1 おじい様がやらかしました
どうも、コンニチワ。私、クリステル・ガードナー12歳、ガードナー家の一人娘です。
そして現在、おじい様の謝罪を聞いております・・・
「本当に、本当にごめんなさい!クリステル・・・。お願いだから嫌わないでぇ!」
土下座されながら。
事の発端は、おじい様が銀狼騎士学校に入学手続きをしてきたこと。
ガードナー家は代々戦闘能力に長けた家で、幼いころから武術をたたきこまれている私にとって、騎士学校であることはなんら問題ないのですが・・・。
「銀狼騎士学校と言えば、男だらけの学校じゃないですか!!
そんなところにこんなに可愛いクリステルを行かせるなんて、死なせるつもりでしたの!?
聞いてらっしゃる?お父様??」
そうなのです・・・。銀狼騎士学校といえば、女子の入学は認められているものの、The・男子校。男の天下です。
そんなところ、行きたくない!と、言いたいところなのですが・・・。
「銀狼騎士団の皆様は、かっこいいですものね・・・。」
ついもれてしまうつぶやき。黒色の騎士服を身にまとい、銀のサーベルを持つその姿には男女ともに憧れるものです。
「だろう?私もそれを思って、ぐはっ」
「クリステル、こんなじじいは気にしなくていいから、思っていることを言いなさい?」
お母様、目が笑っていませんよ?冷気があたりに漂い、物理的に寒くなってます。
しかし・・・。必死な様子のおじい様と、目が合ってしまいました。
すると、私が幼い時の言葉がよみがえってきたのです。
「おじい様、私、大きくなったら銀狼騎士学校に入りたい!」
そう、私は確かに言っていたのです。
「お母様・・・。」
「なあに?クリステル」
お母様がおじい様を踏みつけながらこちらに振り向きます。
「私、銀狼騎士学校にだ、男装していきます!」
「「男装!?」」
お母様とおじい様の声がピッタリハモりました。
「確かに男装なら女子には見られないから・・・。」
「あー、よかったよかった、ひっ!?」
ほーっと息を吐いたおじい様、またお母様ににらまれてます。
「わかったわ。クリステルがそうしたいというのなら。」
「ありがとう、お母様!」
私、銀狼騎士学校に男装していくことになりました!