表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/151

第25話 ホー博士 異世界で宇宙を研究する  2018.8

ホー博士

「リリィさん、私の一生のテーマは“宇宙の真理”を解き明かすことです。しかし、リリィさんと知り合って、思ったことは、地球とはまったく異なる物理法則や宇宙構造が存在している可能性です。そこで、マルチバース、つまり多元宇宙について深く研究したいのです」


ホー博士の眼差しは鋭く、研究者としての情熱があふれていた。彼の言葉を聞きながら、リリィは静かに微笑み、軽く顎に手を添えて考え込んだ。

「博士の探究心は素晴らしいですね。私たちの勇者ギルドの星には、古代からの膨大な知識が保管されている図書館や博物館があります。その中には、宇宙の謎に関する貴重な記録もきっと眠っているはずです。博士がそこで研究を進めるのはどうでしょう?」


ホー博士は目を見開き、その提案に感動した表情を見せた。

「それは素晴らしいアイデアです!異世界の知識に直接触れることができるなんて、まさに私が夢見ていた環境です。」


「なら決まりですね。パーティの拠点には、コモンの分身体が常駐しているので、博士の生活を支えることができますよ。」リリィはそう言いながら軽く笑顔を見せた。


◆勇者ギルド星への移住

数日後、ホー博士はリリィと共に、勇者ギルドの星を訪れた。


そこは、青空と緑が広がる穏やかな世界だった。自然の中に魔法の文明が調和し、静かながらも活気ある空気が漂っていた。


博士たちが案内されたのは、都市部にある館。庭には果樹と泉があり、研究と生活の拠点にふさわしい場所だった。


玄関で迎えたのは、コモンの分身体。

「博士、ここが『虹色の風』の拠点です。必要なものはすべて整っています。研究に集中できるよう、私がサポートします。」


博士は軽く頭を下げた。

「感謝します。素晴らしい環境です。」


リリィが前に出て、淡々と説明した。

「博士、この世界では、魔法を使える身体でなければ不便です。そこで、『魔法賦与装置』という神器を使います。以前の細胞活性装置と似たものです。」


リリィは小さな卵型の魔導具を取り出し、博士の下腹部に押し当てた。光がわずかに漏れ、装置は博士の体に吸い込まれるように消えた。


「これで、数日後には基本的な魔法が使えるようになります。異世界の環境にも適応できるはずです」


博士は静かに頷いた。

「ありがとうございます。これで研究が始められますね」


その言葉に、リリィも小さくうなずいた。

「期待しています、博士。」

こうして、異世界の星に、科学者の新たな一歩が刻まれた。


記憶の泉との出会い

拠点に荷を解き終えると、リリィは博士を勇者ギルドの図書館へ案内した。その図書館は、都市部に存在しており、外観は巨大な樹木の形をしていた。枝と葉が空を覆っている。リリィが木の表面に手を当てて呪文を唱えると、幹が割れるようにして扉が現れ、中へと入ることができた。


「この図書館では、『記憶の泉』という特殊な魔法が知識を保管しています。博士が探したい情報は、泉に触れながら呪文を唱えると引き出せます。」


図書館の中央には、透き通った水がたたえられた泉が静かに輝いていた。その水面には時折、小さな波紋が広がり、まるで意識を持っているかのようだった。


博士は慎重に泉の前に立ち、リリィの教えた呪文を唱えた。すると、水面に青白い光が浮かび上がり、かつて存在した惑星や文明、さらには宇宙の崩壊の瞬間を映し出した。


「これは、信じられない!この泉は、ただの記録媒体ではない。まるで宇宙そのものがこの場所にあるように感じる!」


博士の目は興奮で輝いていた。


博物館の広大な倉庫

続いて、博士はリリィとともに博物館を訪れた。博物館は星の北部に位置し、外見は巨大な石造りの倉庫のようだった。内部に足を踏み入れると、そこは無限に広がる空間で、様々な宇宙から収集されたサンプルが展示されていた。


「この場所では、あらゆる星や文明の痕跡を見ることができます。展示されているものは、時を止めた状態で保存されているため、劣化の心配はありません。」


リリィの言葉に博士は息を呑んだ。目の前には、異なる大気を持つ惑星の鉱石や、絶滅した生物の骨格標本、さらには見たこともない太古からある魔道具が並んでいた。神器のサンプルもあるが、盗難防止の措置を厳重に講じている。


「鑑定で分析することも可能です。ただし、触れてサンプルを傷つけないように注意してくださいね。」


博士は慎重に手を伸ばし、魔法を使って簡単な鑑定を試みた。魔法陣が輝き、サンプルの由来や成分が浮かび上がる。


「これほどの規模で異世界の知識に触れられるとは、感無量です」


勇者ギルドのギルド長との対面

最後に、リリィはホー博士を勇者ギルドのギルド長に紹介した。ギルド長は竜種の血を引く存在で、とても長命であり、計り知れない知恵を持っている。


「ホー博士、あなたのような探究心を持つ者がこの世界に興味を持ってくれるのは喜ばしい限りです。何か困ったことがあれば、いつでも私を頼ってください」


ギルド長の言葉に、博士は深く感謝の意を表した。「ありがとうございます。私は必ず、宇宙の真理と謎を解き明かしてみせます」


ホー博士の異世界での研究生活が幕を開けた。宇宙の真理と謎を解き明かすという彼の夢は、ここで実現するだろう。なにせ、100年の健康寿命があるし。寂しくなったら、ニューヨークの拠点に少し戻ってもいいのだ。


リリィは、ホー博士を勇者ギルドの星の拠点に用意したホー博士の部屋に案内してから、リリィはニューヨークの拠点に転移して戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ