救出
先生達がアルガと共に走ってくる。
「メイベル!」
「先生!村なんてちゃちなもんやないで!ゴブリンの国や!」
レオンに襲いかかろうとしたゴブリンを魔法でぶっ飛ばしてメイベルは言う。
「リリアとバルトは!?」
「ゴブリンロードかゴブリンナイトがいるかもって突っ込んで行っちまった!」
「はぁ!?」
主の危機と思ったか、アルガはゴブリンの真っ只中に突っ込んで行った。
「司令塔潰して統率を乱すんだろうけどね!」
「なんて危険な……!レオン!気を付けろよ!」
そう言ってライオネル先生は黒い炎をいくつか飛ばした。着弾した炎でゴブリン達がまとめて吹き飛ぶ。
「うわっと!」
「先生のアホ!危ないやろ!」
「お前らなら大丈夫だ。忠告もしただろ」
「何でやねん!」
メイベルは慌ててレオンの前に結界を貼る。意外と苛烈な先生だ。
「ふっ!レオン殿!助太刀させて頂くぞ!」
「トウヤ先生!」
どう見ても侍にしか見えない剣術指導のトウヤ先生はレオンの横でバッサバッサとゴブリンを倒していく。他の先生たちも槍や弓で援護している。
「助かります!」
「1人でよく前線を守ったな!」
「魔法の援護がありますからね!」
「魔法だけではない!半分以上は剣で倒していると見える!流石はSクラスだ!」
「ありがとうございます!」
前線の剣士を支援するために魔法使い達は支援魔法を放ち続ける。
「お前達!魔力は大丈夫か!?」
「リリアと鍛えたさかい!こないな事で切れたりせーへん!」
「支援魔法も教えてもらったからな!」
「流石だな!あとはリリアとバルトの無事を祈るだけだな!」
すると前線から声が聞こえた。
「ゴブリンの統率が乱れ始めたぞ!」
「リーダーが倒されたのかもしれない!一気に行くぞ!」
「「「おお!」」」
確かにゴブリン達が慌てているようだ。一陣の風が吹く。白銀の狼がメイベル達の元に飛んできた。背中にはバルトと意識のないリリア、顔色の悪いドミニクとレオールは別のフェンリルに乗っていた。
「リリア!」
「ゴブリンキングがいた!ゴブリンナイトとゴブリンロードと一緒に討伐はしてきた!リリアを連れて小屋まで戻る!確かポーションもあったはずだ!先生!レオールが腕を切断しています!ゴブリンにやられた様です!」
「なっ!」
「止血のために回復魔法をリリアがかけました。でも再生仕切ることは流石にできず、リリアは昏睡状態です。殿下はご無事ですので、あとはお願いします!」
バルトはそう言って、アルガと小屋の方まで飛んで行った。
「メイベル!フィアン!あとは先生達でいける!レオンも交代だ!リリアを介護してこい!」
「はい!」
メイベル達はライオネル先生の指示に従い小屋に戻って行った。
少し短めですが。昔の日本でも武士の小指を切り落とすという刑罰があったと思いますが、剣士にとって手の怪我は命を失うのと同じくらい大きなダメージなのではないかと思います。
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