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7 逃亡
前方に、ぽつんと小さな明かりが見えてきました。
メイドさんに急かされ、私が先に出口をくぐりました。
「さぁ、メイドさんも・・・。」
振り向いた途端、出口が内側からふさがれました。
「え。メイドさん、メイドさん!」
出口に耳をくっつけ、必死に呼びかけると、複数の人が争う音が聞こえてきました。
「お嬢様。お逃げくださいっ。」
「わかったわ。ありがとう、メイドさん。」
すぐに私は、身をひるがえして駆けだしました。目指すのは森。
涙が、幾度も頬を伝います。
私、生きます・・・。生きますからね・・・!メイドさん!