幸せになりたい!
私こと、アゲハ・フィールド16歳が生まれた村は、世界最果てにあった。
外の人が来ることなんて、ほぼないに等しい、私が幼い頃に命辛々やってきて、帰ることができずに結局定住してしまった。
高い山々に阻まれ、山の中腹にポツンとある村で、一つしかない。
死のダンジョンと言われる洞窟があり、挑んで帰ってきたものはいない
魔物などは住んでいないのだが、とにかく入り組んでいて、とっても長い。一度入ると迷ってしまい出れなくなるのだ。命辛々にやってきた、冒険者などに話をきくと、最初は、挑む人が大勢いたらしいが、入ったら誰ももどってこないから、立ち入り禁止になったらしい。
それでも、命知らずなものが挑むことがあるとかないと。
「おい、アゲハいい加減ぼっとしないで仕事しろよ」
この村で唯一私と歳が近くって幼馴染である、タクトが私に怒ってくる
髪は黒で目の色も黒くって全体的に地味な印象を感じ得ないが前世の記憶を持ってる私が見てもイケメンだと思えるぐらい顔は整っていたい。
それにくらべて、私は平凡だった、お父さんやお母さんもすごい美形なのに、私はすごっく平凡だった、変わってるっていったら、髪の色と目の色ぐらいかな、父母を含めほぼ黒色なのに、私だけがなぜか、髪は白銀で目も含めて真っ白だったのだ。
生まれた時は、取り換えっこ(チェンジリング)と言われたものだ。
私だけ、なぜこんな異様な姿なのに、平凡かというと、前世の記憶がものを言うのだが、村のみんなが、美形しかいないのだ。右を向いても左を向いてもキラキラ輝いて見えるぐらいみんな美形なのだ。
そんなこんなんで、私の美的センスが狂ってしまったという訳だ。
「タクトは、うるさいなー、魔力がない私が手伝っても一緒じゃないー、それどころか力もないから、畑を耕すのも無理だしー、母さんの手伝いしてたら、竈が爆発したり、機織り機が勝手に壊れて追い出されるし、やれることないだもん」
「お前ついに・・・そこまで・・・って、お前は、一応この村の巫女なんだから巫女の仕事しろよ」
「ばあさまが、朝いたのにお昼から行方不明なんだもん」
「たく、しょうがねえなー」
「それにさ、魔力がない私がばあさまみたいな巫女なんて無理だよー」
「んなこと言ったてよ、まぁちょっくら長老様を探してくるかな」
「いってらっしゃいー」
私が適当な返事で答えていると、彼が一瞬で姿を消した。
まぁ慣れっこになってるが最初は驚いたものだ、この村の人は私以外みんな平然とやってみせる、のんびりしてる母でさえいきなり音なく消えたりするのだ
一度どうやってるのかきいたら、テレポテーションの魔法らしいけど、魔力がない私は使えないから、なんともまー羨ましい限りだ。
「さて、戻ってくる前に逃げちゃおう」