行商
「いい天気〜〜!!」
よく晴れた日によそ行きの格好!
久しぶりのお出かけでワクワクしている。
「まり〜!早くしないと始まるぞ〜!」
ジークもテンション高めだ。
今日は待ちに待った、不思議な行商のショーに行く日!!
「「いってきまーーす!!!」」
「はぁーい!気をつけていってらっしゃい〜!」
2人でワクワクしながら向かう。
「どんなのが見れるのかな!」
「俺も楽しみにしてて、あんまり話を聞いてないんだ!行ったやつにはまだ話すなって言ってて!」
ほうほう、ジークはドラマとかネタバレが嫌なタイプか!
近づくにつれ、人が多くなってきた。
入り口でチケットを見せて、無事に会場に入る。
ここは村で集まりとかで使える野外ステージみたいなところだ。
半円状に人が座るところがあって、中心がステージみたいになっている。
私たちは真ん中寄りの前から2列目のなかなか、いい席が取れたのでは?!とジークとはしゃいでいた。
スーツを着たおじさまが出てきて、いよいよショーが始まった…!!
*****
「楽しかったなぁ〜!!」
「すごかった!!炎がぶわぁ〜ってなって!」
2人とも興奮気味で話しながら帰り道を歩く。
本当にすごかったのだ!
ショーもすごかったのだが、なんとこの世界!魔法があったのだ!!!!
魔法の存在を知らなかった。
生活の中に一切魔法の存在を感じなかったのだ!
現代の日本から考えると昭和?ぐらいの不便さなのだ!
洗濯も手洗いだし、服も毎日は変えないし、1番の不満は毎日頭が洗えないこと…!!
でもなぜか、髪の毛さらさらで痒くもないんだよね…
病気の時とか2、3日入らなかっただけで頭が痒くなってくるのに…
とりあえず、魔法があること!これは大発見だ!夜にナンシーさんとゴートンさんに聞いてみよう!
ジークはどこまで私のことを知っているのか分からないのだ。ナンシーさんとゴートンさんがジークにどこまで話しているのか…
魔法のこととついでにジークのことも聞いてみようっと…!
ジークと2人であれがすごかった!もう一回見たい!なんて騒ぎながら家に帰った。
後ろから黒い影が追っているとも知らずに…