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5 プレゼント・・・?
「お嬢様、お嬢様!」
うっすらと目を開くと、私の周りにメイドさん、執事がずらりと並んでいます。
よく見ると、皆目に涙を溜めて。
「お辛いでしょうが、お聴きください。今日、馬車に乗りお二人で通学路の下見に行ってらっしゃったのです。しかし、テロリストの爆破事件に巻き込まれ、あえなく旅立たれました。」
ぽた、ぽたと染みが私の下に広がっていく。
「奥様の最期のお言葉は、『絶対に、クリステルを笑顔で銀狼騎士学校に行かせてやってね』でした。」
「う、うええええええええええええええええーん!!」
私は小さい頃に戻ったかのようにみっともなく、大声をあげて泣いてしまいました。
「これをどうぞ」
「これも」
「これもです」
そして、周りのメイドさんから一斉に差し出されるもの。
ハンカチ・・・ではなく、化粧グッズや、「正しい紳士のふるまい方」?って、なんですか!?
全て、ありがたく受け取っておきます。
執事からは、ずっしりと重い巾着袋を預かった。