34/43
34:思いて
燃え盛る紅蓮の炎。
だた黙って、こちらを見つめる蘭丸。
「これで良い」
既にこの海に囲まれた地に敵は無い。
先の見えた戦に興味は無い。
海を渡るには時が無い。
正に潮時である。
全て欲しい者にくれてやる。
もっと駆け抜けたいという思いが頭を過ぎる。
フンッ、とひとつ笑い、取り囲む炎共を見る。
「これで良い」
言葉と共に紅蓮の炎に包まれる。
ゴウ、ゴウと燃え盛る炎。
全てを焼き尽くす紅蓮の炎。
炎の中、その御首を胸に抱く蘭丸。
なれば、その未練、私がいただきまする。
燃え盛る紅蓮の炎。
だた黙って、こちらを見つめる蘭丸。
「これで良い」
既にこの海に囲まれた地に敵は無い。
先の見えた戦に興味は無い。
海を渡るには時が無い。
正に潮時である。
全て欲しい者にくれてやる。
もっと駆け抜けたいという思いが頭を過ぎる。
フンッ、とひとつ笑い、取り囲む炎共を見る。
「これで良い」
言葉と共に紅蓮の炎に包まれる。
ゴウ、ゴウと燃え盛る炎。
全てを焼き尽くす紅蓮の炎。
炎の中、その御首を胸に抱く蘭丸。
なれば、その未練、私がいただきまする。