胡散臭い来賓
コツコツ……今日もまたいつもの白い鳥がやって来た。
毎回、餌付けもしてないのによくくるよな……君もあいつらの様に面倒見がいい奴なのかな……
朝ごはんは冷凍チャーハンを温めて食べるかな。
ピンポーンピンポーン
静かな部屋にインターホンが鳴り響いく……まだ、ご飯を食べている最中なのに暇な人もいるもんだな。
誰がこの家に尋ねて来る人を思い返しながら玄関に向かった。
「ふふふ、おはよう」
ん‼︎……見覚えがある金髪の女の子がいる…
「こんな時間なのにいるなんて珍しいと思ってピンポン押してみた」
今日はゆっくりしていたとはいえ、まだ7時30分なのに……
「ほら、惚けてないで準備していくよ。10分で支度して」
いつもは遅刻ばかりするのにこんな時だけ邪魔しに来るなんて……
昨日の晩から教科書を入れていた為、あとは身なりを整えるだけと……
あまり気乗りはしないが茨木と一緒に学校に行くことにした。
「ねえねえ、薊。私、手首にタトゥー入れたんだよ。おしゃれでいいでしょ」
そんなことばっかりしているから先生に目をつけられてているのに……いい加減自覚してほしい。
「茨木は茨木らしくやってていいな」
驚いた様子でこちらに振り返って来た。その顔は少しだけ赤かった…
「急にどうしたの?最近の薊にしては珍しいこと言うじゃん」
そんなに珍しかったのか?
茨木とたわいもない話をしていると校門の前に人だかりができていた。
昨日の事件でマスコミでも駆けつけたのだろうか?
集団の間を掻い潜って抜けると場違いな車が一台、来賓駐車場に止まっていた。
よく見ると車の前に校長と茶色いコートを着た女性がいた。
恐らく事件の関係者だろう……
めんどくさいことにならないといいな。
教室に入ると、あんな事件があったにも関わらず次の日には、別の話題で盛り上がっていた。
「なっ……君はそんな額を請求するのかね」
当たり前さね。あんた達が公にするのを拒むからいけないことさね。しかし、まあ。こっちもおたくの理事長とは長い付き合いだからこんな破格な値段で言ってるのにそれを拒否するなんて……
「君みたいな野良が……あまり舐めた真似をするとどうなるか分かっているのかね」
そんな態度を取んなら……
いきなり立ち上がったかと思うと校長の胸ぐらを掴み引っ張った。
こっちはマスコミにこの情報を流してもいいんだぞ?アン⁉︎
部屋中に怒り食った咆哮がひびきわたる。
流石にそこまでされると思ってなかったのか、顔に恐怖の二文字が浮かんでいた。
隣に立っていた副校長も慌て歌めいていた。
依頼料きっちり振り込んどけよ。そして、あの女狐に伝えとけ。こんな胸糞悪い依頼を頼むなら二度と私を呼ぶな。
その言葉とともに立ち上がり、ドアを蹴破ったかの様に出て行った。
校長室は嵐が通った後の様にぐちゃぐちゃになっていた。
「先輩、うまく話はまとまりました?」
さあね。手応えすらなかったよ。ただ、この学校は人の業がつまってるみたいで居心地が悪かったよ。
これから忙しくなりそうだから、今回は美味しい焼肉でも行くかね……もちろん君の奢りで
「冗談ですよね…先輩」
顔がだんだんと青ざめていく…
嘘さね。今回は私持ちで良いよ
そういいながら後輩の方をポンポンと叩いた。
「え…じゃ、じゃあ、お寿司にしましょう。もちろん回らないお寿司で。今日はたくさん食べるぞ」
ふふ、相変わらずお前はからかいやすい奴さね
これから、忙しくなりそうだからゆっくりしときな
昨日更新してたと思ったら出来てませんでした。