後追いテレビ
煎餅を齧り乍ら考えた。停滞さんと衰退くんは何処迄近付けるだろう。人は間の子でも欲する位に近付けようと必死だから、私も少し考えた。
「あいつにも聞かんとなぁ……今日はあいつらも来てるみたいだしなぁ……」
お茶を啜り乍ら考えた。どれだけの戦火なら人を滅ぼせるだろう。戦争は人を殺しはしないと思いつつも、皆必死に蔑むから、流石に哀れで私も少し考えた。
「ああイカミさん、こんな所で休まれてたんですか。探しましたよぉ。……もう皆集まってますから、イカミさんも来てください」
「はぁ……(ばりっぱりっ)……悪かったよ。今行くよ」
「ええ、そうですか、では」
「や今の溜め息はお茶への溜め息だから……悪く思わんでくれ」
「気にしてませんから。イカミさんは私より皆さんを気にかけてください」
「だから悪かったって」
橇に滑ってあっという間。
「もう始めちゃってましたか」
「あっいや、まだ全然だから。……ってイカミさんは?」
「ここ」
「あっイカミさん……まだ全然ですから。始めてませんから」
「いいよ私は私の方で始めてたから」
「……そうですか」
孤独な彼を気にかけつつも、話はより残酷な方へ。
「あれ……なんだったかな、言葉が出て来ないんだけど……ほらあれ」
「俺も出て来ないけど、あれだろ?分かるよ。……あ、えっと、あれですよ、あっちのハセベみたいな男、ほら前に話してた、あいつが誰か連れてこっち歩いてたでしょ?薄らとだけど。そんな……感覚を言いたかっんですよ。……きっと」
「さっすがカヤネさん、その通り!……あ、でその彼なんですが……ハセベさんも見てたでしょう?あれどう思いました?」
「えっ私?……私は書記のそのまた補佐ですよ?何を思ったかなんて……」
「書記でも補佐でも思いはするでしょう」
「そりゃそうですけど……(ちらっ)……そうですね、人の事なんてほっとけばいいのに、って思っちゃいました」
「あははそれはまた……」
こいつらはまた夢と嘘との差を忘れている。
我には嘘も吐けんだろう。
「ここには仕事で来たんだろう?遅れた私に言わせるなよ」