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20 ば、ばれましたか!?
戻って来た時には、皿の上に綺麗にカットされたピーチモを乗せていました。
「うら、食え。」
「ありがとうございます。」
フォークにピーチモを刺し、口に運ぶ。
かむと同時に感じる甘み。しかしくどくない甘さを堪能しているうちに、いつのまにかピーチモは無くなっていました。
ふと見ると、おじさんがこっちを見つめています。顔に、何かついているのでしょうか?それとも、ピーチモをほとんど私が食べてしまったからでしょうか?
も、もしかして、男装を見破られてしまったのでしょうか……?
アセアセと考える私を見て、おじさんはスッと目を細めました。
「坊ちゃん、お前身分高ぇ家の出だろ」
「へ?あ、今は孤児ですけれども……。」