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第71話 核融合発電の受注の喧噪 続き 2019.9

リリィは、冒険者ギルド株式会社の全ての拠点に、防御体制を強化するように指示をだした。


リリィとパーティ一行は、すぐにシンガポールの冒険者ギルド株式会社のビルに転移した。


ドローン自爆攻撃の被害により負傷者が発生し、医務室は慌ただしい空気に包まれていた。そこにリリィが到着すると、スタッフたちは一斉に頭を下げた。

「リリィ様、来てくださりありがとうございます。」


菱紅商社の田中が神妙な顔で挨拶する。「大ケガを負った者が数名います。一刻も早い回復が必要です」


リリィは頷き、医務室の奥へ進む。「案内してください。できる限り早く手当てを始めましょう」


負傷者たちの状態

医務室のベッドには、深い傷を負った社員が横たわっていた。彼らの顔には痛みの色が浮かび、医療スタッフが懸命に応急処置を施していたが、状況は芳しくない。


「この方は、ドローンの破片で腹部を裂かれています。内臓損傷があり、出血もひどいです」医療スタッフがリリィに説明する。


別のスタッフが続けた。「こちらの方は、腕をほぼ失いかけています。骨も粉砕されていて、」


その言葉にリリィは短く息を吸った。「大丈夫です。皆さん、少し下がってください」


回復魔法の光景

リリィは負傷者のそばに座り、手を傷口の上にかざした。静かに目を閉じると、彼女の手から淡い金色の光が溢れ出した。光が負傷者を包み込むと、彼らの表情が次第に和らぎ始めた。


「すごい、!痛みが消えていく、」腹部を負傷した男性が弱々しい声でつぶやく。


光が消える頃には、傷は跡形もなく消え、肌は元の状態に戻っていた。男性は信じられないような表情で自分の体を見下ろした。


「これは、本当に治ったのか?」


リリィは優しく微笑んだ。「ええ。もう動いても大丈夫ですよ。ただし、無理はしないでくださいね。失った血はもどっていないので」


他の負傷者の治療

リリィは次に腕を負傷した男性のもとへ向かった。彼の腕は重傷だったが、リリィが手をかざすと、光が骨を再構築し、皮膚が滑らかに覆われていった。


「信じられない、まるで奇跡だ!」治療を受けた男性が涙を浮かべながら呟く。


医療スタッフも驚きを隠せなかった。「リリィ様、医学では到底考えられない回復速度です。しかも傷跡すら残らないとは」


負傷者全員が回復すると、医務室は安堵の空気に包まれた。田中がリリィに深々と頭を下げた。

「リリィ様、本当にありがとうございます」


リリィは穏やかに答えた。「私の魔法は人を癒すためにあります。回復魔法は得意なんです。でも、この情報は広めないでね。情報が広まると、毎日、病人の回復だけで手一杯になりますから」


「なるほど、それはそうですね」田中と医療スタッフはうなずいた


・・・・・・・・・


静かになったビルの一室では、リリィが真剣な表情で対策を練っていた。彼女の目の前には、クロシャが座っている。


「リーダー、結界が破られたとなると、ただの反対勢力の仕業ではないでしょう」クロシャが鋭い視線でリリィに問いかける。


リリィは頷きながら、机に広げられたドローン攻撃の映像資料を指差した。

「そうね。普通の技術では、この結界を突破するのは不可能よね。おそらく闇一族よね」


クロシャは腕を組みながら考え込む。「闇一族が、既得権益を守ろうとする勢力と手を組んだ可能性が高いですね」


「そうでしょうね。その意思を伝えるための攻撃かもしれないわね」リリィの声にはわずかな怒りが混じっていた。


リリィはクロシャの目をじっと見つめた。「クロシャ、敵を探ってほしい」リリィは真剣な口調で続ける。「この攻撃を指揮している者、闇一族の関与の証拠、それらを突き止める必要があるわ」


「了解した。しかし、もっと、闇一族に接近して探ってみます」クロシャがうなずく。


リリィは少し表情を和らげ、「もちろん、全ての闇一族を敵と見ているわけではなけれど、必要なら断固たる措置を取らなければならない」


クロシャは立ち上がり、「では、私がまず闇一族の一部のものに接触してみます。彼らの中には、中立的な立場を保っている者もいるのです。その協力を得られれば、調査が進むでしょう」


リリィは微笑みながら頷いた。「頼りにしているわ、クロシャ。でも、くれぐれも慎重に」


クロシャはリリィの言葉に真剣な表情で応えた。「分かっています」


クロシャは静かに頷き、「調査には少し時間をいただきますが、必ず背後にいる者を突き止めます」クロシャが部屋を出ていくと、リリィは静かに呟いた。


・・・・・


「さて、結界の魔法陣を改良して、もっと強力にしないとダメね」リリィがジャックを振り返りながら言う。


「ジャック、私が従来の結界を10倍強化した多重結界を展開するので、その魔法を分析して魔法陣化するようにして」と、ジャックに頼んだ。


「リリィの多重結界は複雑で、魔法陣化しても起動には大きな魔石が必要なので、以前は実現が難しかったげれど、今は、人工魔石の製造ができるので、容量の大きな魔石も作ることができる。今なら、多重結界の魔法陣化も可能と思うよ」とジャックが答えた。


そして、「今から、取り掛かろう」とジャックがいうと、


「では、展開するわよ」とリリィは多重結界の魔法を起動した。


「これが、今までの結界を10倍重ねたものよ」と輝く結界の中から言った。


「これに、さらに、ガルドの転移魔法陣を周りに重ねるのが、効果的と思うわ」とリリィは続けた。


「なるほど、転移魔法陣も加えることで、敵の攻撃を捕獲しつつ、転移陣の防御にもれた敵を多重結界で防げば、防御として今までの何十倍も強くなるということか。」ジャックが納得したようだ。


「数日で作ってみせるよ」とジャックが笑顔で答えた。


リリィは、闇一族の脅威を感じながら、これからも戦いが続くのだと思った。


「さて、ニューヨークの研究所に帰って、ジャグジーでもはいりましょう」とリリィは気分を切り替えて、転移した。

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