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第40話 幻の素材を入手、闇の敵を追う     2018.12

ニューヨーク研究所の会議室では、ホワイトボードに描かれた核融合プラントの設計図を前に、リリィたちが静かに集まっていた。そこには『極短時間で高出力のレーザー光線を生成する素材』という赤字の文字が強調されていた。


「現在の地球技術では、要求される熱と出力に耐えることができない」

ジャックが資料をめくりながら説明を始める。


「異世界素材しかないってことだニャ」

マーガレットがしっぽを揺らしながら呟く。


「異世界のルビーフィッシュ。その額のルビーが答えかもしれない」

ギルスが自信満々に言い切る。


リリィは静かにうなずき、転移の準備を命じた。こうして『虹色の風』のメンバーたちは、異世界の海へと旅立った。


青く深い海に沈む惑星。コンテナゴーレムに結界をかけて深海へと沈める。底には緑の光を好むルビーフィッシュを引き寄せるため、点滅する魔法陣を設置していた。


「来たわ!」

リリィが声を上げた。


巨大な魚がコンテナ内で跳ねている。額に燦然と輝くルビー。リリィの結界がそれを封じ、マーガレットがお花畑魔法で動きを緩め、ガルドが転移魔法で引き寄せる。


「バラの毒が効いたニャ。これで動きが止まるニャ」

マーガレットが満足そうに頷いた。


1週間で採取したルビーは200個以上。コンテナゴーレムには待機命令が与えられ、次の捕獲に備えた。


・・・・・・

次なる目標は『2億度に耐える容器』。その鍵となるのが、火炎ドラゴンの鱗である。


炎とマグマの星。赤く染まった空に黒煙が立ち昇る。ドローンゴーレムが滑空し、火炎ドラゴンの姿を探して飛び回っていた。


「火山地帯に集中して探索を行う。発見を知らせるように設定してある」

ジャックが冷静に指示を出す。


数時間後、巨大な影がマグマから現れる。ドラゴンの咆哮が響き渡り、リリィがすかさず結界を展開。マーガレットが香り立つ魔法で注意を逸らす。ドローンゴーレム達はその動きに紛れて洞窟へ潜入し、剥がれた鱗を採取する。


「脱皮した鱗だ。傷もなく、最高の素材だな」

ガルドが唸るように言う。


鱗は魔法素材としても知られており、錬金窯の高温にも耐える。この素材を容器の内壁に応用すれば、核融合の超高温にも耐えられるはずだ。


「慎重に運ぶニャ。生態系にも配慮ニャ」

マーガレットが空を見上げた。


鱗を運ぶ土ゴーレムが山を越えて帰還する。リリィは静かに呟いた。


「これで、一歩前進したわね。次の工程。ジャック、準備お願い」


「まかせてくれ。すぐに試作装置の設計に入る」

ジャックはすぐにノートを広げた。


・・・・・・

ニューヨーク、研究所地下施設。 祝賀会の余韻がまだ空気に漂う中、リリィはホログラム地図の前に立ち、冷たい目で次の計画を睨んでいた。ギルスは実験炉の構造を投影し、ジャックは温度制御と出力の最終計算に集中している。


だが、穏やかな時は長く続かなかった。


クロシャが影のように現れ、言葉少なに報告した。


「敵は再び動き始めた。拠点周辺に奇妙な魔素の揺らぎがある。今度は正面から来るつもりだ。」


リリィは結界魔法陣に手を翳し、静かに言った。


「なら、迎え撃つわ。今度こそ、奴らを根絶やしにする」


◆月面作戦と地上防衛の同時展開


月面では、クロシャの認識阻害魔法が張られた拠点が完成し、100体のコンテナゴーレムが自律稼働していた。三重水素の採取は順調に進み、ニューヨークの研究所に次々とボンベが転送されていた。


地上では、敵の傭兵部隊が研究所周辺に姿を現す。ガルドが叫んだ。


「ドローンゴーレム、全展開!敵を追い払う!」


即座に数百体の飛行型ゴーレムが旋回し、周囲の制空権を確保。魔法陣砲台が配置され、魔力弾の光がニューヨークの夜空を切り裂く。


深夜、闇一族が召喚した黒犬のアンデッドが群れをなして出現。リリィが結界を展開し、マーガレットが『お花畑魔法』で敵の視界を奪う。


「バラの棘が痛いニャ!」と、マーガレットが笑いながら叫ぶ中、ジャックが防衛用の魔導シールドを再展開した。


ガルドが設置した罠、地下隔離棟への転送魔法陣が起動し、敵のアンデッドは自動的に隔離される。そのうちのいくつかは自爆攻撃や毒ガスを試みたが、すべて結界と土ゴーレムによって制圧された。


◆クロシャの逆襲、敵拠点を急襲せよ


撤退する敵部隊に紛れたクロシャは、影魔法で敵の拠点に潜入。数時間後、彼は研究所に戻り、地図をテーブルに広げた。


「拠点はここだ。奴らの召喚陣も未完成。今なら叩ける」


リリィが立ち上がる。


「それなら、包囲結界で抑え込む」


即座に、転送陣が起動。リリィ、ジャック、マーガレット、ガルド、クロシャが突入。


リリィの包囲結界が敵拠点を封じ、マーガレットの魔法で空間を眠りの花で満たす。バラの蔦が伸び、敵を根こそぎ拘束した。


ガルドが吠えるように言った。


「これで逃げ場はない!根こそぎ連れて帰る!」


クロシャは敵の書類を押収し、傭兵たちから尋問を始めた。敵の構造、資金源の情報も得られた。


◆核融合発電プラントへの布石


研究所では、ギルスが素材を分析しながら、嬉しそうに言った。


「これで必要な素材はすべて揃った。1か月後には、1億度のプラズマを容器に閉じ込めてみせる」


ジャックが表示板をタップしながら続けた。

「ルビーフィッシュのルビーはレーザー光源に、火炎ドラゴンの鱗は容器素材に、月面三重水素は燃料に。すべて揃った」


リリィは壁際のディスプレイに目を向け、深く息を吸い込んだ。


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