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聴覚障害者の日常  交換日記編

作者: ぷかぷか

 1ヶ月ほど前からSNSを再開し、沢山の書きこみに埋もれた日々をおくるうちに、久しぶりに学生時代の事を思い出した。

 アタシの学生時代にはスマホはおろかパソコンもなかった。ファックスもなかった。今からすると本当に無い無いづくしだ。だけれども、目の前の相手に伝える手段はいつでも持っていたように思う。伝えるだけでなく、相手の事を知りたいといつも思っていた。

 アタシはずっと聴者の学校に行っていたが、必ずやっていたことがある。交換日記だ。

 担任の先生との交換日記は皆もしたことがあると思う。先生との交換日記はとくに書き込んでいた。数少ない先生とのコミュニケーションの機会だった。

 仲のよい友達との交換日記が始まったのは中学校にあがってから。自分が聞こえない人間だということを受け入れようとしていた年ごろで、おしゃべりできない分、交換日記で書き込んでいた。

 交換日記だと、大勢と話ができないというデメリットに気付いた。交換日記は他の人に見せることができない。それならと、誰でもみてよいようなノートをつくった。みてもらうために創作小説を書きはじめて絵も書き込んだ。そうすると、友達も自分で絵をかいたノートをみせてくれ、見るだけの子もまきこんで、なかなか楽しい学生生活を送れたと思う。創作小説は駄作だし、絵もそんなにうまくはなかったんだけれど、みんなを巻き込めたのは、その創作小説に友達を登場させて、かってに話をつくっていったから受けたのだと思う。

 さらに大学では、夫と出会うことになるのだが、これもまた一枚の紙の上で絵を描いたり、筆談したり、いわば簡易交換日記みたいなものだと私は思うのだけれど、これが縁でお付き合いがはじまり、後々、結婚することになるとは思わなかっただろう。

 交換日記、いいと思いませんか?SNSも使い方を間違えなければ楽しく過ごせるいい交換日記になるはず。貶めたり傷つけたりする事をかくのではなく、知ってほしいことわかってほしいこと、感謝したいこと、謝りたいこと、面と向かって言いづらいことをかいてお互いの仲を高めていくいい使い方にしてほしい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 交換日記とか文通とか、『文字媒体』であることは今のメールやSNSと同じかもしれませんが、その伝達速度が全く違うんですよね。 相手からの返事を期待と不安で待つあの心情は、今の情報化社会ではもう…
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