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氷結の魔法使いエルフが、世界を救うために2人の凸凹バディを育てます。  作者: エンザワ ナオキ


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第1話 修行は地道

 彼女の名前は、氷の精霊の国〈フローズンサンデー〉の盟主である『クリスタ』という。

 水色の短い髪と、軽い釣り目が特徴であり、最高級の魔法使いである。


 クリスタは、魔族が溢れるこの時代の平和を切実に願っている。

 魔族討伐のため、遠征に何度も出ているが、救えた命もあれば、救えない命もあった。


 クリスタは、人が亡くなる姿を見る度に思うことがある。


 ――また間に合わなかったか


 こんな風には思いたくない。

 一人一人に、大事なものがあり、家族がある。

 だが、あまりにも多くの亡くなる人間を見てきた。


 ――少しずつ、死に慣れてきてしまっている


 そんな風に思っていたある日、クリスタはある村に魔族討伐のために出向くが、一足遅く村は壊滅状態。


 ――人々も全滅か……

 

 そう考えていた時、村はずれに魔族と一人戦う少女を見つけた。


 その少女の名は『リーリエ スノウ』

 スノウは、最後まで戦う意志を曲げずに、圧倒的な力の差に臆する事なく、勇敢に立ち向かっていた。


 あと少しでも、助けるのが遅かったら亡くなっていただろう。


 クリスタは、スノウを立派な剣士として、育て上げると心に決めた。


 ◇


 スノウの村が襲われてから半年が経った


 スノウが負っていた怪我もすっかり完治し、1ヶ月前から修行が始まっていた。


「クリスタさーん、もう走り込みは飽きたよ」

 

 修行の第一歩として挙げたのは、ひたすら走り込みをさせること。

 走り込みをする事で、スタミナと足腰を鍛える意図があった。


「剣は、初日に簡単に教えたでしょ?」


 クリスタは、立派な剣士に育てると本人に伝えた。

 しかし、実際に剣を振ったのは、初日のみであり、その後の1ヶ月は基礎的な走り込みのみ。


「飽きた! 飽きた! 剣技教えて!」


「まったく、スノウは子供なんだから」


「なに? レイカはいいよね! 魔法教えてもらってるじゃん」


 クリスタは、スノウの他にももう一人、少女を拾った。


 彼女の名前は『ルミナス レイカ』

 魔法都市の名家〈ルミナス家〉の娘であったが、両親が訳あって名家から追放されてしまった。

 その影響もあり、学校からも退学処分となってしまい、居場所のないレイカをクリスタが引き取ったのである。


 レイカは、魔法使いとしては、かなり精錬されている。


 魔法は、魔力を元に使うことが出来る。

 魔力は簡単にいうと、バケツに入っている水。

 その水を使用することで、魔法を打てる。

 レイカはその魔力の量がとても多く、魔法をたくさん打てる才能を持っている。


「クリスタさーん、クリスタ、クリスタ、クリスタさーん!」


 スノウが駄々をこね始めてしまった。

 焦る必要はないのだけれど、ずっと同じことを続けるのは、飽きてしまう理由もわかる。


 ――そこまで言うのなら、仕方がないか……


 クリスタは、自身が師匠に教わっていた時のことも少し思い出していた。


「わかったよ……少し早いと思うけど、基本を教えよう」


 スノウへの修行は、次のステージへ上がった。

 次の修行はというと……。


「次に覚えてもらうのは、()()()()()()()()という基本技だよ」


 ()()()()()()()()とは、魔力を込めながら剣を振りきる基本技である。

 これを使いこなせるようになると、剣に冷気や熱気を纏ったりすることもできる上、剣の耐久や速度も増すことが出来るようになる。


 これを使いこなせるようになるためには、時間の他にもうひとつ重要なことがある。


「クリスタさーん、これめっっっちゃきついよ」


 これを使いこなす第一歩は、体力面の強化である。

 スノウは、剣の才能はあるが、スタミナ面が周りの人達より少ない。

 そのため、基礎的な走り込みの課題を何日も与えていたのだ。


「まったく、スノウ? こうやってやるのよ!」


 レイカは、スノウにお手本を見せた。


「レイカ、なぜ出来るの?」


「何故って、基本中の基本の技だからね」


 スノウは、ライカにも出来たことに驚きを隠せなかった。

 ライカは、基本がすでにしっかりと出来上がっている。


「クリスタさん、もう一度走り込みから鍛え直します!!」


 スノウは何故、あれほど走り込みをさせていたのか理由が分かったようだ。


 スノウのこういうところは、すごく頭が良い。

 自身に何が足りないかをすぐに理解できる。


 クリスタの修行は、スノウに実践を通じて、何が足りないかを教えることが多い。


「レイカ、あなたも今日は走り込み言って来なさい」


「わ、私もですか??」


「少し息が上がっているよ、剣を使う可能性もあるから、行って来なさい」


「えぇぇぇ」


 レイカはスノウに比べると、走り込みの量は少ない。

 魔法使いもスタミナがある分には、越したことはない。

 クリスタは、レイカへも走り込みを指示した。


「レイカ? こんなんで根をあげていたら、私の相棒になれないよ?」


「スノウの相棒になるわけないでしょ」


 そういうと、2人はは知りこみを始めた。


 2人は、仲が良いか悪いかわからない……。

 だけど、クリスタは世界を救う2人に育てると心に決めた。


 そのために、クリスタは〈フローズンサンデー〉の盟主を降りたのであった。

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