ダンジョンマスターを助ける
ダンジョンの中でリリアはフェンリル達と討伐しながら進んでいく。
『もうすぐダンジョンコアです』
先行しているアルガが言う。ダンジョンコアまでの道中は、前回とは打って変わってリリアに襲いかかる魔獣ばかりだ。フェンリル達はリリアを庇いながら一生懸命戦っている。神獣だけあってダンジョンの魔獣に遅れをとることはない。
ダンジョンコアの部屋の前ではダンジョンマスターが魔獣達と戦っていた。
「ダンジョンマスター!」
「リリア嬢!すまぬ!ダンジョンコアを守り切れなかった!」
ダンジョンマスターは悔しそうに言う。これだけの魔獣が襲ってきたら仕方がないかもしれない。
「この数を1人では無理ですよ。むしろダンジョンマスターが無事で良かったですよ」
「ははは!心配してくれたか!ありがたい!」
ダンジョンコアにはアルガが行った。コアを襲った人間は既に捕縛されていて、ダンジョンマスターは彼らの事も守っていた。騎士の格好をしている。スパイがいたのか。ダンジョンマスターもそれに気が付き、証人は生かしておかなければいけないという判断を下した様だ。
「奴らはうちのアルガが守ります!私はダンジョン内を一掃します!ですからマスター!」
「うむ!コアの暴走を止めてこよう!しばし頼む!」
ダンジョンマスターはダンジョンコアの方に走って行った。リリアは襲ってくる魔獣を【ウィンドカッター】で切り刻んでいく。しかしコアの暴走が止まらなければ増え続ける。コアの暴走が止まれば……!
「……よし!止まった!リリア殿!後は討伐のみである!」
「ありがとうございます!では出口に向かって行きましょうか!アルガ!そいつら頼むね!」
『御意』
「さて……久しぶりに滾るな……!」
ダンジョンマスターは鬼のような笑顔で魔獣達に突っ込んで行った。自身が風であるかの如く流れる様に、一切の無駄がない動きで魔獣達は切り刻まれてゆく。まるで付け入る隙がない。
「……これ、私いる?」
『まあ、魔法で支援ですかね……』
「それさえ邪魔になりそう」
『……ですね』
リリアは苦笑いをして、身体強化でダンジョンマスターの後を追った。相変わらず魔獣が多い。しかし、確実に減っている。もう少し……もう少し……
「もうすぐ出口である!」
ダンジョンマスターがそう言った時、外から声が聞こえた。
「はぁっ!」
「リリア!……と、誰だ?」
「な!初代殿!?」
ダンジョンの入口まで来ていた先生達。そしてダンジョンマスターを見たトウヤ先生は驚き、そして膝をついた。
「まさか初代殿がダンジョンマスターであらせられたとは……!」
「うむ、トウヤ殿。息災のようだな。リリア嬢から話は聞いていた。某の教えを守り日々鍛錬を積んでおるとな」
「はっ。ありがたき幸せ」
「これから某はダンジョンの均衡を整えねばならぬ。森の方も大丈夫そうだな。リリア嬢、助太刀感謝する」
「いえ。こちらこそ、警備を言い出したのはこちらなのにこんな事になって……。にも関わらず、実行犯を捕縛して保護までしてくださってありがとうございました」
側には捕縛済みの騎士の格好をした人間を背負ったアルガ。ライオネルも色々と察したらしい。リリアと一緒に頭を下げている。
「何。この位はダンジョンマスターとして当然のこと。起きてしまった事を責めても始まらぬ。後のことは頼む。では、息災でな」
「……飲みすぎ注意でお願いしますね」
「……心得ておく」
ダンジョンマスターは苦笑してダンジョンに戻って行った。
「初代殿は相変わらず酒好きの様だな」
「ええ。しかもどれだけ飲んでも体を壊さないので……」
「うむ。拍車がかかるのか」
「ですね」
「……リリア、ひとついいか?」
トウヤ先生との会話に割って入ったライオネル先生。その表情は深刻だった。
「バルトが重症だ。うちのフィンでも厳しいらしい」
「……救護室に?」
「ああ、運び込まれた」
「直ぐに行きます!」
リリアは急いで走って行った。
ダンジョンマスター、大暴れでありました。
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