バトル オブ Cコード
前書きとかないから。
欲しいと思ったとき、それを買うことを決めているのだと何かに書いていた。
その通りだと思う。
何せ私は今、その波打つような杢目とそれに掛けられた値段を何度も見比べているのだから。
キルトメイプルと言うらしい。
スペックは……。ボディーがバスウッドでネックはメイプル。パーフェロー等々。
読んでもわからいのだが。
とりあえず、ギターはネックの長さが648センチでフレットの数が24個で弦の数が6本の物がオーソドックスだということがわかったのでその条件で調べてみた。
私はキルトメイプルを条件に検索した。キルトメイプルキルトメイプル。
それともう一つ。フレットはジャンボフレットというものが良いらしい。だが、これはあらためて調べる必要はなかった。私が目を付けていたギターはそのジャンボフレットのモデルだったからだ。
これにしよう!
私はそのままの勢いで決済を済ませた。後はギターが届くのを待つだけだ。だが、ギターが届くまで数日かかるので私はギターの弾き方を調べることにした。ギターが届いたらすぐに練習に取りかかれるように。
時間は有効に使わなきゃなのだ。
ギター初心者で検索。すぐに出てきた。初心者にオススメのギターやらコードやら専門店やら。いっぱい。どれから見るか迷ってしまう。
私は時間が許す限りネットの海でギターを眺めた。そしてそうしているうちにコレが届いた。
キルトメイプルにオレンジのグラデーションが施されたカッコカワイイ私のギターちゃんだ。
私はギターちゃんが入っていたダンボールをほったらかして冷たい弦に指を乗せた。
そしてCコードとの戦いが始まった。
――続かない。
あとがきとか、そんな高尚な事できません。