努力と最先端技術により完全に鎮火いたしました。・・・・・、本日を新たな出発の日として、未来へと歩んでいきましょう。」
会場中央には長いテーブルが並び、オーストラリアの恵みをふんだんに活かした料理が次々と振る舞われた。炭火で香ばしく焼かれたカンガルー肉のステーキや、地元で獲れた新鮮なシーフード、さらには伝統的なパブロバと手作りケーキが美しく盛り付けられ、芳醇なワインと共に来場者たちは乾杯を楽しんだ。
ガルド:「これは美味いな!炭火で香ばしく焼かれたカンガルー肉のステーキ!最高だ!」
マーガレット:「ニャア~!伝統的なパブロバもあるニャ!これは私の分だニャ!」
ジャック:「マーガレットは、いつも通りだな。食べすぎると動けなくなるぞ。」
政府の代表も訪れ、リリィたちへ感謝の言葉を述べる。
首相:「リリィさん、皆さん、本当にありがとうございました。あなたたちのおかげで、多くの人々が家を失わずに済みました。」
リリィ:「今回の作戦は、皆さんの協力があってこそ成功したのです。これからも一緒に、災害に備えていきましょう。」
祝賀会は温かな笑い声と共に、続いた。豪華な料理の香りと、陽気なリズムの中、リリィたち仲間は、これまでの奮闘が報われたことを実感し、祝福の夜を楽しんだ。
その夜、首相、補佐官、SP達、政府スタッフ達にリリィさんの回復魔法が与えられたのはいうまでもない。皆、幸せそうな顔をしていた。
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翌日、国連本部に、リリィ達一行は転移して、アンサ事務総長に作戦の詳細を一つ一つ丁寧に報告した。
リリィ「今回の作戦は、多くの人々の協力があってこその成果です。現地の消防士や市民、そして国際的な支援ネットワークの力を結集し、困難な状況を乗り越えることができました。」
アンサ「大変ご苦労様でした。」と礼をいった。
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マモルは、パーティのSNS専用チャンネルに今回のオーストラリアの森林火災の消防活動の様子の動画アップした、爆発的に視聴回数を伸ばしているのを見ていた。




