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船出のとき

10話ぐらいまで目指そうと思います

「早速だ、お前の持つ魔剣、アルティメッドブレードをよこせ」

「おうわかった」

凉太の要求に俺は即答した。

凉太はあっけなく了承するとは思わなかったため困惑している。


「断られたとき実力行使でも奪うつもりでいたのだが」

「無理勝てないそれに俺にはあの武器に未練は無い。

俺はあの剣のおかげで死にかけたんだぞ……」

凉太の疑問に俺はこう答える。

そう、あの剣は使用者の生命力を使う。

そのおかげでニートの俺でもまともに魔物と戦えたのだ。

ましてや覚醒薬でブーストした状態なら魔王ですら倒せる。

「魔剣だったのか」

俺は今更な疑問を凉太に投げかける。

「ああ、魔剣だ。特級の奴だ」

今更、特級とか言われても疑問には思わない。

「それより、いいのか?簡単に渡しても」

「いい何故必要かも知りたくもない

俺はあの剣からさっさと離れたいと思う

極端な話、質屋に売ろうとすら思った」

彼は非常に困惑している。

どうやら、自分はなぜこれだけ簡単に重要な物を簡単に渡せるのかという感じだ。

だが、どんなに価値があったところで使用者が理解してなければ、ただの置物だ。

ガラクタでしかない。


「じゃあ、お言葉に甘えていただくとするけど」

凉太は言う。

「ああ、遠慮せずに持って行ってくれ…」

その言葉に凉太は怪訝な顔をする。

「……お前が持っているんじゃないのか?」

理解不能だ。

「何を言っている。どこにあるのか知ってんじゃないのか?」

「いや、お前が隠し持ってるんじゃないのか?」

かみ合わない。どういうことだ。


「俺は、投獄されて薬中だった。当然武器は何も無い。

特級の奴なんてもってのほかだ。丸腰だった」

俺はそう答える。

投獄されたらそんな武器没収されている。

大体、城のどこかにあるんじゃないのか?

俺は凉太にそう説明した。

だが凉太はそう言った。

「城も牢屋もみんなぶち壊れた。お前がぶち壊した。

その残骸にはその剣はどこにもなかった。ならお前が異空間に無意識でしまったんじゃないのか」

「そんなことできるわけ無いだろメルヘンやファンタジーじゃあるまいし」

「これは剣と魔法のファンタジー世界だろ!」

凉太と俺はやいのやいのと言い争う。

そして無駄と感じる。

やがて俺はある仮説を言った。

「あの国はクソな国王が治めていた。ならクソな家臣の中に転売した奴がいるんじゃないか」

あり得るのか、そんな話がと凉太は呟く。

だが、いや、無いとは言い切れない。

と彼は呟いた。

「転売した奴がいる。別の倉庫に保管してある。誰かが奪い取った。暴走の時に消失した」

どれもあり得る話だと凉太は言った。

「この騒動で財が潤ってる奴、または高飛びした奴を探すしかない」

「その理屈なら……俺の家族も容疑者に入ってるのか」

俺の家族は故郷にはいなく高飛びしている。

「ああ、探す、見つけ次第奪う、乱暴はしたくないからお前の協力がいるがな」

凉太は躍起になって剣に固執する。

だが、俺は簡単に思った。

どうせなら家族を探す旅も悪くはないと。


山を降りた俺たちは町に向かった。

ここは港町。

潮の匂いがプンプンする。


俺の住んでた村より発展している。

俺が住んでた道具屋は何も無い。

知らないうちに蒸発したと言われた。

「まずは質屋に行かないとな」

質屋、そう、このあたりでは大きい質屋だ。

(多分あるとは思えないが、冷やかし程度に見てやろう)

そんな感じだった。

「第一、あんな特級物がこんな地方都市にあるような質屋に買取ができるとは思えないがな」

と凉太はいった。


「アルティメッドブレードですか、確かに買い取りましたね」

店主の台詞に困惑する凉太。

「確かに強そうな武器でしたが、選ばれし者しか使えないのでしょう?

500000Gで買い取ったらその1時間後に1200000Gですぐ売れましてこちらは儲けものでしたよ、わっはっは!」

「物の価値のしらねえ連中が多すぎる!」

凉太は叫んだ。

「失礼な、高級すぎて売れなければ意味が無いでしょうに」

「アルティメッドブレードを受け取ったそいつはどこに行った」

「守秘義務で言えませんな」

どうしてもというならと店主は銭をよこせのジェスチャーをする。

凉太は財布から3万Gを出した。

そんなにあるのかよ……

「使える金はこれだけしかない、この金で風俗行く予定だったのに……」

おいおい……

「仕方ないですな、彼は時間を気にしておりましたな。多分船に乗ったのでしょう」

最も推測でしかありませんがね。


3万Gも払って得た情報は、

買ったやつは男で、船に乗ったかも知れないというものだけだった。


だが、救いはこの港から向かう場所は一つしか無いということだった。

ジュクシンシ……、割と大きな町だ。

俺たちは船に乗った。

そのときも金は必要だったが、凉太がどうにかした。

「活動資金が……、必要経費が」とぼやきながら


船が揺れる。

俺たちが乗った船は割と大型な帆船だ。

波が揺れるたびにゲロを吐きそうになるぐらい気持ち悪い。

凉太は平然としている。

「とにかく、部屋に入って横になって休めばいい」

それでも波が揺れるたびに気持ち悪くなる。


「私はこの船の船長です。

私が責任を持ってあなた方をジュクシンシまで連れて行きます。

私の腕に誓ってあなた方を快適で安全な旅を提供しましょう」

そう言った船長は絶対大嘘つきだと思う。


どかん


酷い衝撃があった。

何があったのだろうか。


俺は這い上がって、部屋から出て近くの船員に聞いた。

「今の衝撃は一体なに?」

「いいえ大丈夫です問題ありません」

船員はそう答えた。


船は傾いたように感じる、俺は聞いた。

「傾いてるように見えるが」

「大丈夫、大丈夫です問題はありません」

そう言うばかりだ。


数時間後、船は沈んだ。

船長共にクルーは逃げ出したらしい。

救命ボートも無い状態で海に投げ出され、そのまま沈んだ。



くそったれ。

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