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虚言の進む道  作者: 小林小鞠
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約束

次の日、同じように図書室に向かうとやはりというべきか彼女が座っていた。今日は昨日ほど埋まってもいないので彼女の近くの席に座った。自分の勉強を進めていき、きりのいいところまで来たので彼女のほうへ視線を移すと参考書に向かってうなっていた。私は勉強が得意ではないが、別段苦手というわけでもないので彼女のそんな姿を見て少し笑ってしまった。しばらく眺めているとこちらの視線に気づいたのか、彼女は少し顔を赤らめてうつむいてしまった。無理に声をかけると余計に気まずくなってしまうと考えた私は、自分の荷物を片付け帰宅する準備を始めた。彼女には悪いことをしてしまったな。そんなことを考えながら帰路をたどっていると。後ろから突然声をかけられた。

「ちょっと待ちなさいよ!」

私が振り返るとそこには例の彼女が走ってこっちに向かっていた。どうして追いかけてきたのかわからない。噂では私の家の反対方向だった気がする。まぁそんなことは私には関係ないのだけれど。聞こえない振りを擦るのは可哀想なので私は足を止めた。

「ねぇ、貴方図書室で私のこと笑ってたでしょ!」

嘘をつく必要もないので正直に笑ってしまったことを謝罪した。なぜその程度のことでわざわざ追いかけてきたのかを聞き返したかったが口を開くのをやめた。きっとさらに面倒なことになる気がしたからだ。

「ところでさ、貴方は頭いいの?」

突然話を変えてきたな、私はそう思いながらあまり得意ではない旨そして別段苦手ではないことを伝えた。

「ふーん。そっか、じゃあ貴方の時間があるときでいいからさ勉強教えてよ。それで私のことを笑ったこと許してあげる」

私は彼女が一瞬何を言っているのか理解できなかった。私が貴女に勉強を教える?そんなことをしたらクラスでどんな噂が立つかわかったもんじゃない。一か月がたったとはいえ、まだまだ転校生としてのうわさは残っている。私が関わる利点がないのだ、むしろ平穏な学校生活を送りたい私からしたら不利なのだ。

「悪いがその申しつけは受け入れられない。」

「そっか、じゃあ転校生のことを図書室で笑って泣かしたって噂流すね。」

完全に噂話に尾ひれがついたが!?むしろそのうわさを流されるほうが厄介なのでは。

「ぐっ、し、仕方ない図書室を利用している時だけ、その条件でいいなら勉強を教える。もし無理ならこの話はなかったものにしてくれ」

さらば平穏な学校生活。さらば自由な図書室ライフ

「わかったわ、その条件で構わない。早速だけど明日の放課後からよろしくね。」

「あ、あぁ分かった」

後ろから何か聞こえた気がするが、今はそんなことにかまっている暇はない。明日からの憂鬱な学校生活に気を重くしながら帰路に着いた。


お久しぶりです。もしくは初めまして小林小鞠です。なんとか2話目を投稿できたので一安心です。

もう少し投稿頻度を上げれるように頑張ります!

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