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橘咲記  作者: 猫主
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元服

遅くなってほんっっっとうに申し訳ない

見切り発車から話をつなげることがいかに難しいか…


つぎはもっと早めにあげます‥‥

永禄元年(弘治4年)3月 京 薄家屋敷


元服、これを現代を生きる皆が聞けばどういう想像をするだろうか。


成人式のようなものを想像するだろうか…


確かに元服とは、すなわち成人としての立場を示すものであり、元服を行えば親族からの庇護を受けることはなくなる。


しかしながら元服は成人を示すと同時に、神前にて自らの氏神に自らの受けた名を示し、一門へのお披露目という側面があることを忘れてはならないだろう。


当然ながらこのような儀式には格やしきたりといったものが存在する。


例えば元服の際、武士は月代を作る。


時代劇でよく見る真ん中に肌が見えているアレである。


この月代、兜をかぶる際に楽な様に始まったとされているが、これは公家でもするのだろうか。


当然しない、公家というのは支配階級であることを自負すると同時に、陰陽道などに基づいて穢れなどを受けることを極端に嫌がる。


つまるところ自らの身を守るため、もしくはどうにもならなくなった時以外では甲冑など着ないし、刀剣の類を自ら扱うなどもってのほかなのだ。


と同時に公家の元服にも、しきたりは存在する。


元服が加冠という別名があるように、公家社会において公式・非公式を問わず、男は冠をかぶらなければならなかった。


この冠だが、公家の家の格によってかぶる冠が異なる。


堂上家では冠を、それ以下の家格では烏帽子をかぶることになる。


武家は公家として認められている一部を除き、当然ながら烏帽子である。


まあ最近ではそもそも烏帽子なぞかぶっていないところが大半であるが…


ともかくとしてこの堂上家とはどういった家を指すのだろうか。


御所の清涼殿南廂にある殿上間と呼ばれる部屋に昇殿する資格を世襲した家柄、もしくは公卿になれる家柄のことを指す。


昇殿には公卿と呼ばれる参議以上の議政官、または蔵人や侍従など天皇自身からの勅許、いわゆるお許しを頂いた人間のみが立ち入ることが可能だったのだ。


家柄は1代にしてならず、3代ほど昇殿かなってようやく新興の堂上家として認められるのである。


さて薄家における元服だが、義兄である以継は冠をかぶった。


今は無き父も蔵人として昇殿の許しを貰っていたし、祖父の以緒は参議であったため昇殿できていた。


よって以継は冠をかぶったし、元服と同じくして六位蔵人となり昇殿の許しを得たため薄家は久しく失っていた堂上家の家格を手に入れたのである。


で、あるならば、堂上家の子の元服として冠をかぶれるものとおもっていたが…


「‥‥権大夫」


「‥‥は」


「これが私のかぶる冠だとおもうか」


「それ以外に冠がないためそうであろうと思われますが」


「‥‥何に、見える」


「烏帽子、ですな」


「…まあ烏帽子であることはさておいてだ、なぜ冠をかぶせる烏帽子親がおらぬ」


「殿は当主たる蔵人殿から嫌われておりますゆえ、烏帽子親なぞしたくなかったのでは?」


「で、あるか…」


目の前にうやうやしくおかれた烏帽子と紙に自分の名乗ることになる名が書かれているのみである。


当然ながら家臣として出席した櫛田権大夫と自分以外には出席者もいなければ当然のごとく祝いの品も無い。


「で、如何なる名を名乗るので?」


「正元だ、楠木氏の通字である正をもって楠木正元、楠木兵衛尉正元と名乗る」


「おぉ、良き名かと」


「権大夫、官位を頂けず、烏帽子をかぶり、薄家の通字を名乗れぬなら、武家として元服せねばなるまい」


「となりますと」


「うむ、月代を剃ってくれい」


「はっ」


さて、武士として元服したならば、所領がいる。


自らの武を担保とし、またその武によって保たれる力の源泉ともいえる所領が…


貯めていた45貫にもなる銭は自らの武具に使ってしまった。


まあ大楠公たる楠木正成の佩刀であった小竜景光が叩き売られていたのは、いささか目を疑った。


朝敵の佩刀であったし偽物も多数に出回ったようであるから仕方ないのではとも思う。


佩刀としての刀も手に入ったし、鎧は屋敷の奥にしまわれていた大鎧があった。


兜が紛失していて、鎧櫃も漆が剥げ、腐っていたのは目をつむっているが…


主武器にすることにした長巻も屋敷の奥から出てきたものである。


所領を如何にして手に入れるか…手勢はわずかに2人だが…


「もうし、楠木殿はご在宅であろうか!」

さて、誰が訪ねてきたでしょう




まじでつぎの話どうしよう

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