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第32話 国連 国際警察組織 創設 2018.9

国連本部ニューヨークにて、全会一致ではないながらも、常任理事国の承認により、リリィの提案した国際警察組織の創設が正式に可決された。


「国連『国際警察組織』創設承認――希望する国で活動開始へ」

主要な国際ニュースネットワークが一斉にこの見出しを報じ、瞬く間に世界中に広まった。


会議場でリリィが放った言葉が、各国の報道番組を通じて繰り返し放送され、人々の記憶に深く刻まれていった。


「私たちの力は、人々を守り、未来を切り開くためにある」

その言葉とともに、リリィが議場の中央で堂々と語る姿が、録画映像を通して各国の市民に届けられた。


「私たちは、紛争や貧困、災害によって失われる命を救うために、国際警察組織を提案しました。この組織は武力ではなく、平和的な解決を目指します」


「各国の自治を尊重しながらも、希望する国々と連携して活動することで、より安全な世界を実現します」


SNSやメディアを中心に、この国連決議は多大な反響を呼び、世界中で賛否両論が飛び交う事態となった。


・・・・・・・・・ 


【世界の声】

発展途上国の指導者たちは希望をにじませて語った。


「国際警察組織の創設は、我々のような紛争地域にとって福音です。外部からの中立的な支援があれば、長年の対立を解消する可能性があります」


災害に苦しむ地域の住民も声を上げる。

「異常気象や地震のたびに困難を強いられてきました。治安の安定は、災害後の混乱を抑える力になります」


平和活動家は希望を込めて語った。

「武力に頼らない警察組織は、国連のPKOに代わる新たな平和維持の形になるはずです」


しかし、すべてが肯定的な意見ばかりではなかった。

一部の政府関係者は懸念を口にした。

「この組織が各国の主権を侵害する恐れがある。たとえ希望国のみを対象としても、影響力の拡大は避けられないのではないか」


独裁体制を敷く国家の代表も反発をあらわにした。

「周辺国の警察組織が軍隊に化けることもある。我々にとって脅威以外の何物でもない。彼らが本当に中立でいられるのか?」


一部のSNSでは、根拠のない陰謀論が拡散された。

「異世界人の狙いは世界征服だ。『平和』を名目に支配しようとしている」


・・・・・・・・・


【世界各地での議論】

このニュースは瞬く間に世界各国で議論を巻き起こした。


アメリカでは、都市部を中心に賛同の声が多かった。

「リリィの発言には理想がある。正しい方向性だ」


一方、地方では懐疑的な声も根強かった。

「異世界人なんて信用できない。国防に関わらせるべきではない」


ヨーロッパではおおむね歓迎ムードだった。ドイツやフランスではニュース番組がリリィを称賛し、議会でも「人道的観点からも評価すべき」という意見が出た。


一方で、イギリスでは一部の経済メディアが懸念を表明した。

「国際警察組織が経済活動や市場の自由に干渉する可能性がある」


アフリカでは、多くの途上国がこの動きを歓迎した。

「国際警察組織が、我々のような治安維持のリソースが不足している国にとって、大きな助けになる」


中国・ロシアは一貫して慎重な姿勢を崩さなかった。


国営メディアは「この動きは西側諸国による圧力だ」と警鐘を鳴らし、外交チャンネルを通じて慎重な対応を求めた。

 

中東地域では、評価が分かれた。内戦中の国では「中立的な介入が必要だ」との声が上がる一方、「外部勢力の介入は新たな火種になる」と警戒する声もあった。


・・・・・・・・・

ニューヨーク拠点


夕暮れの光が大きな窓から差し込み、リビングに設置された大型モニターでは、国際ニュースが繰り返し放送されていた。


世界中のテレビ局が報じているのは、国連における国際警察組織の創設承認と、それを提案したリリィの演説だった。 


「世界中がこんなに盛り上がるなんて、すごいことだよね」

マモルが感嘆の声を漏らす。


「信頼を得るには時間がかかるさ。だが、まずは結果を出すことだ。具体的な成功例を積み重ねれば、反対意見も減るはずだ」

ジャックがソファに肘をかけ、真剣な表情で言った。


「その通りよ。私たちは、治安維持の成功で世界に答えを示すわ」

リリィがうなずきながら、リモコンを置いた。


「でもニャ、SNSの批判が気になるニャ。『世界征服』とか言ってる人たち、どこからそんな発想がくるのニャ?」

マーガレットがしっぽを揺らしながら、ソファに身を沈める。


「批判があるのは当然だよ。でも、私たちは正しいと信じて進むしかないわ。真実は、行動で示すの」

リリィの声には、迷いがなかった。

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