表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歌姫は家に帰りたい  作者: さくら
いつのまにか…
10/13

ゴートンの悩み

[ゴートン視点]


コトリ…


ナンシーが無言でいつものお酒を目の前に置く。みんなが寝静まった夜に一杯呑みながら、のんびりするのが俺の毎日の楽しみだ。


おつまみはナンシーの気分と家計次第だ。

ナッツが出てきたり、干し肉が出てきたりすることもある。


俺の目の前で、ナンシーもハーブティーを飲んでいる。ふたりでのんびりしながら、今日あったことや聞いた話などを話すこともあれば、無言でぼーっとすることも少くはない。



ガチャ


「あの今、少しいいですか?」

ひょっこり顔を出してきたのはまりだ。


「ん…?どうした…?」

ナンシーも不思議そうな顔をしている。


「あの今日、ショーを見に行ったんですが凄く楽しかったです!ありがとうございます」


「楽しかったのならよかった」


「それで教えて欲しい事があるんですけど… この世界って魔法があるんですか…?」


「あぁ、あるが…?それがどうした?」


「いえ、実は元の世界では魔法がなくって… 」


この後は魔法のことを質問攻めされた。


まず魔力は誰でも微力ながら持っていること、平民で魔法が使えるまでの魔力を持っている人は少ないってこと。例えば、魔法を使うのに100の魔力が必要になるとすれば、平民が持ってるのはだいたい20〜50ぐらいだが、個人差があるってこと。


他にも生まれて1歳ぐらいになると神殿に行き、簡易的な魔力測定をしてもらう。そこで強い反応が出るとちゃんとした魔力測定をして、その測定の数値次第では貴族の家へ養子に、養子の家が見つからなかった場合は神殿へと行く。

基本、魔力は両親から遺伝されるものだから平民同士の結婚の場合はほとんどが弱い反応しかでない。

ただ時々、平民で膨大な魔力を持った子が生まれる事がある。100年に1人とかぐらいで、ほとんどが歴史に残るほどの魔力量であったこと。


魔法を使える様になるには専門の学校に行かないといけない、ただし貴族専用の学校だから平民には縁もゆかりもないこと。


基本的なことはほとんど話したが、自分たちは魔力を持たない人間だから、これ以上のこもはわからないことも伝えた。


「なるほど、わかりました!聞いてよかったです!ありがとうございます!」


「いや、役に立てたならよかった。もう今日は遅い、早く寝たほうがいい」


「はい、おやすみなさい」


ある程度、納得したのか笑顔で部屋を出ていった。


魔法がない世界なんて、本当にまりの住んでいたところはどんな所なんだろう…



最近、村の人からまりの将来について、ジークと結婚させるのか?って聞かれる。


やはり、他の人から見てもまりは特別に映るらしい。


手入れが行き届いている、肌に髪。そして行儀、作法も良い。


なのに愛想が良く、人当たりもいいのだ。


見目もよく、人柄も良し、そしてよく働く。良い嫁候補なのは理解できる。


もし、「ジークと結婚させない」って答えたら二言目は「じゃあ、うちに嫁に来させないか?」って想像できる。

今のところ全部回答を濁しているが、いつまで誤魔化しが効くのか…


「まりは、やはり不思議な子だ…」


「えぇ、そうね」


ナンシーも何か思うところがあるのか、深く頷く。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ