第5話:新入りと女の子
部室に入った。今日はかえでと一緒にハンドボール部を休んだ。
副業の生物部は久々だった。
俺、竹地優は新入部員のことを昼休憩の時トリから聞いたのだ。
いじめがいのあるびちくそ野郎ならいいのに・・・
そんなことを思っていた。
もう、数人は来ているようだった。
部長のトリ、常識のあるメキシコ、やせ形のバンダナ頭がノッキョー。
あとは完全なモブキャラ・・・・
ま、いちおう言うなら・・・ぽっちゃり釣り目のコブタ、本当に特徴のない眼鏡たなか。
どうせ、幽霊の西平と小菅は来ないだろう。
後は噂の新入り君とロリコン変態ヒロリと学年1位のセンセイとちょっとぶっとんでるミヤタクだけだ。
「意外に沢山きてるんじゃね?」
かえでが急に口を開いた。クールなやつで顔もイケてる恵まれてるやつだ。
こいつばかりはバカにしようがない俺のつれだ。
いや?俺がつれなのか?ま、そこにはあえて目をむけまい。
しばらくするとヒロリとセンセイが来て、遅れてミヤタクが一人で来た。
遅いな・・・新入り。
「おいトリ。だれかその新入り知らねえの?」
イヤホンからウーバが漏れてる。聞こえてないし、聞く気もないか。
ノッキョーが動く。
「俺に任せろ。」
『会話!』
唱える。【囁いてくれる】ようだ。
ノッキョーが目をあける。
クァ〜
あくびの後にゆっくりイヤホンをとってぼやいた。
「知ってる。もう来るんじゃね?ヤルことがあるんだってよ。」
「ヤル?・・・・。こと?」
殺しか・・・?トリは時々意味深なことを生きた目で呟く。
無邪気にそして密かになにかを秘めたその目は蛇の目のようで不気味だ。
例えるなら無意識の殺意・・・・そんな感じだ。
呼吸は乱さない。動揺しない。
そんなことは慣れっこだ。
音楽を途中で中断したからカンに障ったか?
ドアが横に開く。剣道具をもったやせ形の男の子が入ってきた。
え?さっき俺は慣れっこって言ったけどこんかいばかりは無理だ。
へへ?
だってよ・・・・そいつの後ろに女の子がついて入ってきたんだぜ!?