第8話 単純な攻略方法
スノウがクリスタの元へ辿り着く、数分前の出来事である。
レイカは、スノウに日差しの入るところで待機させていた。
そして、スノウの魔力の位置を感じとり、準備ができたことを悟った。
「よし、さっさと終わらせましょう」
レイカは、魔力を集中させ、空に向けて氷の魔法を打った。
そして、あたり一面の空が氷で覆われた。
スノウは、その光景を見て「綺麗だなー」と呑気に呟いていたが、待機場所には、氷の壁が貼られていなかった。
――なんで、ここだけ氷貼ってないの?
スノウは困惑したが、レイカに言われた通り、魔力を高めていた。
――なんだ? この音は……
遠くから大量の動物が近づいてくることを察した。
――まさか、操られている動物達?
スノウは、すべての動物達が襲ってくると覚悟をした。
「レイカ? まさか全部私に任せたってこと?」
スノウはレイカにすべての敵を任され、投げやりにされたかと思った。
しかし、魔物は日差しが指しているところに集まり、動こうとしない。
スノウは、レイカの意図を理解した。
この魔族の魔法は、日差しが指しているところでないと、発動が出来ないのではないかと。
そして、あっという間に100体ほどの動物達は集まった。
操られている動物達は、狭い箇所でお互いにぶつかり合っている。
――早く、解放してあげないと
ぎゅうぎゅう詰めになっている動物達に対し、スノウは素早い攻撃で、影を次々と攻撃していく。
スノウは、こんな魔法を使う敵に対し、嫌悪感を抱いていた。
しばらくすると、レイカも合流した。
「あれ、もう全部済ませちゃったの??」
レイカが現場に着く頃には、すでに動物達は言霊から開放されていた。
「集めちゃったら楽だね、投げやりにされたかと思ったよ」
「そんなことするわけないでしょ」
「やっぱり、マナの力にこだわりすぎて、太陽の元じゃないと操作出来ないんだね」
レイカは、クリスタの《《影を攻撃》》の本当の意図を読んでいた。
影を出すには、日差しや光が必要である。
影がないと、憑依は出来ていても、動きまでは操作出来ないことに、一瞬で気付いたのであった。
「早く動物達を回復させないと。レイカ、ここは任せても良い?」
スノウは、優しい人柄である。
傷ついた村人はもちろんだが、こんな動物の使い方をした魔族に怒りが募っていた。
「良いけど、どこに行くの??」
「クリスタさんのところ、きっと魔族と対峙してる。許せないから、倒してくる」
「そっか……いってらっしゃい」
スノウは、レイカに動物達の面倒を任せ、クリスタの元へ向かった。




