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東方戦争記~Four persons who survive~  作者: 紅き蠍
第二章 この世界で生きるには
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第十二話 蒼き鷲の再誕

たぶんこれから投稿頻度は上がると思います。

おい………



どこからか誰かが私を呼んでいる。



おい、起きろ………



おいって、起きろよ………



まだ眠い、あと五分………



「起きろって言ってんだよゴラァァ!!」



「ピャイッ!?」



耳元で大きな音を立てられると、男性とは思えない(今の体は女性であるが)奇声をあげて上半身を素早く起こす。



「やっと起きやがった、お前を起こす俺の身にもなってくれよ、絵美里の奴……」



隣には、あの最後に見た紺のパーカーとロックな絵柄のついた白いTシャツをきた琢磨がいた。



「真って奴がみんなを呼んでる、先に外に出てるから早く着替えて出てこいよ」



そう琢磨が流すように…視線は一切こちらに向けずに…部屋を早足で出て行った。


そういえば、頬が少し赤かった気が……



そう思ってベッドから出ると、妙に肌寒かった。


視線を下に下ろすと、胸元から足指の先まで真っ白で一糸纏わぬ姿だった。



それじゃあ琢磨も急いで逃げ出すはずだわ……


そう思い、着替えの置いてある場所を探す。



部屋は十畳程で、窓は入り口の反対側に一つ。

天井から床まで真っ赤で目に悪い。


入り口から入ってすぐ右の部屋にトイレがあり、風呂は無い。左側にはクローゼットと銃を立て掛けて置くラックがある。右側は鏡が掛かっている。


窓際に机が一つあり、その上に私がここに来るときに着ていたうつほ似の服が畳まれて置いてある。



広げると、洗剤の匂いが広がる。

傍に置いてあった真っ白な下着を着てから、服に腕を通す。


……?なにやら途中でつっかえて非常に着にくい。

一度脱いで裏側を確認すると胸や背中、肩といった要所に布が裏から当てられている。



最初に着た時はそんなの感じなかったが……恐らくあの時はいつ警備兵がやって来て殺されるかわからなかったから気づかなかっただけだろう。



ふと、鏡に目を向けると、ブラジャーとパンツしか履いていない自分の姿が写る。



改めてみると、肌は真っ白で幼児体型、顔立ちは整っていて、身体が大きくなったら美人になるような物だが、目が意識せずとも細めで全体的に鋭い印象がある。

胸は本当に少ししか出ていない、大体男の時の胸筋くらいしかない。

男の時もそれ程筋肉があった訳ではなかったから、さほど変化がないように感じる。


一番変わっているのが下という、これから女性として生きていくのに、少々の変化だけで生きていけるのを喜ぶべきか、それとも今までも女性の体型と殆ど変わっていないことを残念に思うのかわからない。


首元の14の数字は消えていない、恐らく死ぬまで一生残るだろう。



……もう辞めよう、昔のことを思い出すのは、これからは

【親に押し付けられたものを拒絶した、男としてのアルマ】

ではなく、

【幻想郷に元からいた、人外として、女性としてのアルマ】として生きていこう。


そう決心し、スカートを広げると、突然何か小さいものが落ちた。



拾ってみると、メモリースティックだった、また、真がこれを置いていったのだろう。



クローゼットにかかっていた先ほどまで来ていた迷彩服(少し血がついて赤黒い)のポケットから行く前にもらったメモリースティックを取り出し、今拾ったメモリースティックと一緒に机の鍵付きの棚の中に仕舞った。



時間をかけ過ぎた、早く服を着て外に出よう。

素早くスカートを履き、靴下、革靴を履いて、扉の内側に付いていた鍵を取り、外に出た。



廊下に出ると琢磨が待っていた。


「遅かったな、行くぞ」


琢磨が先に行く、その後をゆっくりとついていく。



廊下には何人も迷彩服を着た男の兵士達が談笑している。



「Oh,sorry Takenaka」


1人の黒人男性が、手元の書類に夢中で目の前の日本人男性に気づかず、ぶつかってしまった。


「おう、気にすんな、前に気をつけろよ」



ぶつかった日本人男性は日本語で返事をした。


二人ともお互い違う言語を話していた。


軍人で、違う言語を覚えるのは案外普通のことだが、作戦を行う関係上、言語を統一するのだが……



階段を下り、一階まで降りた後、廊下の突き当たりまで移動すると、共同会議室の扉を琢磨がノックする。



「誰だ、所属と階級を」



「琢磨上等兵です」



「よし、入れ」



中では匠と絵美里、真とメリー、蓮子、 真の隣に霊夢、その後ろに紫がすわっている。

それから名前の知らない赤髪の長髪の女性の隣に魔理沙、短い黒髪の体つきの良い男性がその向かいにいて、その隣に白髪で赤い目をした少年がいた。



「やっと揃ったか、真、始めようか」



黒髪の男性が背もたれに寄りかかり真に向かって聞いた。



「そうだな、始めようか、急に朝早く呼び出して済まないな、 これから君たちの所属する部隊を説明する……その前に自己紹介からだな」



そう言うと彼は立ち上がった。



「俺は博麗真、ついさっき大尉に降格した、特殊任務部隊であるブルーイーグル隊の隊長だ、半人半妖で右腕が義手だ、まあ、幻想郷じゃあよくあることだからな、あまり気にするな、兵科はない、全部できるからな」



続いて隣の霊夢が腕を組んで話す。



「私は博麗霊夢よ、階級は少尉、チームの副隊長の一人よ、兵科はスナイパー寄りよ、博麗結界の管理を元々していたわ、まぁ、よろしく」




続いて私の前に座る短髪の男性が立ち上がる。



「俺は上地健吾、階級は准尉だ、兵科はアサルトだ、こんな顔だが、怖がらないように頼む」


彼の目尻は鋭く、一目見れば睨まれていると勘違いしてしまう、彼はそれを自覚していたのだろう。


「次は私だな!私は霧雨魔理沙、階級は上級曹長だぜ!兵科はサポートで後方からライトマシンガンをばらまく兵科だ!よろしくな!」



赤髪の女性の隣に座る魔理沙が拳を入れて自己紹介する、その隣に座る赤髪の女性は立ち上がって魔理沙の頭に手を置く。



「はいはい、熱くならないの、私は霧雨桜、階級は少尉で副隊長の2人目よ、兵科はどっちかっていわれたらアサルトかな?新兵の教育担当でもあるわ、ま、これからよろしく!」


そういって彼女は魔理沙の頭の上に置いていた手を上げてこちらに手を振る。



「僕はシャムロック、シャムロック・S・チャーチルだよ、長いからシャムと呼んでほしいな、階級は曹長、兵科はアサルトだよ、これからよろしく!」



最後にメリーと蓮子が立ち上がる。



「昨日はお疲れ様、私は宇佐見蓮子、階級は曹長よ、兵科はアサルト、私の前に立つ敵は誰だろうと倒してあげる、前は任せなさい!」



「はいはい頼もしいわね蓮子、私はマエリベリーハーン、蓮子と一緒に数日前まで探偵していたわ、階級は蓮子と同じ曹長よ、兵科はスナイパー、よろしくお願いするわ」



これでこの場にいる全員の紹介が完了した、しかし、なぜ私たちはここに呼ばれたのか?


「では、これより通達を行う、本日より特殊作戦部隊ブルーイーグル隊を再編成する、それに伴い、以下4名をブルーイーグル隊へ配属する、


アルマ、


小林絵美里、


前田匠、


三善琢磨。


なお、この命令は本日付で有効であり、拒否権はない、命令に背いた場合、拘束され、直ちに銃殺刑に処す


まぁ、難しく考えるな、これからは俺たちと仕事をする、当然かなり危険な任務があるだろうが、心配するな、俺たちブルーイーグル隊は生存率100%だ、無理をしなけりゃ生き残れる」



突然のことに頭が回らない、ブルーイーグル隊?さっきまで戦っていたブルーイーグル隊とは違うのだろうか?



「あの、ブルーイーグル隊って、他の部隊とどう違うんですか?」


と、絵美里が先に聞く。


「ブルーイーグル隊はいわゆる独立部隊だ、どの大隊にも所属しない、本部からの指示のみで動く。

仕事は基本的に潜入調査や敵の後方にある輸送路の破壊、撹乱や重要人物の確保と、特殊部隊と同じ行動をとる、

当然、危険な仕事だが、褒美もそれなりにいいし、他の部隊と違って開発中の武器や装備を優先して使える」



「なぜ私たちが?」



私が次に聞く。



「君たち自身は気付いていないかもしれないが、全員能力を持っている、それを生かすために紫の一存で決定した。それ以外に質問はないか?」



誰も答えない。



「いいか、君たちがこの部隊に配属されるということは、それなりに期待されているというわけだ。当然、それに反対する者もいる、というわけでだ、早速だが訓練だ、桜、地図だ」



机の上に桜が紙の地図を広げる。



「さっきも言った通り、この入隊に反対する者がいる、そいつらに目にもの見せてやるのが今回の仕事だ、当然だが、俺たちは後方からの支援しかできない、琢磨、絵美里、アルマは前線に出ろ、匠はオペレーターとして指揮を取れ、霊夢」


真に呼ばれた霊夢は名簿を取り出す。



「後方に回るのは私、真、メリー、魔理沙よ、後のメンバーは後方で待機、健吾だけ匠について、以上よ」



そして、真が再び話す。



「いいか、これが新生ブルーイーグル隊の最初の訓練だ、肩の力を抜け、だが、失敗するな、作戦開始は30分後だ、解散」



その声で、全員がそれぞれの仕事をするために散っていった。


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