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17.絶対に面倒なことになるよね。




「やあ、アレク。久しいね。魔力を使い果たして寝入ってしまうなんて、まだまだ未熟だね。魔力を分け与えたことでもう気づいたと思うけど、僕が君の本当の父親なんだ。愛しいティアをあのクソ国王から奪うためにお前、国王になって、くだらん慣習をぶち壊してくれる?あ、別にお前ができないなら、僕が王国を乗っ取ってもいいんだけど、ティアがそれだけは駄目って可愛く言うからさー、我慢してるっていうか」



「……はい?」



「僕はティアを愛しているし、ティアも僕を愛している。それなら、やっぱり二人は結ばれる運命なんだよ。色々王族の義務ってやつが面倒で病弱なふりして治療と称して隣国に行ってる間にクソ親父の策略でティアがあのクソ兄貴の嫁になるとか、本当、王都を爆破したくなるよね。この領地に閉じ込められて出して貰えないし。ティアは不当な目に遭うし。本気でこの国終わらせようかな。ティアが言うから我慢してるけど、もういいよね?」




王弟殿下の言葉にアレクシス殿下は目を丸くして呆然としていた。



「もう、殿下、おやめくださいっ。わたくしは王妃です。この国を守るべき立場にあるのですよ。それを先ほどから不穏なことばかり……」



「困っているティアも可愛いね。でももう、アレクが成人まで待ったんだし、約束果たしたし、いいよね。ティア、お願い、クソ国王ぶっとばして、早く僕に嫁いできて。僕の愛を一生をかけて君に教えてあげたいんだ。ティア、愛しているよ」


「っ!!!!!」



真っ赤になる王妃様と、愛を囁く王弟殿下。本当の両親のこんな姿を間近に見て、アレクシス殿下はどう思っているのだろうか。



「残念ですが、私は王位継承権を放棄します。王位は兄上に継いでもらうので、兄上に頼んでください。私は、兄上を支えながらノルンと生きて行ければそれでいい」


「えっ!?」


平然と言い放ったアレクシス殿下につい声を上げてしまった。

それって、プロポーズではっ……!?

い、いや、深い意味はない……はず。



「やっと両想いになったんです。ノルンがまた身分とか不相応だとか、色々悩み出す前に俺はノルンを捕まえたい。王位なんて邪魔なだけです!」


「ええええええええ!?」



まさかの、アレクシス殿下は王弟殿下と同じような思考回路!?

違う、違うと思いたいっ。



「ってことで、兄上。頼みますよ」


「なら仕方ないか。愛は大切にしなくてはねっ!エドワルド。お前、王位継いで、どうにかしろ。今回のことで僕に借りができただろう?お前なら小賢しいから上手くやるだろう」



二人に迫らせたエド様は観念したように息を吐いた。



「まったく……俺は気楽に冒険者としてやっている方が向いてるのに……」


「いいえ、兄上は王の器です。お支えしますよ、兄上!」


「っ……仕方ない……のか……?」



弟に弱いエド様は、結局は折れてしまったようだ。



「アレクが成人したのだから、僕も王都へ戻るよ。クソ国王と話もしたいからね。ティアとももう離れたくないし」


「ああっ、もう離れて!ねえ、この人を置いていけないの!?騒動になる未来しか見えないのだけどっ」


「辛辣なティアも美しく可愛らしいね。大丈夫。障害は全部消してあげるよ」



王弟殿下が今まで水面下でしか動いていなかったのは、アレクシス殿下が成人して、自ら会いに来るまでは大人しくしていると王妃様と昔約束したかららしい。


不本意な形で約束が果たされてしまった今、王妃様は絶望的な表情で王弟殿下と対峙していた。



うん。

絶対に面倒なことになるよね。


でも、歪になってしまった関係が少しずつ変化してきている。


きっと、王妃様も、王弟殿下も。

側妃様も国王陛下も。


みんなが上手くいく未来もあるはず。



『ノルン、王都戻る?』


「チョコ、お願いっ」



こうして、私たちは王都へ戻ることになった。






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