第79話 傭兵ホイホイ作戦 1年後 2020.8
一年後、ロシアのある町、武器屋の所
銀行家「すごい、繁盛しているようですね」
武器屋「これは、銀行家のだんな、ようこそです。今回はこんなに貯まりました」
そういって、武器屋は、箱いっぱいに詰まった小金貨を見せた
銀行家「じゃあ、数えるよ」
箱ごと量りにかけて、小金貨の重さをはかり、金相場の金の値に応じて、現金で支払う。
「金額は、この額だよ。ロシア・ルーブルでいいかい?」
「いや、できればアメリカドルでお願いしたい」
「おや、いつもと違うね」
「ああ、アメリカドルで海外の不動産を買っておこうと思ってね」
「流石は、大商人だね」
そう言って、銀行家はスマホを操作すると、武器屋のスマホが「ポロン」と鳴った。
アメリカドルで、銀行に入金されたという知らせだ。武器屋が金額を確認して頷いた。
銀行家は、「じゃあ、また、」といって、帰ろうとしたが、引き返してきて、
「なんで、ダンジョンの方にも、店を出さないんだい」と聞いた。
武器屋は、
「おれは、誰も信用できないんだよ。向こうに店を出して、任せられる者がいないんだから、仕方ないだろ。」と銀行家に言った。
「ああ、なるほど、それじゃあ、アメリカの方で売っているAIロボットって知っているかい。」
「ああ、ニュースになってたな。ロボットって、信用できるのか?」
「もちろんだよ。西側諸国では、コンビニはもちろん、あらゆる業種で、AIロボットが働いているよ。疲れたってさぼらねえし、決して裏切らない。人間よりも信頼がおけるよ。俺たち銀行家も、使ってるよ」
「ええっ、本当かい?俺にも買えるかな」
「もちろんさ」、そういって、AIロボットの販売店を紹介してくれた。
武器屋は、急いで、AIロボットの販売店にスマホで連絡した。
1週間後、武器屋の元に「綺麗な女性型AIロボット」が大きな箱に丁寧に梱包されて届いた。マニュアルをみながら、なんとか起動すると、AIロボットが動き始めた。
いろいろ仕事を教えるとテキパキと働き始めた。
「すげぇ、ちょっと教えると、手際よく、働くな。動力源はこの電池パックだけか。こんな小さな電池パックで、1年間働くってのは凄いな」と武器屋は、大満足だった。
「よし、そうとなったら」武器屋の目が欲に光った。
それから、数か月経ったころ、ダンジョンの町の中に、武器屋の店がオープンした。やがて、洞窟からいける町の全てに武器屋の店がどんどん増えていった。
そして、武器屋はダンジョン内で一番大きな町、王都に出店したときに、ようやく気が付いた。王都では、いたるところに、店ができていて、もちろん、他の武器屋の店もあって繁盛していた。美味しい食堂はもちろん、豪華な宿、学校や病院もあった。
そして、顔見知りの傭兵に出会うと、奥さんと子供をよんで、こちらで暮らしているという。ジャングルで魔獣を狩ることで、金を稼ぎ暮らしている。子供は、こちらの町で学校にかよっているという。先生は優秀で地球の学問を熱心に教えてくれるらしい。
「なんてことだ。知らねぇのは、俺だけか」武器屋は言った。
・・・・・・
リリィが言う。
「今、町は20個所にあって。ダンジョンで暮らしている傭兵は1万人を超えたわ。わずか1年でロシアの傭兵会社は完全に人手不足ね。もう、ロシアは紛争している場合じゃないわね」
コモン
「なんだか、ほったらかしでも、町がどんどん大きくなっていくな」
ジャック
「いいじゃないか。このダンジョンは人族がいない。魔獣しか生息していないんだから、平和さ」
ガルト
「おぅ、傭兵たちの家族って、普通の家族だよな」
マモル
「そうですね。戦うすべしか知らないから、傭兵になっているんです。戦って金を稼いで家族と暮らす。それが彼らの普通なんですね」
リリィ
「でも、町の住人がほとんどAIロボットで、歳をとらないって、気が付いたら、どうなるかしら」
コモン
「まあ、そうなっても、異世界だから長寿ってことで通そう。いろんな違和感が出ても全部、異世界だからの理由で通そう」
リリィ
「まあ、大成功ね。ジャック、この方法って、紛争地域の解決方法として、勇者マニュアル本を作って、勇者ギルドに提出しよう。ニーズがあるかもしれないわよ」
ジャック
「なるほど、でも、AIゴーレムも込みの作戦だから、AIゴーレムの作り方も勇者マニュアル本にして、さらに、エネルギーとして人工魔石も使っているから、3つのマニュアル本を提出しないといけないね」
リリィ
「そうね。むしろ、AIゴーレムや人工魔石の方がニーズがあるかもしれないわね。3冊のマニュアル本を提出しましょう」
マーガレット
「マニュアル本が役立てば、勇者ギルドから、貢献ポイントが送られるかもしれないから、楽しみだニャ」
リリィ、ジャック、ガルド、コモン
「「「「まったくだ」」」」
そういって、1年間にわたる「傭兵ホイホイ」の作戦は大成功で完了した。
今でも、武器屋の紹介で、洞窟の地図が売れていて、傭兵がどんどん、ダンジョンの住人になっていく。




