旅立ち
初めて小説を書いてみました。
多々読みにくい点がありますが
文の才が無いので読みずらいかも知れませんがよろしくお願いします。
この物語は武士である幕末頃の青年が中世ヨーロッパを思わせる異世界に次元ワープしてしまい武士として異世界で日本刀一本で駆けずり回る物語である
プロローグ
そこは江戸末期 維新志士達と新撰組等が衝突し乱世をめぐる戦いが激しさを増す動乱期。
1人の青年は自分の刀を手入れしていた。
年齢は16歳当時で言えば成人している
その顔には、まだ幼さが薄く残るどちらかと言えば童顔である。
一般の村人達からみたら、まだまだ子供
普通の武士と対峙したなら武士は剣も取らずに無視するかも知れない。
それ程に童顔で武士としての迫力が足らない。
その幼さを残した青年の名前は
東 正広 (アズマ マサヒロ)
正弘は刀を見ながら考える
その手には愛刀である名も無き刀を眺める、名も無きと言うのは無銘の刀である
しかし無銘な刀ながら、その造り刃文どれをとっても非の打ち所がない刀で、その妖艶に包まれた様な刀からの光は見る物が見れば、無銘ながら相当な刀鍛冶が鍛えたのが解るほどである。
正弘の考えてる事は自分の今後の進退についてである。
刀の腕は、顔からは想像がつかない程に腕が立つ言わば外国の言葉で言うなら剣聖、日本なら天武の才に恵まれた天才である。
正弘の剣の師匠は義父である照義である
その剣術の名を天武抜刀流、名も知れ渡る事も無い一子相伝の剣術である。
正弘は歴代を通しても横に並ぶ事の無い
天才であるが、未だに免許皆伝は許されてない、その理由は優しすぎるからである、その優しさが時として自分の命を脅かす事もある、正弘は非情になりきれない言わば師匠に言わせれば腰抜け等と暴言を度々吐かれる。
つい先日も山の麓の村まで師匠の言いつけで買い出から戻る途中に野党3人組にに狙われ、返り討ちにはしたが刀は抜かずにそこら辺にあった木の切れ端でのみで退散させた。
その事を師匠に黙っていれば良いのに
ついつい口走ってしまい、またかなり叱りを受けた。
斬り捨てろとまでは言わないが
二度と人を襲ったりしないくらいには
正広なら簡単に出来たはずである
しかし正広は、そうしなかった。
正広で無ければもしかしたら殺されてたかも知れない。
その様な相手にも情をかけてしまう。
師匠の言いたい事は、こうである
その物に情をかけた事で二次被害は必ず起こる、そして罪もない旅人や村人が餌食になるのである、だからこそ殺さずは良いが二度と旅人や村人を襲えないくらいにはするべきであったと言うことである。
正広も師匠に言われて、なるほどとは考えるが、あの野党の怯えた目を見ればそれ以上はどうしても手を出せなかった。
第1章 旅立ち
正広は刀の手入れが終わると道場に足を踏み入れた。
そこには自身義父で師匠である義照が座禅を組んで瞑想していた。
師匠の前に一定の距離を保ち同じように座禅を組む。
静かな沈黙が幾分が続き師匠が目を開けるのが瞑想してるいる正広にもわかった。
師匠に合わせて自身も目を開ける師の瞑想後や道場に居る時の目は何時になっても慣れない、全てを見透かされてるのを肌と直感で感じるからだ。
元にいまだに師匠との打ち合いでは一振り足りとも真面に打ち込めた事が無い。
唯一ではあるがかすった事がある程度である、カスるはいいがその時にはすでに正広は激痛と天井を見上げてる。
師匠の目は自分が次にどういう動作を取るかが見えているように感じる、だから苦手なのだ。
案の定だが師匠が口にする。
正広、お前はここを離れ旅に出たいと考えておるな。
図星である。
だが驚かない、当たり前の様に答える
はい、師匠
もしお許し頂けるのなら、しばらく旅に出て世間と言うものをもっと知りたく思います。
まだまだ修行の身でありながら勝手な願いですが、お許し頂ければと思います。
師はすぐには口は開かず
無言である。
しばらくの沈黙の後に口を開いた
たわけ者が非情にもなりきれん腰抜けが今の動乱の時に世間に出てどうなる
命を落としに行くような物だ
剣の腕は立つが、京等の地には剣豪と呼ばれる物達がひしめき合ってる
しかもその物達には志しが強く、きさまのように非情になれない物が武士として生きては行けないと叱りつけた。
正広はぐうの音も出てこない
事実だからだ自身1番それは感じると言うかわかっている。
だからこそ、そゆ自分が世間を見て変われるかも知れないと思っだからこその旅と言う選択である。
正広は師匠に、今の気持ちを正直に打ち明けた。
師は黙り全てを聞いてもなお無言である
正広は、半分諦めと落ち込んで行くのを感じながら黙って返事を待っていた。
どれくらい経ったであろう
正広には何時間にも思えた。
師が口を開く
わかった正広、もし旅にどうしても出ると言うなら二度とここには戻れないと覚悟しなさい。
その目には何故か何時もの師匠の目ではなく悲しげな瞳が一瞬であったが見て取れた。
正広は、深く座禅を組んだまま師匠に頭を下げる一言のみ
師匠ありがとうございます。
師は黙って立ち上がると席をはずし道場から出ていった。
正広は、こうしては居られないと早々に旅の準備を整える師の気持ちが変わぬ内にとの焦りが旅支度を早める。
旅支度と言っても持って行ける物は少なく旅傘や手縫い愛刀くらいである
ここで、正広はとんでもない事を思いだすと言うか自分はバカなのかと思える様な事である。
銭が無い事に気付いた。
正広は村まで使いに行くたびに必要な分のみしか銭を貰ってなかった。
小遣いと言うものが一銭も無いのである
正広は自身をバカだアホだと責めていた。
旅に出るがどうする。
一銭も無しで宿は泊まらずとも野宿でやり過ごせばいいが食べ物だけは、どうにもならないと…そうだ!
野草やキノコ類には自信がある
それで何とか世間で言う仕事を見つけるまで何とかやり過ごそうと。
そこでまた待てよと正広は考える
仕事…仕事するはいいが自分は旅がしたいのであって仕事をしたいのではない
ではどうする?
銭も無しに旅は続けられるのか?
稼ぐには仕事するしかない
頭の中をそう言う考えが回って回って吐きそうになる、それに自分自身に腹がたつ。
なんと愚かな自分
何も考え無しで旅に出ようとしていた自分に情け無くなってきた。
銭以外の旅支度のみ整ってる
正広は考える…考える…考える
そうか!一つの所に長居はしないで
その場所その場所で旅の銭が溜まったら移動すればいいと。
事実それしかない。
旅では無く流浪の様な気もするが
世間を知る上では仕事するのも大切な勉強である。
身仕度を済ませ気分的にも前向きになった。
今すぐにでも旅立ちたい衝動にかられるが正広は師匠に挨拶はして行かなといけない。気が重い…
もしかしたら二度とは戻れない
義父とは言え、この年齢まで立派に育ててくれた。
厳しだけでは無かった。
時に優しく自分が風邪を拗らせた時に
寝ずに看病してくれた。
あの時の義父のおでこに触る手が気持ち
を楽にしてくれた。
川魚や薬草、キノコ、取り方や毒のある無し全てを教えてくれた。
厳しくもあり、優しくもあり
そして自分の本当の父親以上に思っていた。
師と仰いでは居たが心では父と呼んでいた。
意を決して師匠、いや父に出発の挨拶に行く。
正広は襖越しに声をかける。
師匠では無く父上と呼んだ。
父上…旅の支度が整いましたので
出発したいと思います。
今まで…と言いかけたとこで
父が声を返す。
中に入りなさいと
正広は深く頭を下げながら
失礼しますと襖を開けた。
父はしっかりとした目で正広を見つめて
そこに座りなさい。
正広は言われた通りに正坐して前に座った。
正広よ、旅に出る前にお前に話しておかないといけない事がある。
正広は何の話しだろうとは思ったが
黙って頷いた。
お前が、わしの養子である事は、お前も知ってるがどう言う経緯でわしがお前を養子にしたかまでは話した事はない。
お前自身もその事について一切聞かなかったからもあるが告げる場所がわからなかった。
正広は思った。
確かにそれは疑問には感じた事はあったが、それを知りたいとは何故か思わなかった。
自分の物心ついた頃から父親は義父であったし、それを聞く事で義父が困るのでは無いかと何故か子供ながらに感じて考えるのを止めていた。
父は語ろうとするが正広はそれを遮った。
自分が何処でどうやって此処に来たのかは、わかりませんが私の父は師匠だけでありますと。
それを知りたいとも思いませんと。
父は黙って頷いた。
そして和紙で出来てるであろう紙を懐から取り出し正広に渡した。
恐らく自分の出生が書かれてるであろう物である。
正広よ、それは自分自身に疑問を持った時に読みなさい。
そしてこれも渡しておこう。
目の前に巾着を置かれた。
その置かれた時にガチャンと金属が触れ合う音がした。
明らかに銭である。
正広はこれはと言う目で父親を見た
父は頷きながら
これは、お前が貯めてきたお金だ
この様な日がいつかは来るのはわかっていた。
その時のためにわしが預かっていた。
正広は目の前にある銭が何で自分の物かわからずにその巾着をとれないでいた。
何故私の物なのでしょう?
私はお金等稼いだ事はありません。
これは頂く訳にはいきません。
今まで養って頂けただけで感謝しております。
父は軽く笑みを浮かべて
これはな、お前が薬草やキノコや蒔きをとってきてそれを村まで売りに言ってた駄賃だ。
遠慮はするな、それそう応の対価だ。
細かかったんでまとめて小判に変えてある、あと幾らかは銭で残してある
大事に使いなさい。
昔自分が病気の時に見せた父の顔であった。
涙が波のように押し寄せて来た。
一人前の男が泣いてはダメだと必死に堪えるが止まらない、下を向いて片腕で涙を拭うと父に頭を下げながら
父上…ホントにありがとうございます
今まで、私は親不孝だったかも知れません、こんな私をホントの息子以上に大切にして育てあげてくれて、心から感謝しております。
勝手で旅に出て最後まで迷惑をかけてホントに申し訳ありません。
父親は笑いながら
何を言ってる、お前がわしにどれだけの希望や前向きな気持ちにさせてくれたか
お前自身はわかっていない。
もし親不孝をするなと言わせて貰えば
わしより先に絶対に死ぬな。
それだけだ。
この先幾たびの試練があるだろう
苦しいことや悲しい事どうしようも無い事がたくさんある。
だが出会いもあり幸せもある。
その一つ一つを大切にするんだ。
それでお前は成長する必ず。
さあ行くがよい正広
最後に小さい声で
何時かは必ず顔を見せろ
だった。
正広は深々と頭を下げて
必ず顔を見せに戻ります。
行って参ります。父上と巾着を大事に懐にしまい。泣くのを必死にこらえてその場を後にした。
まだ異世界にはいってませんが
次回から異世界編がはじまります。